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第二十章 火山地帯で小休止
第二百九十九話 気楽な旅は期待出来ない?
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明日以降に訪れそうな筋肉痛の恐怖に向き合いつつ、イズミとベリアは町の大通りへと足を運んでいた。
折角新たな町に来たのだから、今日の昼食は外で食べようと言う話になったのだ。
大通りで最初に見えたのは、武器屋に防具屋と冒険者に必要な装備の店で、次に薬草や食料品の店と続く。
その奥に食事処があるらしいのだが、冒険者であるベリアが店に入らずも装備をじっくりと眺めながらなので、ゆっくりとした足取りで進んでいる。
「武器の質が違う気がする」
ベリアの視線の先には、薙刀のような武器やモーニングスターみたいな武器、魔力動作式の小型クロスボウ等が並んでいる。
「少し見てくか?」
「良いのか?腹が減ってるなら、飯を先にした方が良いと思うけど」
「まずは物を見て、買うか悩んだら一旦飯を食って改めて考える。それ位が良いんだよ」
それを聞いたベリアは早速武器屋に入ってゆく。
イズミも後を追って店に入るが、自分の扱えそうな武器は少ない。
「どうだ?」
「ひと目見ただけで斬れ味が違う気がするぞ」
目と尻尾がルンルンのベリアが店員に頼んで武器を見せて貰っているのを眺めつつ、ゆっくりと店内と外を見て回る。
どうも外から視線のようなものを感じるのだ。
「イズミ、終わったぞ」
ベリアは武器を買わず、向かいの防具屋へと入ってゆく。
偶然入った防具屋は獣人向けの装備も取り揃えがしっかりしているのか、体格に合った防具が見つかったらしい。
直ぐに試着をすると言って店の奥へと消えてしまった。
見送ったイズミは店の外を眺めて時間を潰していると、別の店に居る2人くらいと目が合った。
「俺達がガーベラさんの住む屋敷から出て来たから、誰かが気になっていると言ったところか…」
小さく呟いたイズミは、念の為にマグナムとナイフを取り出す準備だけしておく。
「買っちった」
ベリアは即決で防具を購入していた。
急所は薄くも頑丈らしい鈍い蒼色をした金属製で、他の防御部分は魔物の茶革製だった。
サイズ調整は別の魔物の革を使い、微調整も出来る優れものだと言う。
「以前のより金属部分が多そうだが?」
「それだけどよ、こっちのが軽いんだ」
古い防具は売りに出したらしく、新品の装備で店を出る。
後を追うイズミへと振り向いたベリアが、飯屋の方を指差した。
「昼飯、食いに行こうぜ…人間が2人、アタイらを監視してる」
直ぐにベリアも気付いたようだ。
飯屋へと2人で歩きながら、ベリアは店を覗きつつ監視の目が途切れないかを確認する。
「食料を買うなら、明日以降だな」
「そうだな」
イズミは腕を組み、右手をマグナムへ添えながらベリアと同じ歩幅で歩く。
気になった飯屋へと入ると、すぐテーブル席へと案内された。
「オススメは?」
「ウチはふっくらとした卵料理が自慢なんだ」
「じゃ、それのセットを2つ頼みます」
「分かったよ!」
店員が奥へと向かったのを確認した後で、2人は小声で話しだした。
「…3人だな。アタイらのすぐ後で入って来てる」
「飯を食い終えたら、俺達から聞いてみるか?」
「止めといた方が良いな、下手に関わると碌な事が無い」
「分かった。今回は無視する事にしよう」
そこまで話をしたら、2人共表情が柔らかくなる。
ここからは食事モードだ。
「お待たせしました、ふっくら卵のランチセットです!」
「ありがとう」
イズミとベリアはランチを受け取ると、静かに食事を始める。
卵と牛乳を使った卵焼きは、店員が言っていた通りふっくらとしていた。
砂糖が使われていないのか甘みが少ないが、それでも十分に美味しい料理だった。
卵焼きの隣には薄くスライスして焼かれたベーコンと少しの野菜がある。
ランチにはちょうど良い分量であり、2人は満足のいく食事を楽しんだ。
会計を済ませ店を出ると、背後を取られないようにベリアが警戒しながら通りへと移動する。
「暫くは尾行されるなコリャ」
「気楽な旅ってのは難しいものだな」
誰かが何らかの目的を持って、自分達とコンタクトを取りたいのかもしれない。
そんな事を考えつつ、ガーベラ達が居る屋敷へと歩を進めた。
折角新たな町に来たのだから、今日の昼食は外で食べようと言う話になったのだ。
大通りで最初に見えたのは、武器屋に防具屋と冒険者に必要な装備の店で、次に薬草や食料品の店と続く。
その奥に食事処があるらしいのだが、冒険者であるベリアが店に入らずも装備をじっくりと眺めながらなので、ゆっくりとした足取りで進んでいる。
「武器の質が違う気がする」
ベリアの視線の先には、薙刀のような武器やモーニングスターみたいな武器、魔力動作式の小型クロスボウ等が並んでいる。
「少し見てくか?」
「良いのか?腹が減ってるなら、飯を先にした方が良いと思うけど」
「まずは物を見て、買うか悩んだら一旦飯を食って改めて考える。それ位が良いんだよ」
それを聞いたベリアは早速武器屋に入ってゆく。
イズミも後を追って店に入るが、自分の扱えそうな武器は少ない。
「どうだ?」
「ひと目見ただけで斬れ味が違う気がするぞ」
目と尻尾がルンルンのベリアが店員に頼んで武器を見せて貰っているのを眺めつつ、ゆっくりと店内と外を見て回る。
どうも外から視線のようなものを感じるのだ。
「イズミ、終わったぞ」
ベリアは武器を買わず、向かいの防具屋へと入ってゆく。
偶然入った防具屋は獣人向けの装備も取り揃えがしっかりしているのか、体格に合った防具が見つかったらしい。
直ぐに試着をすると言って店の奥へと消えてしまった。
見送ったイズミは店の外を眺めて時間を潰していると、別の店に居る2人くらいと目が合った。
「俺達がガーベラさんの住む屋敷から出て来たから、誰かが気になっていると言ったところか…」
小さく呟いたイズミは、念の為にマグナムとナイフを取り出す準備だけしておく。
「買っちった」
ベリアは即決で防具を購入していた。
急所は薄くも頑丈らしい鈍い蒼色をした金属製で、他の防御部分は魔物の茶革製だった。
サイズ調整は別の魔物の革を使い、微調整も出来る優れものだと言う。
「以前のより金属部分が多そうだが?」
「それだけどよ、こっちのが軽いんだ」
古い防具は売りに出したらしく、新品の装備で店を出る。
後を追うイズミへと振り向いたベリアが、飯屋の方を指差した。
「昼飯、食いに行こうぜ…人間が2人、アタイらを監視してる」
直ぐにベリアも気付いたようだ。
飯屋へと2人で歩きながら、ベリアは店を覗きつつ監視の目が途切れないかを確認する。
「食料を買うなら、明日以降だな」
「そうだな」
イズミは腕を組み、右手をマグナムへ添えながらベリアと同じ歩幅で歩く。
気になった飯屋へと入ると、すぐテーブル席へと案内された。
「オススメは?」
「ウチはふっくらとした卵料理が自慢なんだ」
「じゃ、それのセットを2つ頼みます」
「分かったよ!」
店員が奥へと向かったのを確認した後で、2人は小声で話しだした。
「…3人だな。アタイらのすぐ後で入って来てる」
「飯を食い終えたら、俺達から聞いてみるか?」
「止めといた方が良いな、下手に関わると碌な事が無い」
「分かった。今回は無視する事にしよう」
そこまで話をしたら、2人共表情が柔らかくなる。
ここからは食事モードだ。
「お待たせしました、ふっくら卵のランチセットです!」
「ありがとう」
イズミとベリアはランチを受け取ると、静かに食事を始める。
卵と牛乳を使った卵焼きは、店員が言っていた通りふっくらとしていた。
砂糖が使われていないのか甘みが少ないが、それでも十分に美味しい料理だった。
卵焼きの隣には薄くスライスして焼かれたベーコンと少しの野菜がある。
ランチにはちょうど良い分量であり、2人は満足のいく食事を楽しんだ。
会計を済ませ店を出ると、背後を取られないようにベリアが警戒しながら通りへと移動する。
「暫くは尾行されるなコリャ」
「気楽な旅ってのは難しいものだな」
誰かが何らかの目的を持って、自分達とコンタクトを取りたいのかもしれない。
そんな事を考えつつ、ガーベラ達が居る屋敷へと歩を進めた。
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