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第九章 海を目指して
第百二十三話 ベストの完成
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防具屋でベストの制作依頼をしてから3日が経過した。
宿屋に頼んで昼間までマスタングの駐車をさせてもらったイズミは、朝1番で防具屋に向かった。
「いらっしゃい…アンタか。依頼のベストは出来てるよ」
細身の男が店の奥からベストを持って来たので、イズミは上着を脱いでショルダーホルスターを外す。
焦げ茶色の革に8つのマガジンポーチが付いているが、当初イメージとして見せた形から変更がされていた。
ベストを着てみると革が思っていたより固く感じる。
まだ慣らしが出来ていない、新品であるが故の固さにも思えるが、そもそもの革が固いというのも大きいだろう。
「お前さんの見せてくれた箱の保持方法だが、少し追加で調整したよ。肩の部分のも上着を着た時に形が崩れないように調整してはみたが、実際に使ってみないと何ともだな」
イズミが持って来たマガジンを収納して、身体を動かしてみる。
そんなにベストもマガジンも揺れる事は無さそうだ。
「汗や水もある程度は大丈夫だが、定期的に手入れをしてくれよ。長持ちさせる為には、マメな手入れが一番の近道だ」
ベストの上からショルダーホルスターを着けてみる。
再度身体を動かしてみたが、今のところ変な干渉はしていないように感じた。
肩部分のポーチに関しては、何処かでマガジンを付けてから銃を構えないと分からないが、問題は無いように思えた。
「良い仕上がりだ」
男からの説明を聞き終えたイズミは、金貨を1枚取り出して男へと渡した。
「まいどあり!」
挨拶をして防具屋を出たイズミは、商店街にて追加の食料を買いつつ、マスタングの元へ戻って収納した。
宿屋にも出発すると挨拶をしてからマスタングに乗り込んだイズミは、念の為に周辺を探索してもらった。
「…異常ありません」
「ありがとう。さて、出発しますか」
町を出る直前にバックミラーに目をやると、マスタングを見ている男が確認出来た。
「…冒険者が俺を見つけたようだな」
「追いかけて来る事は無いと思います。ギルドへ報告をするに留まるでしょう」
マスタングの意見を聞いたイズミは、町を出たのを確認したらアクセルを踏み込んだ。
旅の道中、人が居ない平原でマスタングを停車させた。
購入したベストでのマガジンチェンジの練習と、アサルトライフルの射撃姿勢の練習をする為だ。
イズミはマガジンを実体化させると、ベストに付いている8 つのポーチに差し込んでみた。
流石に前面側が重くなるので、姿勢が前屈みになってしまった。
身体を上下左右に揺らして、マガジンが変に揺れたり落下したりしない事を確かめてから、ポーチからマガジンを抜く動作を
「…マガジンチェンジは腹のポーチから順番に取り出すのが良さそうだな。肩のマガジンを先に抜こうとすると、腹にあるマガジンにぶつかって取りにくい」
自分の中でスムーズにマガジンチェンジが出来るように、まずはゆっくりと動作の確認をしつつ練習を繰り返した。
アサルトライフルを構えて、肩のマガジンポーチが干渉するかを試した。
マガジンが無い方が構えやすいが、マガジン2本分の継戦能力を考えると妥協の出来る範囲ではあった。
「マスター。ベスト単体では攻撃魔法もクロスボウも貫通する可能性がありますので、銃の構え方は半身の方が良いかと」
「ボディアーマーじゃないもんな…」
イズミは半身でアサルトライフルを構える。
ハンドガードを握っているが、動作はまだぎこちないものだった。
練習を終えてから軽く昼食を食べて、またマスタングで走り出した。
次に通過する町では恐らく、冒険者ギルドからのアプローチがあると思いながらもアクセルは緩めなかった。
宿屋に頼んで昼間までマスタングの駐車をさせてもらったイズミは、朝1番で防具屋に向かった。
「いらっしゃい…アンタか。依頼のベストは出来てるよ」
細身の男が店の奥からベストを持って来たので、イズミは上着を脱いでショルダーホルスターを外す。
焦げ茶色の革に8つのマガジンポーチが付いているが、当初イメージとして見せた形から変更がされていた。
ベストを着てみると革が思っていたより固く感じる。
まだ慣らしが出来ていない、新品であるが故の固さにも思えるが、そもそもの革が固いというのも大きいだろう。
「お前さんの見せてくれた箱の保持方法だが、少し追加で調整したよ。肩の部分のも上着を着た時に形が崩れないように調整してはみたが、実際に使ってみないと何ともだな」
イズミが持って来たマガジンを収納して、身体を動かしてみる。
そんなにベストもマガジンも揺れる事は無さそうだ。
「汗や水もある程度は大丈夫だが、定期的に手入れをしてくれよ。長持ちさせる為には、マメな手入れが一番の近道だ」
ベストの上からショルダーホルスターを着けてみる。
再度身体を動かしてみたが、今のところ変な干渉はしていないように感じた。
肩部分のポーチに関しては、何処かでマガジンを付けてから銃を構えないと分からないが、問題は無いように思えた。
「良い仕上がりだ」
男からの説明を聞き終えたイズミは、金貨を1枚取り出して男へと渡した。
「まいどあり!」
挨拶をして防具屋を出たイズミは、商店街にて追加の食料を買いつつ、マスタングの元へ戻って収納した。
宿屋にも出発すると挨拶をしてからマスタングに乗り込んだイズミは、念の為に周辺を探索してもらった。
「…異常ありません」
「ありがとう。さて、出発しますか」
町を出る直前にバックミラーに目をやると、マスタングを見ている男が確認出来た。
「…冒険者が俺を見つけたようだな」
「追いかけて来る事は無いと思います。ギルドへ報告をするに留まるでしょう」
マスタングの意見を聞いたイズミは、町を出たのを確認したらアクセルを踏み込んだ。
旅の道中、人が居ない平原でマスタングを停車させた。
購入したベストでのマガジンチェンジの練習と、アサルトライフルの射撃姿勢の練習をする為だ。
イズミはマガジンを実体化させると、ベストに付いている8 つのポーチに差し込んでみた。
流石に前面側が重くなるので、姿勢が前屈みになってしまった。
身体を上下左右に揺らして、マガジンが変に揺れたり落下したりしない事を確かめてから、ポーチからマガジンを抜く動作を
「…マガジンチェンジは腹のポーチから順番に取り出すのが良さそうだな。肩のマガジンを先に抜こうとすると、腹にあるマガジンにぶつかって取りにくい」
自分の中でスムーズにマガジンチェンジが出来るように、まずはゆっくりと動作の確認をしつつ練習を繰り返した。
アサルトライフルを構えて、肩のマガジンポーチが干渉するかを試した。
マガジンが無い方が構えやすいが、マガジン2本分の継戦能力を考えると妥協の出来る範囲ではあった。
「マスター。ベスト単体では攻撃魔法もクロスボウも貫通する可能性がありますので、銃の構え方は半身の方が良いかと」
「ボディアーマーじゃないもんな…」
イズミは半身でアサルトライフルを構える。
ハンドガードを握っているが、動作はまだぎこちないものだった。
練習を終えてから軽く昼食を食べて、またマスタングで走り出した。
次に通過する町では恐らく、冒険者ギルドからのアプローチがあると思いながらもアクセルは緩めなかった。
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