自称病弱の姉に婚約者を奪われたけど、もう気にしない

蒼葉

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第2章

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 王城に連れて行くわけにもいかないウィリアムを、ご丁寧にも魔術師長様直々に治しに来てくださいました。
 事の詳細を知られる訳にはいかないと、部屋の外から眠りの術が施された後、施術なさいました。

「ここまで酷いと数回は行わなければなりませんね」

 毎日当家に来ては、毎回ターミアに会っていましたからね。
 その都度呪術を施されていれば、掛けられている他の貴族よりかは重度なのだそうです。

「お預かりする理由はどの様になさったのです?」

「侯爵家にはそのまま伝えた。ウィリアムはどうするか・・・」

 ずっと眠らせておく訳にはいけませんしね。

「信じる信じないはウィリアム様に委ねるとして、真実を話された方がよろしいのでは?」

 魔術師長様のおっしゃる通りだと思います。
 解呪の施術も後数回は必要ですし、騙しながらは無理があります。

「そうか・・・そうだな。暫くウチにいてもらうにしても真実は告げるべきだな」

 ショックを受けるかもしれません。
 しかし、やはり真実は知るべきです。
 それで尚、ターミアがを愛しているなら一から関係を築き上げてほしいです。

 ウィリアムが目覚めるのはまだ先という事なので、明日朝食の席で話す事となりました。





「そう、ですか・・・」

 セバスチャンに連れられて食堂に現れたウィリアムは状況がいまいち把握できていない表情でしたが、知り合いである私達の顔を見て少し安堵していました。

 食事が始まり、事前にお父様と食後に話すと決めていましたが、彼から話を振られ、告げる事になりました。
 落ち込んでいる様ではありますが、施術の効果で少しだけ冷静に受け止めている様です。

「おかしいとは思っていたんです。いくらターミアを好きになったとしても、リリアローズを蔑ろにする理由がなかった。でも、なぜか疎ましく思い、私達の仲を引き裂く悪者の様に思えてしまった・・・君は何も悪くはないのに・・・すまない・・・本当にすまない」

 謝罪を述べ、私に頭を下げたウィリアム。
 私達の間に愛情はないけど、好意はある。
 だから、たとえ婚姻を結んだとしてもそれなりの家庭を築けると思っていました。

「例え術の所為での想いだとしても、そこは許されません。肝に銘じてください」

「わかっている。すまない」

「本当の貴方は優しい人だと知っています。だから、次の婚約者様に思いやりを持って接してあげてください」

「約束する」

 キッパリと言い切ったウィリアムを見ると真剣に頷いていた事に少しだけ嬉しく思いました。

 その後。
 今後の状況からターシャ達との接触をさせる為ウィリアムは公爵家預かりとなり、魔術師長様からの解呪をここで受けることとなりました。 

 王城にその旨を知らせると、殿下が魔術師長様と共に毎回来訪される事になりました。
 何故?
 
 
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