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第2章

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 義母と姉は、沙汰が出るまで拘束するとお父様
に知らされた。
 私としては、姉にちゃんと教師をつけて、勉学や淑女教育を施して立派な後継になってもらった方がい気がするするのですが・・・。

 何にせよ、学園へ行く許可がおりました。
 但し、護衛付きで。
 セバスチャンの息子である執事見習いのマリオが側に付いてくれています。
 護衛、必要ですか?

「マリオ」

「何でしょう?リリアローズ様」

「私の護衛などしなくていのですよ?」

「え?絶対に必要ですよね?」

「え?必要ですか?」

「はい。必要です。いつ、何時なんどき、ターシャ様の仲間がリリアローズ様を狙うか分かりませんから」

「お義母様の仲間とは?」

 あー・・・そこからかぁ。とマリオが顔を覆って嘆きます。
 義母が何やら悪い事をしたのは聞きました。
 どうやら、先日の一件に繋がるのだとか。
 まだまだ余罪が出るらしいので安全対策なのです。
 だから私に護衛のマリオを付けられたのですが、公爵家を出る私を誰が何の目的で何かをするにはメリットがありません。

「リリアローズ様は公爵家を出ませんよ?」

 マリオ、超能力者でしょうか?

「顔見れば分かります」

 表情のコントロールに定評があるのですが。

「まだ本決まりではないですが、リリアローズ様付きの執事になる予定なので、主人の感情、体調、行動などの観察は常に気を付けています」

 久々に、ポカンとマリオの顔を見てしまいました。
 淑女として、はしたないです。

「家を出る私には・・・」

「リリアローズ様は、ずーっと公爵家の御令嬢です。もしかして、ご当主様が許可を出されるとお思いですか?」

「駄目と言われています・・・」

「ほら。だから護衛も執事も必要なものです。安心して護られてください」

「・・・はい」

 皆は何故姉ではなく私を公爵家に留まらせようとすろのだろう。
 腹違いとは言え、姉は姉。
 当然、公爵家を継ぐのは姉で、いずれ婿を取る。
 だから、私は何処かへ嫁ぐしかなかったのですが、先日の婚約破棄で傷物の行方は後妻か働き手として公爵家を出なければなりません。
 それを申し上げているのですが・・・伝わりません。

「リリアローズ嬢」

 ふむ、と伝える手段を模索している時、後ろから男性にしては涼やかな声が聞こえてきました。
 最儀礼を取るマリオから推測するに、公爵家より上の位の方ですね。
 だとしたら、お一人しか居られません。

「フレン王太子殿下。ごきげんよう」

 学園なので軽くカーテシーを披露する。

「やっと登校できたんだね」

「ご心配おかけ致しました」

「体調を崩していないなら一安心だね、マリオ」

「はい」

「でね。母上がリリアローズ嬢を心配していて・・・申し訳ないのだけど、これを受け取ってもらえるかな?」

 真っ白な生地に金の模様が描かれた美しい封筒を私に向かって殿下が差し出す。

「これは?」

「母上からの、お茶会の招待状」

 一介の貴族令嬢に、ここまで気に掛けていただいているとは。

「どうだろう?」 

「私としては、お受けしたいのですが・・・父に聞いてみないと分かりません」

「まぁ、そうだろうね・・・」

 この言い回しは、殿下も先日の件をご存知なのでしょうか?

「受けてもらえたら母上も喜ぶ。勿論、私も参加するから気兼ねはいらないよ」

 気遣い必須、来ました。

「では、今夜にでも父に聞いてお返事させていただきます」

「わかった。い返事を期待してるよ」

 ヒラリと手を振り、元来た道を帰って行かれる姿を見送り、もう一度招待状を見やった。

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