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第2章
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殿下の思惑通り、現れました・・・ターミアが。
驚いた事に、パートナーはウィリアムでした。
いつ、何処で再会したのでしょう?
虚な目でターミアの隣にいるウィリアムは組んでいる腕を引っ張られる様に子息達で賑わう輪に入って行きました。
「出てきたな」
「何故ウィリアムなのでしょう?彼はターシャ達と近付くことのない様に説得されていたと思いましたが」
「したね。でも、結果は・・・アレだ」
至極残念そうに彼等を一瞥して、殿下は上座に座する陛下に目配せを送られました。
「取り敢えず、踊ろうか。私が踊らないと夜会が始まらない」
本来なら、主催者である国王夫妻がダンスを披露して、初めて夜会が始まります。
しかし、今夜は殿下が代わりを努めます・・・私と。
陛下の挨拶と共に殿下とホールの中央に向かいます。
ダンスは苦手ではありませんが、得意でもありません。
足を引っ張らない様に頑張りませんと。
「緊張、してる?」
「していないとは言えません。失敗したら、お許しください」
「フフ。大丈夫、フォローするから。私に身を任せるといい」
心強いお言葉をいただき、フロア全体に曲が響き始めました。
私達のダンスが終わると、次々と子息令嬢をはじめとする貴族達が各々のパートナーとダンスを始めます。
皆様、大変お上手です。羨ましい。
当然、ウィリアムとターミアも踊っていますが、ターミアの目線は他の子息達に向かっています。
あからさま過ぎやしませんか?
「やらかすな、アレは」
「申し訳ありません」
「彼女はもうリリアローズの姉ではないだろう?謝罪する必要はない」
気持ち的に謝罪したい気分です。
先日までは姉でしたので。
少しだけ肩身の狭い思いをしていると、ダンスを終えたターミアが次のダンス相手に手を合わせている所でした。
瞬間、微かにターミアの手首にあるブレスレットが揺らめいた気がしました。
「殿下」
「わかっている。マット」
「はい」
影の様に殿下の後ろで控えていたマット様が微かな気配と共に現れました。
ヌッと現れるよりかはマシですが、気配なく存在していた方がいきなり現れるのも心臓に悪いです。
「見張っていろ」
「御意」
もう・・・あの方は魔術師を辞めて影が諜報部に転属なさった方がいいのでは?
「リリアローズ、私達は挨拶の続きだ」
「・・・はい」
ターミアに向けていた目線を前に向き直し、挨拶をする為に並んでいた貴族達に、貼り付けた笑顔を向けました。
「大丈夫か?」
挨拶の一区切りがついた途端、特に精神が疲弊し、心の中で項垂れてた私をケロッとしている殿下が気遣ってくださいます。
「初めて、殿下を、尊敬致しました・・・」
「喧嘩なら、買うよ?」
「いえ、滅相もございません」
「まぁ、これ位の挨拶は常だね。だから、慣れてるだけだよ。リリアローズもそのうち慣れる」
慣れる程回数をこなす機会は訪れないと思います。
「リリア、休憩にしましょうか」
壇上に居られたはずの王妃様が私を抱き締めて王族専用の休憩室に誘われます。
良いのでしょうか?
「大丈夫。陛下が残って下さるから、今のうちに休憩しましょう」
確かに、壇上には陛下が座って会場を眺めておられます・・・と言うより、ターミアの動向を探っておいでですね、あれは。
「・・・お言葉に甘えさせて頂きます」
「えぇ。じゃあ、行きましょうか・・・って、フレン、貴方も来るの?」
「当然です。リリアローズは私のパートナーですからね」
「・・・そこまで言うなら、必ず落としなさい」
ポソリと小さな声で殿下に何かを伝えられた王妃様に殿下が力強く頷かれました。
何を落とすのでしょう?
驚いた事に、パートナーはウィリアムでした。
いつ、何処で再会したのでしょう?
虚な目でターミアの隣にいるウィリアムは組んでいる腕を引っ張られる様に子息達で賑わう輪に入って行きました。
「出てきたな」
「何故ウィリアムなのでしょう?彼はターシャ達と近付くことのない様に説得されていたと思いましたが」
「したね。でも、結果は・・・アレだ」
至極残念そうに彼等を一瞥して、殿下は上座に座する陛下に目配せを送られました。
「取り敢えず、踊ろうか。私が踊らないと夜会が始まらない」
本来なら、主催者である国王夫妻がダンスを披露して、初めて夜会が始まります。
しかし、今夜は殿下が代わりを努めます・・・私と。
陛下の挨拶と共に殿下とホールの中央に向かいます。
ダンスは苦手ではありませんが、得意でもありません。
足を引っ張らない様に頑張りませんと。
「緊張、してる?」
「していないとは言えません。失敗したら、お許しください」
「フフ。大丈夫、フォローするから。私に身を任せるといい」
心強いお言葉をいただき、フロア全体に曲が響き始めました。
私達のダンスが終わると、次々と子息令嬢をはじめとする貴族達が各々のパートナーとダンスを始めます。
皆様、大変お上手です。羨ましい。
当然、ウィリアムとターミアも踊っていますが、ターミアの目線は他の子息達に向かっています。
あからさま過ぎやしませんか?
「やらかすな、アレは」
「申し訳ありません」
「彼女はもうリリアローズの姉ではないだろう?謝罪する必要はない」
気持ち的に謝罪したい気分です。
先日までは姉でしたので。
少しだけ肩身の狭い思いをしていると、ダンスを終えたターミアが次のダンス相手に手を合わせている所でした。
瞬間、微かにターミアの手首にあるブレスレットが揺らめいた気がしました。
「殿下」
「わかっている。マット」
「はい」
影の様に殿下の後ろで控えていたマット様が微かな気配と共に現れました。
ヌッと現れるよりかはマシですが、気配なく存在していた方がいきなり現れるのも心臓に悪いです。
「見張っていろ」
「御意」
もう・・・あの方は魔術師を辞めて影が諜報部に転属なさった方がいいのでは?
「リリアローズ、私達は挨拶の続きだ」
「・・・はい」
ターミアに向けていた目線を前に向き直し、挨拶をする為に並んでいた貴族達に、貼り付けた笑顔を向けました。
「大丈夫か?」
挨拶の一区切りがついた途端、特に精神が疲弊し、心の中で項垂れてた私をケロッとしている殿下が気遣ってくださいます。
「初めて、殿下を、尊敬致しました・・・」
「喧嘩なら、買うよ?」
「いえ、滅相もございません」
「まぁ、これ位の挨拶は常だね。だから、慣れてるだけだよ。リリアローズもそのうち慣れる」
慣れる程回数をこなす機会は訪れないと思います。
「リリア、休憩にしましょうか」
壇上に居られたはずの王妃様が私を抱き締めて王族専用の休憩室に誘われます。
良いのでしょうか?
「大丈夫。陛下が残って下さるから、今のうちに休憩しましょう」
確かに、壇上には陛下が座って会場を眺めておられます・・・と言うより、ターミアの動向を探っておいでですね、あれは。
「・・・お言葉に甘えさせて頂きます」
「えぇ。じゃあ、行きましょうか・・・って、フレン、貴方も来るの?」
「当然です。リリアローズは私のパートナーですからね」
「・・・そこまで言うなら、必ず落としなさい」
ポソリと小さな声で殿下に何かを伝えられた王妃様に殿下が力強く頷かれました。
何を落とすのでしょう?
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