異世界無宿

ゆきねる

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第十九章 暴力の嵐

第二百八十話 暴力の嵐

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「マスター。マシンガンを私に預けて頂けれませんか」

マスタングが頼んで来たので、ベリアの膝の上にショルダーバッグを置かせて貰い器用にグローブボックスへ収納させる。

「何に使うんだ?」

「ガトリングでは過剰と判断した際に、マシンガンで対応しようかと」

ガトリングの弾幕では無駄が多くなる可能性があると判断したようだ。
自分の扱える最強かつ最大火力を失うのは痛いが、必要な時はマスタングが援護をしてくれると信じる事にする。

「もうすぐ到着します」

腕時計を確認すると夜の10時50分を過ぎた所…丁度1時間…マスタングはイズミの怒りに応えてずっとフルパワーに近い状態で走っていてくれたのだ。

「マスタング、ありがとうな」

「当然の事をしたまでです。私も許せない事案ですので」

どうやらマスタングも敵に対し怒りのようなものを抱いているようだ。

「敵地に接近します。戦闘態勢に入って下さい」

マスタングのアナウンスを聞いたイズミとベリアは、持っている武器の最終確認をする。
後部座席の2名はまったりと構えている。


敵の拠点から悟られないようにライトを消したマスタングが、効果的な攻撃が出来るとしたポイントに停車する。
イズミとベリアは降車すると、敵の拠点を静かに見つめた。

「ベリア様、これから私が行う攻撃をよく見ていて下さい。今後もマスターの援護をして頂けるならば、同等の魔法を扱えるようになる事を約束致します」

「え?」

マスタングから突然言われたベリアは一瞬理解出来ていないようだったが、その直後にミサイルを発射したので毛が逆立っていた。

よく見てみるとミサイルの様な形状はしているものの、超圧縮された魔法攻撃に近しい物に感じる。
その色は真っ赤な炎ではなく、どちらかと言うと黒い。
これは夜間戦闘用にマスタングが調整をしたのかもしれない。

後方発射式ミサイルは綺麗な弧を描くと、敵地へと一直線に飛んでゆく。
通常のミサイルみたいな煙は一切出ておらず、スンと目標へと進む。

最初の攻撃が敵地に着弾すると、爆発音と共に大きな火柱が確認出来た。
マスタングはそのまま合計で5回のミサイル発射をした。
30発のミサイルを発射するのに掛かった時間は、僅か20秒程度だった。

イズミはメガネをかけると敵地の情報をリンクさせる。
マスタングが狙った場所は敵の監視所や宿舎、馬車置き場や武器庫に食料庫だ。

通常のミサイルならば爆発で終わるかもしれないが、マスタング特製の攻撃はそれだけで終わる事は無かった。
火柱は風魔法でも使ったのかように竜巻へと変化し、攻撃地点を燃やし尽くす。

「マスター、状況開始です。敵の本部へミサイルを撃ち込みますので、制圧をお願いします」

「…よし、行こうか」

イズミは両頬を軽く叩くと、アサルトライフルを取り出して歩き出した。
ベリアもナイフを肩にかけてついて行く。

マスタングが放ったミサイルで破壊された壁から敵陣地へ入り込むと、既に敵の大半は戦闘どころでは無いようだった。

必死の消火活動も虚しく、火の手は敵陣地を灰にしてゆく。
宿舎の中からは男達の悲鳴が聞こえる時もあるが、奴等は敵なので同情する必要は無いと無視して進む。

イズミ達に気付いた敵もいたが、サプレッサーを装着したアサルトライフルと、ベリアの風魔法を使った無音の刃で直ぐに無力化した。

敵の本部はレンガ作りの3階建だったが、マスタングのミサイルが命中した箇所は最早廃墟同然の状態と化している。
イズミはアサルトライフルの弾倉を交換してから、ベリアと共に敵の本部への侵入を始めた。

敵の防衛が強固な所もあったが、アサルトライフルの弾倉をフルで撃ち込みベリアがファイアーボールを放つと、直ぐに反応が無くなった。

防衛地点となっていた所を確認すると、ベリアが地下への入口を発見する。
フラウリアから貰った資料には無かった物だ。
念の為にフラウリアにも確認を取る。

「フラウリアさん、敵の本部に地下への入口を発見したのですが」

「成る程…我々の資料は約1ヶ月前に複数の人間の意識を乗っ取って収集したのですが、その間に作り込んだ可能性がありますね」

「そう言う事ですね、後で調べてみます」

ベリアが地下への扉にマーキングとしてナイフでバツ印を付ける。
2人はまだ制圧出来ていない上階への階段を見つけると、武器を構え直して移動を再開する。
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