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第1章
間話 公爵の黒歴史
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報告によれば、ターシャとの出会い以前からになる。
元々孤児だったターシャは貧しい暮らしに嫌気をさし、下町の飲み屋で働き始める。
働くと言っても、裏家業(夜の相手)が主だったが、たまに表立った仕事もこなしていたらしい。
そこへ、働く事に飽きたターシャは、度々訪れる小さな商家の跡取り息子の所へ押しかけた。
跡取り息子はターシャを好いていたらしく、後に継ぐはずの家に住ませた。
だが、まだ跡取りだった青年は稼ぎも少ない。
少しの贅沢を覚えたターシャはその生活にも嫌気をさす。
次に狙ったのは跡取り息子と、共に訪れる商会の会合に集まる商会長達。
その中の見目麗しく、かなり資産を有する年配の一人の男をターゲットにした。
もちろん男はターシャに落ちる。
跡取り息子を捨て商会長に乗り換えたターシャは彼の別荘を与えられた。
悠々自適に暮らしていたターシャの元に父親が囲っている女に会いに、息子が現れた。
遊び相手に向いていた商会長の息子。
頻繁に訪れてはターシャを怪しげなパーティーへと誘う。
資産家と言っても年上の男より、若い男を好むターシャは遊び始める。
職種は、色々な男達。
その中で舞台俳優の者がいた。
舞台俳優はターシャに請われ演技の指導を教える。
ターシャの目的は、更に男を虜にする為の演技を身につける事。
指導を受けるにつれ、ターシャはある欲を募らせた。
ーーー貴族相手では、どこまで通じるだろうか?
それを相談したのは勿論、商会長の息子。
乗った息子は舞台俳優の男を巻き込んで、ターシャに本格的に男を騙す演技を教え込んだ。
三人が狙ったのは小さな夜会。
これには貴族は当然だが、金さえ積めば平民でも参加できる軽いもの。
自分達も参加し、めぼしい相手を探して見つけたのが当時男爵家の跡取りだった、友人。
友人は、貴族なだけあり、易々と近づく事ができない。
そこで考えたのが、他国で噂される『呪術玉』だった。
その呪術玉は意中の相手に魅了を掛けるという代物。
少しの中毒性があり、かなりの回数使われると、抜け出せなくなる。
それを使われた友人は籠絡され、まんまとターシャの罠にかかった。
ターシャを囲い込んだ友人は毎回食事会に連れてくるようになる。
当然、集まった友人達に紹介。
その中に、私もいた。
会った時、妙な感覚に陥った瞬間があった(その時既に呪術玉を使われていた)。
それは他の友人も感じたらしい。
会う回数が増えると、次第にターシャを影で取り合う形に発展していった。
隠れてデートしたり、内緒で高価な贈り物をしたり。
それらを受けながらも、公爵という肩書きを持つ私に擦り寄るターシャを拒まなかったのは、最愛の妻ティアラローズを亡くしたばかりで、隙があったのだろう。
何の疑いもなくデートを重ね・・・これ以上は言うまい。
黒歴史だ。
ここまで真っ黒な女だとは思わなかった。
改めて言おう・・・黒歴史だ。
何枚にも渡っての報告書は、悪が物凄く詰め込まれていた。
多少省いた部分はある。
男爵の友人にたどり着くまでに繰り返した婚姻は、リリアローズに決して聞かせたくない内容ばかり。
ここまでの事を平然とやってのける強靭な精神に、驚きを隠せない。
元々孤児だったターシャは貧しい暮らしに嫌気をさし、下町の飲み屋で働き始める。
働くと言っても、裏家業(夜の相手)が主だったが、たまに表立った仕事もこなしていたらしい。
そこへ、働く事に飽きたターシャは、度々訪れる小さな商家の跡取り息子の所へ押しかけた。
跡取り息子はターシャを好いていたらしく、後に継ぐはずの家に住ませた。
だが、まだ跡取りだった青年は稼ぎも少ない。
少しの贅沢を覚えたターシャはその生活にも嫌気をさす。
次に狙ったのは跡取り息子と、共に訪れる商会の会合に集まる商会長達。
その中の見目麗しく、かなり資産を有する年配の一人の男をターゲットにした。
もちろん男はターシャに落ちる。
跡取り息子を捨て商会長に乗り換えたターシャは彼の別荘を与えられた。
悠々自適に暮らしていたターシャの元に父親が囲っている女に会いに、息子が現れた。
遊び相手に向いていた商会長の息子。
頻繁に訪れてはターシャを怪しげなパーティーへと誘う。
資産家と言っても年上の男より、若い男を好むターシャは遊び始める。
職種は、色々な男達。
その中で舞台俳優の者がいた。
舞台俳優はターシャに請われ演技の指導を教える。
ターシャの目的は、更に男を虜にする為の演技を身につける事。
指導を受けるにつれ、ターシャはある欲を募らせた。
ーーー貴族相手では、どこまで通じるだろうか?
それを相談したのは勿論、商会長の息子。
乗った息子は舞台俳優の男を巻き込んで、ターシャに本格的に男を騙す演技を教え込んだ。
三人が狙ったのは小さな夜会。
これには貴族は当然だが、金さえ積めば平民でも参加できる軽いもの。
自分達も参加し、めぼしい相手を探して見つけたのが当時男爵家の跡取りだった、友人。
友人は、貴族なだけあり、易々と近づく事ができない。
そこで考えたのが、他国で噂される『呪術玉』だった。
その呪術玉は意中の相手に魅了を掛けるという代物。
少しの中毒性があり、かなりの回数使われると、抜け出せなくなる。
それを使われた友人は籠絡され、まんまとターシャの罠にかかった。
ターシャを囲い込んだ友人は毎回食事会に連れてくるようになる。
当然、集まった友人達に紹介。
その中に、私もいた。
会った時、妙な感覚に陥った瞬間があった(その時既に呪術玉を使われていた)。
それは他の友人も感じたらしい。
会う回数が増えると、次第にターシャを影で取り合う形に発展していった。
隠れてデートしたり、内緒で高価な贈り物をしたり。
それらを受けながらも、公爵という肩書きを持つ私に擦り寄るターシャを拒まなかったのは、最愛の妻ティアラローズを亡くしたばかりで、隙があったのだろう。
何の疑いもなくデートを重ね・・・これ以上は言うまい。
黒歴史だ。
ここまで真っ黒な女だとは思わなかった。
改めて言おう・・・黒歴史だ。
何枚にも渡っての報告書は、悪が物凄く詰め込まれていた。
多少省いた部分はある。
男爵の友人にたどり着くまでに繰り返した婚姻は、リリアローズに決して聞かせたくない内容ばかり。
ここまでの事を平然とやってのける強靭な精神に、驚きを隠せない。
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