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第十六章 犯罪組織を追え
第二百十八話 マスターキー2号
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パシュパシュパシュパシュ!…
サプレッサーで抑えられた銃声と共に、部屋にいた男達を無力化する。
ベリアが上手いことボスらしき男を風魔法で壁まで吹き飛ばしてくれたので、鉛玉を1発も食らっていないまま確保が出来た。
「イズミ…アタイがコイツを飛ばして無かったら、コイツから話を聞けなくなる所だったぞ?」
当然、ベリアから怒られてしまった訳だが。
ベリアが男を縛り上げ話を聞き出そうとするも、一言も喋ろうとしない。
1発殴ろうかと思った所で、フラウリアがやって来た。
「周囲は大丈夫です…彼がここのリーダーですか?」
「恐らく。彼女のお陰で確保出来ました」
フラウリアがイズミの名前を出さなかったので、ベリアの名前も伏せて話を続ける。
「ちっ、獣人に魔族かよ。ついてねぇ」
「ちゃんと話せるんだな、良かった。此処で何をしてるのか、話してくれるか?」
イズミは部屋にあった金貨や銀貨を布袋に詰め、しっかりと縛ってクルクルと振り回す。
「テメェ等に話す事なんて無いな」
「隠匿の魔法までかけて、何してるんだ?」
「…」
イズミはベリアに頼んで男を立たせると、振り回していた布袋で金的を叩いた。
「!?グァァ!!!」
それを見た2人は、何食わぬ顔でそれをするイズミをポカンと見ているだけだった。
「話す気になったか?何が目的なんだ」
痛みが引いてきた頃合いで、改めて聞く。
「…話すと思うのか?」
イズミは再度、金的を布袋で叩き付ける。
男の悲鳴が耳に残るが、優しく扱う理由も無いので続行する。
とあるアクション映画でこの尋問?拷問シーンを見た時は、なんて恐ろしい事をするのだと思ったものである。
自分がやる側に立つ事になるとは思わなかったが。
「話してくれるまで、何度も繰り返すだけだ」
単調な作業でもするかのように、1分毎に叩き付ける。
何度か繰り返していると、男がゲロってくれた。
「止めてくれ!話す!話すから!!俺達は頼まれただけなんだ…」
耐え切れずに吐いた情報によると、魔術師を連れた商人の男に頼まれ、この廃墟の警備を請け負ったそうだ。
隠匿の魔法と子供達の誘拐は、自分達では無いと言う。
元々は窃盗と強盗が主な活動内容との事なので、後で衛兵に引き渡すとしよう。
ベリアに頼んで男には眠ってもらい、隠匿の魔法がかかっている場所を探す。
「地下への扉がありそうな場所は…」
「…あ!コレじゃないか?」
ベリアが廃墟にしては妙に小綺麗な壁を指差し、イズミとフラウリアに確認してもらう。
「…間違いないわ」
フラウリアの確認も取れたので、イズミは魔法の解除を始めて貰おうとした。
「で、誰が魔法の解除をするのですか?私は苦手でして」
そのフラウリアが疑問の声を上げる。
イズミとしては、フラウリアが解除魔法を使えてくれればと勝手に期待していたが、当のフラウリアにとっては苦手魔法のようだ。
「マスター。グレネードランチャーで隠匿の魔法と防御魔法を破壊しましょう」
「やっぱりゴリ押ししかないか…囚われている子供達に被害が出る可能性は?」
「ありません」
マスタングからの回答を聞いたイズミは、隠匿魔法のかかった壁から距離を取ると、ショルダーバッグからグレネードランチャーを取り出した。
「マスターキー2号ってな…2人とも、離れて耳を塞いでおいたほうが良いぞ」
2人が移動したのを見届けると、壁の真ん中に命中するように意識しつつグレネードランチャーを撃ち込んだ。
撃ち込んだ弾が爆発するのと同時に、壁に施されていた魔法陣が浮かび上がり砕け散る。
爆発の煙をベリアが風魔法で除去すると、先程までは無かった扉が確認出来た。
「おぉ…あったあった。コレだな」
「む、無茶苦茶ですわ…」
グレネードランチャーを仕舞い扉へ近付くイズミを見ながら、常識外の魔法解除を目の当たりにしたフラウリアは呆然としていた。
扉は頑丈であったが、イズミがショットガンで扉の金具を破壊し、ベリアが本気の蹴りで扉を吹っ飛ばしてくれた。
戦闘用のライトで扉の奥を照らすと、地下への階段となっていた。
「…罠は無さそうだぞ」
一通りの確認をベリアがしてくれたので、イズミ達は階段をゆっくりと降りていった。
サプレッサーで抑えられた銃声と共に、部屋にいた男達を無力化する。
ベリアが上手いことボスらしき男を風魔法で壁まで吹き飛ばしてくれたので、鉛玉を1発も食らっていないまま確保が出来た。
「イズミ…アタイがコイツを飛ばして無かったら、コイツから話を聞けなくなる所だったぞ?」
当然、ベリアから怒られてしまった訳だが。
ベリアが男を縛り上げ話を聞き出そうとするも、一言も喋ろうとしない。
1発殴ろうかと思った所で、フラウリアがやって来た。
「周囲は大丈夫です…彼がここのリーダーですか?」
「恐らく。彼女のお陰で確保出来ました」
フラウリアがイズミの名前を出さなかったので、ベリアの名前も伏せて話を続ける。
「ちっ、獣人に魔族かよ。ついてねぇ」
「ちゃんと話せるんだな、良かった。此処で何をしてるのか、話してくれるか?」
イズミは部屋にあった金貨や銀貨を布袋に詰め、しっかりと縛ってクルクルと振り回す。
「テメェ等に話す事なんて無いな」
「隠匿の魔法までかけて、何してるんだ?」
「…」
イズミはベリアに頼んで男を立たせると、振り回していた布袋で金的を叩いた。
「!?グァァ!!!」
それを見た2人は、何食わぬ顔でそれをするイズミをポカンと見ているだけだった。
「話す気になったか?何が目的なんだ」
痛みが引いてきた頃合いで、改めて聞く。
「…話すと思うのか?」
イズミは再度、金的を布袋で叩き付ける。
男の悲鳴が耳に残るが、優しく扱う理由も無いので続行する。
とあるアクション映画でこの尋問?拷問シーンを見た時は、なんて恐ろしい事をするのだと思ったものである。
自分がやる側に立つ事になるとは思わなかったが。
「話してくれるまで、何度も繰り返すだけだ」
単調な作業でもするかのように、1分毎に叩き付ける。
何度か繰り返していると、男がゲロってくれた。
「止めてくれ!話す!話すから!!俺達は頼まれただけなんだ…」
耐え切れずに吐いた情報によると、魔術師を連れた商人の男に頼まれ、この廃墟の警備を請け負ったそうだ。
隠匿の魔法と子供達の誘拐は、自分達では無いと言う。
元々は窃盗と強盗が主な活動内容との事なので、後で衛兵に引き渡すとしよう。
ベリアに頼んで男には眠ってもらい、隠匿の魔法がかかっている場所を探す。
「地下への扉がありそうな場所は…」
「…あ!コレじゃないか?」
ベリアが廃墟にしては妙に小綺麗な壁を指差し、イズミとフラウリアに確認してもらう。
「…間違いないわ」
フラウリアの確認も取れたので、イズミは魔法の解除を始めて貰おうとした。
「で、誰が魔法の解除をするのですか?私は苦手でして」
そのフラウリアが疑問の声を上げる。
イズミとしては、フラウリアが解除魔法を使えてくれればと勝手に期待していたが、当のフラウリアにとっては苦手魔法のようだ。
「マスター。グレネードランチャーで隠匿の魔法と防御魔法を破壊しましょう」
「やっぱりゴリ押ししかないか…囚われている子供達に被害が出る可能性は?」
「ありません」
マスタングからの回答を聞いたイズミは、隠匿魔法のかかった壁から距離を取ると、ショルダーバッグからグレネードランチャーを取り出した。
「マスターキー2号ってな…2人とも、離れて耳を塞いでおいたほうが良いぞ」
2人が移動したのを見届けると、壁の真ん中に命中するように意識しつつグレネードランチャーを撃ち込んだ。
撃ち込んだ弾が爆発するのと同時に、壁に施されていた魔法陣が浮かび上がり砕け散る。
爆発の煙をベリアが風魔法で除去すると、先程までは無かった扉が確認出来た。
「おぉ…あったあった。コレだな」
「む、無茶苦茶ですわ…」
グレネードランチャーを仕舞い扉へ近付くイズミを見ながら、常識外の魔法解除を目の当たりにしたフラウリアは呆然としていた。
扉は頑丈であったが、イズミがショットガンで扉の金具を破壊し、ベリアが本気の蹴りで扉を吹っ飛ばしてくれた。
戦闘用のライトで扉の奥を照らすと、地下への階段となっていた。
「…罠は無さそうだぞ」
一通りの確認をベリアがしてくれたので、イズミ達は階段をゆっくりと降りていった。
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