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第十四章 運び屋稼業も楽じゃない
第百八十三話 妨害は許さない
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ベリアからの提案で、昨日食事をした食事処で早めの昼食を取り、それから出発をする事になった。
とは言っても卵の警備にも注意が必要なので、ベリアとカーネリアが先に食べに行った。
ついでに食料調達までやってくれると言うので、頼んでしまった。
イズミは保存食の黒パンにジャムを塗り、マスタングの傍らで食事を済ませ移動の準備として魔力補給をしておいた。
「マスター。卵の適正管理の為に魔力を使ってもよろしいでしょうか?」
「適正管理か、どんどん使ってくれ」
マスタングへ指示を出して身体を伸ばしていると、馬車置場の門が開いた。
「お前が英雄気取りの運び屋か?」
「只の旅人だ」
身長が2mはあるガタイの良い大男が現れた。
手には斧を持ち、既に戦闘をする意欲に溢れている。
「話は聞いたぜ。かなりの大仕事らしいじゃねぇか!お前のようなチビにこなせる仕事なのか、この俺が直々に確かめてやるよ」
「…死んでも責任は取れんぞ」
「Sランク候補の俺に言ってくれるじゃねぇか…テメェの心配をするのが先じゃねぇか?」
大男が体勢を低くして突撃して来る前に、イズミの右手がマグナムを掴み引き金に指をかけた。
1発の銃声で決着が付いた。
大男の胸部に目掛けて撃ち込んだ銃弾は、残念な事に大男の頭へ命中し粉砕したのだ。
一瞬で楽にあの世へ逝った大男の遺体を退かし、何事も無かったかのように休憩に入る。
「アンドレアス?どうだ?」
程なくして遠くから誰かの存在を確認する声がしたので、イズミが代わりに答えた。
「運が悪かったな…大男は死んだよ」
「なに!?」
慌てて馬車置場へ入って来た男は、頭部の無くなった大男へ近付く。
「アンドレアスが死んだ?エンペラーオークを単独で倒せるお前が、どうして?」
静かに泣く男の後ろから、ベリア達がやって来た。
「イズミ、待ったか…って、何かあったんだな」
「大した事じゃ無い。乗ってくれ、出発するぞ」
マグナムをホルスターに仕舞い、カーネリアを後部座席へ乗せる。
ベリアが食料をトランクに仕舞ってから助手席に座りドアを閉めた。
「大した事じゃない?アンドレアスを殺しておいて、その言い草はなんだ!?」
「仕事の邪魔をするからだ」
イズミは言い切った。
「仕事の邪魔をするなら、国王だって殺す。俺は仕事に忠実な男なんだ」
「アンドレアスの家族に何て言う?」
男は涙声で尋ねる。
「…相手の実力を測れぬ男だった。それ故に死ぬ運命だったとでも言っておけ」
「…アンドレアスの敵は俺が取る。覚悟しておけ」
「そうか、楽しみにしてるよ。出来ればサイクロプス程度の魔物は1人で倒せるようになってから来てくれ。坊や」
イズミは男の顔を見ようとすらせず、マスタングのエンジンをかける。
「どうかしましたか?ヒッ!?」
「いえ…そこで死んでる大男に襲われたのですが、此方で対処しました。遺体の処分を頼みたい」
銃声を聞きつけやって来た遺体冒険者ギルドの職員は遺体に驚いていた。
イズミは職員に銀貨を10枚渡し、遺体を見てしまった精神的負担分として個別に金貨を2枚握らせた。
「え…こちらは?」
「銀貨は遺体の対応費に、金貨は貴方への迷惑料とでも思っておいて下さい。暫く夢見も悪くなるかもしれません」
そう言ってマスタングへ乗り込む。
職員は金貨をポケットに仕舞い深呼吸をすると、急いで他の職員を呼びに建物へ走って行った。
轟音と共にマスタング走り出すと、馬車置場には男の大男の遺体だけが残される。
「単独でサイクロプス?何をふざけた事を…」
男はそう言葉にしたものの、目の前に転がる仲間の遺体が自らの実力不足を物語っている。
どんな武器を使ったのかは分からないが、仲間内で1番腕っぷしの強かった男が一撃で死んだのだから。
「化け物め」
男の怨めしい声が、静かに馬車置場に響いた。
とは言っても卵の警備にも注意が必要なので、ベリアとカーネリアが先に食べに行った。
ついでに食料調達までやってくれると言うので、頼んでしまった。
イズミは保存食の黒パンにジャムを塗り、マスタングの傍らで食事を済ませ移動の準備として魔力補給をしておいた。
「マスター。卵の適正管理の為に魔力を使ってもよろしいでしょうか?」
「適正管理か、どんどん使ってくれ」
マスタングへ指示を出して身体を伸ばしていると、馬車置場の門が開いた。
「お前が英雄気取りの運び屋か?」
「只の旅人だ」
身長が2mはあるガタイの良い大男が現れた。
手には斧を持ち、既に戦闘をする意欲に溢れている。
「話は聞いたぜ。かなりの大仕事らしいじゃねぇか!お前のようなチビにこなせる仕事なのか、この俺が直々に確かめてやるよ」
「…死んでも責任は取れんぞ」
「Sランク候補の俺に言ってくれるじゃねぇか…テメェの心配をするのが先じゃねぇか?」
大男が体勢を低くして突撃して来る前に、イズミの右手がマグナムを掴み引き金に指をかけた。
1発の銃声で決着が付いた。
大男の胸部に目掛けて撃ち込んだ銃弾は、残念な事に大男の頭へ命中し粉砕したのだ。
一瞬で楽にあの世へ逝った大男の遺体を退かし、何事も無かったかのように休憩に入る。
「アンドレアス?どうだ?」
程なくして遠くから誰かの存在を確認する声がしたので、イズミが代わりに答えた。
「運が悪かったな…大男は死んだよ」
「なに!?」
慌てて馬車置場へ入って来た男は、頭部の無くなった大男へ近付く。
「アンドレアスが死んだ?エンペラーオークを単独で倒せるお前が、どうして?」
静かに泣く男の後ろから、ベリア達がやって来た。
「イズミ、待ったか…って、何かあったんだな」
「大した事じゃ無い。乗ってくれ、出発するぞ」
マグナムをホルスターに仕舞い、カーネリアを後部座席へ乗せる。
ベリアが食料をトランクに仕舞ってから助手席に座りドアを閉めた。
「大した事じゃない?アンドレアスを殺しておいて、その言い草はなんだ!?」
「仕事の邪魔をするからだ」
イズミは言い切った。
「仕事の邪魔をするなら、国王だって殺す。俺は仕事に忠実な男なんだ」
「アンドレアスの家族に何て言う?」
男は涙声で尋ねる。
「…相手の実力を測れぬ男だった。それ故に死ぬ運命だったとでも言っておけ」
「…アンドレアスの敵は俺が取る。覚悟しておけ」
「そうか、楽しみにしてるよ。出来ればサイクロプス程度の魔物は1人で倒せるようになってから来てくれ。坊や」
イズミは男の顔を見ようとすらせず、マスタングのエンジンをかける。
「どうかしましたか?ヒッ!?」
「いえ…そこで死んでる大男に襲われたのですが、此方で対処しました。遺体の処分を頼みたい」
銃声を聞きつけやって来た遺体冒険者ギルドの職員は遺体に驚いていた。
イズミは職員に銀貨を10枚渡し、遺体を見てしまった精神的負担分として個別に金貨を2枚握らせた。
「え…こちらは?」
「銀貨は遺体の対応費に、金貨は貴方への迷惑料とでも思っておいて下さい。暫く夢見も悪くなるかもしれません」
そう言ってマスタングへ乗り込む。
職員は金貨をポケットに仕舞い深呼吸をすると、急いで他の職員を呼びに建物へ走って行った。
轟音と共にマスタング走り出すと、馬車置場には男の大男の遺体だけが残される。
「単独でサイクロプス?何をふざけた事を…」
男はそう言葉にしたものの、目の前に転がる仲間の遺体が自らの実力不足を物語っている。
どんな武器を使ったのかは分からないが、仲間内で1番腕っぷしの強かった男が一撃で死んだのだから。
「化け物め」
男の怨めしい声が、静かに馬車置場に響いた。
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