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第十二章 辺境伯領にて
第百六十一話 アイテムボックス
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「アイテムボックス?そんなの王都の魔道具屋でも無かったりするぞ」
イズミの質問を聞いたベリアが答えてくれた。
重い武器をより効率的に運用する解決策として思い浮かんだのは、マスタングの収納能力であるアイテムボックス機能。
アイテムボックス機能を持った魔道具を入手すれば、銃も弾薬も持ち運びが容易になり効果的な戦闘が可能になる。
「アイテムボックスってのは、ダンジョン産のドロップ品や宝箱からしか出て来ないって聞いた事がある」
単にアイテムボックスと言っても、種類があるらしい。
ポーチみたいな形をしている物だったり、装飾品に能力として付与されていて、何も無い空間から物を取り出したりしているように見える物だったり。
「そうか…アイテムボックスがあれば、ネガティブ要素を潰せるのだが」
「ダンジョンに潜るか、店に入荷した品を買うか。そのどちらかだな」
ラムネを飲み終えたベリアが瓶を返しに来たので、トランクに仕舞いつつ改めて考える。
ベリアがゾルダの訓練に戻るのを見送っていると、アーリアから連絡が入った。
「出来たわよ。指輪はもう少し時間がかかりそう」
アーリアが魔法通信の処理を済ませて、転移魔法でやって来た。
「ありがとう。助かるよ」
イズミはブレスレットを受け取ったついでに、アイテムボックスについて相談してみた。
「アイテムボックス?あるけど」
アーリアはそう言うと何も無い空間から、ラムネを取り出して見せた。
「それって、俺でも使えたりしないか?」
「イズミは魔法が使えないから、私が使うタイプのアイテムボックスは無理ね。道具タイプの物なら大丈夫だと思う」
説明を聞いたイズミは、ベリアが言っていた入手手段の検討に入った。
便利な道具は欲しいに決まっている。
商店街で購入した商品を仕舞えるし、武器と弾薬も収納出来る。
欲しくない訳がない。
「アイテムボックスは誰もが欲しがる品物だから、入手は困難よ」
アーリアは何処からかポーチやら書物やらを実体化…アイテムボックスから取り出す…させる。
アーリアが出した小さなポーチに、イズミは試しにマグナムを収納してみる。
小銭入れサイズのポーチであるにも関わらず、マグナムが収納された。
次にポーチに手を入れてみるが、マグナムの感触は無い。
「取り出したい物をイメージすれば、取り出せるわよ」
助言をもらったイズミは、マグナムをイメージして再度ポーチに手を入れる。
今度はマグナムのグリップを握る事が出来て、ポーチから取り出せた。
「用意するのは良いけど、対価は支払ってもらう事になるわね。能力付与魔法は師匠直伝門外不出の魔法だから、他人に話すのは禁止ね」
「絶対秘密なのは分かるが、対価ね…」
イズミは対価になりそうな物を考えるが、何も浮かんでこない。
「なんだったら、知識でも良いわよ」
「知識?俺にそんな学は無いぞ」
「エレナさんの足を治したのは、貴方とマスタングでしょ?」
イズミはマスタングにも相談してみる。
「マスタング、アイテムボックスの対価になりそうな知識って何かありそうか?」
「…アーリア様を助手席に座らせて下さい」
マスタングが助手席側のドアを開けたので、イズミはアーリアをエスコートして助手席に座らせる。
「マスター。少しお時間を頂きます」
「分かった…何を教えるんだ?」
「…マスターのスマートフォンを取り込みまして、元の世界の情報にアクセスします。魔力を消費しますが有用な知識やを収集出来るかと」
「スマホは圏外だった筈だが…使えるなら自由に活用してくれ」
イズミがドアを閉めると、マスタングがモニターを使ってアーリアに何かを見せ始めた。
数時間後。
マスタングから降りて来たアーリアは、物凄く満足気な表情だった。
「良い話を聞けたわ。これ程満ち足りた気分なのは久し振りね…アイテムボックスについては明日やるわね」
アーリアはアイテムボックスを準備する為に転移魔法で拠点へ戻って行った。
「マスタング。アーリアに何を話したんだ?」
「医療知識を少々」
「…ネット様々だな」
上手く情報収集が出来たみたいだが、イズミが使える訳では無いので考えないものとした。
翌日。
アーリアが色々な道具を持ってやって来た。
ポーチのような袋タイプのアイテムボックスしか使えないのか、装飾品にアイテムボックス機能を付与したタイプでも使えるのかを調べる為だ。
調べた結果、装飾品にアイテムボックス機能を付与したタイプは使えなかった。
このタイプでは収納及び取り出しの際に、魔力と魔法の両方を使う判定になる事が分かったのだ。
ベリアにも試してもらったが、機能を付与した指輪やネックレスからでも、アイテムボックスを使えていた。
「魔法が使えないってのは、結構不便だな」
イズミはそう痛感しながら、アーリアからアイテムボックス機能付きの肩がけバッグを貰った。
見た目や肌触り、質感は帆布でミニサイズのメッセンジャーバッグみたいなデザインだった。
「ありがとう。大事に使うよ」
「どういたしまして。ベリアさんのアイテムボックスはオマケにしておくわね…またマスタングさんと色々と話ししたいし」
昨日得た知識が相当役立つものなのか、ベリアの分までサービスしてくれた。
マスタングがアーリアに話したと言う医療知識に関して、イズミは確認しようとはしなかった。
聞いても理解出来る自信は無いし、頭がパンクする自信しか無かったからてある。
イズミの質問を聞いたベリアが答えてくれた。
重い武器をより効率的に運用する解決策として思い浮かんだのは、マスタングの収納能力であるアイテムボックス機能。
アイテムボックス機能を持った魔道具を入手すれば、銃も弾薬も持ち運びが容易になり効果的な戦闘が可能になる。
「アイテムボックスってのは、ダンジョン産のドロップ品や宝箱からしか出て来ないって聞いた事がある」
単にアイテムボックスと言っても、種類があるらしい。
ポーチみたいな形をしている物だったり、装飾品に能力として付与されていて、何も無い空間から物を取り出したりしているように見える物だったり。
「そうか…アイテムボックスがあれば、ネガティブ要素を潰せるのだが」
「ダンジョンに潜るか、店に入荷した品を買うか。そのどちらかだな」
ラムネを飲み終えたベリアが瓶を返しに来たので、トランクに仕舞いつつ改めて考える。
ベリアがゾルダの訓練に戻るのを見送っていると、アーリアから連絡が入った。
「出来たわよ。指輪はもう少し時間がかかりそう」
アーリアが魔法通信の処理を済ませて、転移魔法でやって来た。
「ありがとう。助かるよ」
イズミはブレスレットを受け取ったついでに、アイテムボックスについて相談してみた。
「アイテムボックス?あるけど」
アーリアはそう言うと何も無い空間から、ラムネを取り出して見せた。
「それって、俺でも使えたりしないか?」
「イズミは魔法が使えないから、私が使うタイプのアイテムボックスは無理ね。道具タイプの物なら大丈夫だと思う」
説明を聞いたイズミは、ベリアが言っていた入手手段の検討に入った。
便利な道具は欲しいに決まっている。
商店街で購入した商品を仕舞えるし、武器と弾薬も収納出来る。
欲しくない訳がない。
「アイテムボックスは誰もが欲しがる品物だから、入手は困難よ」
アーリアは何処からかポーチやら書物やらを実体化…アイテムボックスから取り出す…させる。
アーリアが出した小さなポーチに、イズミは試しにマグナムを収納してみる。
小銭入れサイズのポーチであるにも関わらず、マグナムが収納された。
次にポーチに手を入れてみるが、マグナムの感触は無い。
「取り出したい物をイメージすれば、取り出せるわよ」
助言をもらったイズミは、マグナムをイメージして再度ポーチに手を入れる。
今度はマグナムのグリップを握る事が出来て、ポーチから取り出せた。
「用意するのは良いけど、対価は支払ってもらう事になるわね。能力付与魔法は師匠直伝門外不出の魔法だから、他人に話すのは禁止ね」
「絶対秘密なのは分かるが、対価ね…」
イズミは対価になりそうな物を考えるが、何も浮かんでこない。
「なんだったら、知識でも良いわよ」
「知識?俺にそんな学は無いぞ」
「エレナさんの足を治したのは、貴方とマスタングでしょ?」
イズミはマスタングにも相談してみる。
「マスタング、アイテムボックスの対価になりそうな知識って何かありそうか?」
「…アーリア様を助手席に座らせて下さい」
マスタングが助手席側のドアを開けたので、イズミはアーリアをエスコートして助手席に座らせる。
「マスター。少しお時間を頂きます」
「分かった…何を教えるんだ?」
「…マスターのスマートフォンを取り込みまして、元の世界の情報にアクセスします。魔力を消費しますが有用な知識やを収集出来るかと」
「スマホは圏外だった筈だが…使えるなら自由に活用してくれ」
イズミがドアを閉めると、マスタングがモニターを使ってアーリアに何かを見せ始めた。
数時間後。
マスタングから降りて来たアーリアは、物凄く満足気な表情だった。
「良い話を聞けたわ。これ程満ち足りた気分なのは久し振りね…アイテムボックスについては明日やるわね」
アーリアはアイテムボックスを準備する為に転移魔法で拠点へ戻って行った。
「マスタング。アーリアに何を話したんだ?」
「医療知識を少々」
「…ネット様々だな」
上手く情報収集が出来たみたいだが、イズミが使える訳では無いので考えないものとした。
翌日。
アーリアが色々な道具を持ってやって来た。
ポーチのような袋タイプのアイテムボックスしか使えないのか、装飾品にアイテムボックス機能を付与したタイプでも使えるのかを調べる為だ。
調べた結果、装飾品にアイテムボックス機能を付与したタイプは使えなかった。
このタイプでは収納及び取り出しの際に、魔力と魔法の両方を使う判定になる事が分かったのだ。
ベリアにも試してもらったが、機能を付与した指輪やネックレスからでも、アイテムボックスを使えていた。
「魔法が使えないってのは、結構不便だな」
イズミはそう痛感しながら、アーリアからアイテムボックス機能付きの肩がけバッグを貰った。
見た目や肌触り、質感は帆布でミニサイズのメッセンジャーバッグみたいなデザインだった。
「ありがとう。大事に使うよ」
「どういたしまして。ベリアさんのアイテムボックスはオマケにしておくわね…またマスタングさんと色々と話ししたいし」
昨日得た知識が相当役立つものなのか、ベリアの分までサービスしてくれた。
マスタングがアーリアに話したと言う医療知識に関して、イズミは確認しようとはしなかった。
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