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第八章 王都での日々
第百一話 冒険者通り
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武器屋があると言う大通りは、通称『冒険者通り』と呼ばれていて、その名の通り冒険者で賑わっていた。
武器屋に防具屋に冒険者向けの道具屋がズラッと並んでいるのが圧巻である。
その店毎に得意分野があるようで、専門店と例えた方がしっくりと理解出来た。
イズミはナイフや短剣を専門に取り扱っている店を見つけると、ゆっくりと店の門をくぐった。
「…らっしゃい」
店の奥から無愛想な声が聞こえたが、姿は見えないのでそのまま店内を見て回った。
店内は短剣が主力商品のようで、ナイフは少なめだった。
短剣くらいは持っていても良い気がしてきたが、現在の腰周りの装備を考えると…やはりナイフの方が良いと判断して止めた。
「お客さん、冒険者かい?」
「いや、個人で旅をしてるんだ」
イズミが店主だろう男の質問に答えた。
やはり冒険者がメイン客なのだと分かる質問だった。
「面白い所にナイフを着けてるな…見せてみろ」
ゆっくりとナイフを取り出して、店主の男が居るカウンターに置いた。
「…人間の血を吸わせたな?」
「どうだか」
答えをぼかしつつ店内にあるナイフを見ていると、店主から提案があった。
「このナイフを俺に下取りで出せば、その分安くナイフを売ってやるぞ」
「そうかい…ナイフは非常用でね、ガサツで雑な運用にも耐えてくれる物だと有り難い」
ナイフを使う距離での戦闘は、可能な限り行わないのが理想だ。
不意打ち用の武器として扱っているようなものだ。
「この鋼材よりグレードの良いナイフがある。見てみるか?」
店主が出したナイフは、デザインとしては今までのナイフとほぼ一緒だが、若干青みがかっているように見えた。
「切れ味も鋼材の粘りも強い。刃こぼれも無茶をしなければしないぞ」
下取り分も考慮して銀貨42枚、と言われたので一旦保留にさせて貰った。
一旦ナイフを返してもらい、他の店をぶらつくことにした。
槍の専門店、アックスの専門店と並び、その隣に魔法杖の専門店と続く。
純粋に見ていて楽しいと感じるのは、そこにロマンを感じているのかもしれない。
防具も鉄だったり魔物の革や殻を使った物があり、一つ一つに職人の拘りがあるように見える。
どのタイプの冒険者に向けた商品なのかを、分かりやすく並べているのだろう見せ方に思わず感心してしまった。
「ここは…なんだ?」
防具屋が終わり、魔道具関連の店が軒を連ねるエリアに来た時、妙な気配にも似た感覚を店から感じ取った。
店の前に商品が置かれておらず、何がメインの店かが判断しにくいが、妙に気になるのだ。
イズミは怖いもの見たさに近い感覚で、ふらっと店の門をくぐった。
「いらっしゃい。ここは魔力さえあれば誰でも扱える魔法具の店だよ」
イズミが聞く前に店主だろう老婆が教えてくれた。
「旅の者かい?」
「そんなところです」
見ても何に使うか想像出来ない道具達を見ていると、老婆が筒のような物を持って来た。
「これはね…川の水や泥水を入れると、飲水に浄化してくれる魔道具だ」
「それは便利だな…海の水でも出来るのか?」
興味本位で尋ねると、笑いながら答えてくれた。
「海水かい?試した事は無いね…ちなみに、コレは金貨5枚で良いよ」
有ると非常に便利な魔道具なので、ほぼ即決で購入してしまった。
使い方をレクチャーしてもらい、メンテナンス方法も確認してから金貨5枚を支払い店を出た。
武器屋に防具屋に冒険者向けの道具屋がズラッと並んでいるのが圧巻である。
その店毎に得意分野があるようで、専門店と例えた方がしっくりと理解出来た。
イズミはナイフや短剣を専門に取り扱っている店を見つけると、ゆっくりと店の門をくぐった。
「…らっしゃい」
店の奥から無愛想な声が聞こえたが、姿は見えないのでそのまま店内を見て回った。
店内は短剣が主力商品のようで、ナイフは少なめだった。
短剣くらいは持っていても良い気がしてきたが、現在の腰周りの装備を考えると…やはりナイフの方が良いと判断して止めた。
「お客さん、冒険者かい?」
「いや、個人で旅をしてるんだ」
イズミが店主だろう男の質問に答えた。
やはり冒険者がメイン客なのだと分かる質問だった。
「面白い所にナイフを着けてるな…見せてみろ」
ゆっくりとナイフを取り出して、店主の男が居るカウンターに置いた。
「…人間の血を吸わせたな?」
「どうだか」
答えをぼかしつつ店内にあるナイフを見ていると、店主から提案があった。
「このナイフを俺に下取りで出せば、その分安くナイフを売ってやるぞ」
「そうかい…ナイフは非常用でね、ガサツで雑な運用にも耐えてくれる物だと有り難い」
ナイフを使う距離での戦闘は、可能な限り行わないのが理想だ。
不意打ち用の武器として扱っているようなものだ。
「この鋼材よりグレードの良いナイフがある。見てみるか?」
店主が出したナイフは、デザインとしては今までのナイフとほぼ一緒だが、若干青みがかっているように見えた。
「切れ味も鋼材の粘りも強い。刃こぼれも無茶をしなければしないぞ」
下取り分も考慮して銀貨42枚、と言われたので一旦保留にさせて貰った。
一旦ナイフを返してもらい、他の店をぶらつくことにした。
槍の専門店、アックスの専門店と並び、その隣に魔法杖の専門店と続く。
純粋に見ていて楽しいと感じるのは、そこにロマンを感じているのかもしれない。
防具も鉄だったり魔物の革や殻を使った物があり、一つ一つに職人の拘りがあるように見える。
どのタイプの冒険者に向けた商品なのかを、分かりやすく並べているのだろう見せ方に思わず感心してしまった。
「ここは…なんだ?」
防具屋が終わり、魔道具関連の店が軒を連ねるエリアに来た時、妙な気配にも似た感覚を店から感じ取った。
店の前に商品が置かれておらず、何がメインの店かが判断しにくいが、妙に気になるのだ。
イズミは怖いもの見たさに近い感覚で、ふらっと店の門をくぐった。
「いらっしゃい。ここは魔力さえあれば誰でも扱える魔法具の店だよ」
イズミが聞く前に店主だろう老婆が教えてくれた。
「旅の者かい?」
「そんなところです」
見ても何に使うか想像出来ない道具達を見ていると、老婆が筒のような物を持って来た。
「これはね…川の水や泥水を入れると、飲水に浄化してくれる魔道具だ」
「それは便利だな…海の水でも出来るのか?」
興味本位で尋ねると、笑いながら答えてくれた。
「海水かい?試した事は無いね…ちなみに、コレは金貨5枚で良いよ」
有ると非常に便利な魔道具なので、ほぼ即決で購入してしまった。
使い方をレクチャーしてもらい、メンテナンス方法も確認してから金貨5枚を支払い店を出た。
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