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第六章 ダンジョン発見
第七十三話 共闘
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イズミは手始めに近付いて来た魔物…二足歩行で太い木の枝を持った豚…の頭をショットガンで吹き飛ばした。
倒れ込んだ魔物はピクリとも動かなかった。
頭に1発なら上手くいけば無力化出来るようだ。
有り難い話だ。
そうと分かったイズミは、倒した魔物の近くにいた同種にもショットガンを撃ち込んだ。
ものの数秒で3体を葬ったイズミは、弾込めをして他の魔物を探す。
「オークを瞬く間に葬るとは…」
「アレはオークって名前なのか?」
イズミは剣士の男に聞き返した。
オークは初見だ。
「そうだ…単体なら良かったんだが、群れで来られると厳しい」
剣士は息を整えて剣を構えた。
準備完了と言う事だろう。
「そう言えば、アンタの名前を聞きそびれてたな」
イズミが剣士を見た。
使い込まれた鎧に、身の丈程の大きさはある大剣を肩に担いでいる。
「俺はトーマスだ。見ての通り剣士さ」
「ではトーマス。俺がオークに向かって先に攻撃をするから、その後で斬り伏せていってくれ」
イズミは腰のポーチからライトを取り出すと、オークの顔に向かって照射する。
暗闇に慣れた目には強烈な光が、オークの視界を奪い去る。近付こうとしていた足が止まる。
その僅かな隙をついてショットガンを胸部に2発撃ち込んだ。
1人での戦闘なら頭を狙うが、まずは戦力を削る事を優先したのだ。
武器を落として叫ぶオークをトーマスが斬る。
しっかりと両断出来ているのが確認出来た。
「胸より足を潰した方が良かったか?」
トーマスに尋ねた。
イズミからするとどちらでも対応出来るが、トーマスの都合も聞きたかったからだ。
「その攻撃力なら胸や腹の方が良いだろう。食える部分は減るがな」
近付いて来たオークにショットガンを撃ち込んだイズミが振り返る。
「アレって食えるのか?」
「勿論。美味いぞ」
「…それだと少し残念だな」
また別のオークにショットガンを撃ち込むと、ライトを口に咥えて布袋から弾を取り出す。
急いでリロードを済ませライトを持ち直した。
マスタングの方を見ると、魔道具を守る調査隊が相手をしていた魔物に突進したり、カレンがクロスボウで攻撃をしていた。
マスタングが轢いた魔物に向かってカレンがクロスボウを撃ち込む。
魔物から少し距離を取ったらクロスボウの矢が爆発した。
非常に良いコンビネーションだ。
向こうは問題無いだろう。
オークを15体程倒した所で、残りのオーク達が森林地帯へと逃げ帰って行った。
マスタングの方に加勢しようかと見てみると、あの2つ首の狼が数十体と爆散していた。
「派手にやったな、カレン」
「マスタングさんが強いのです」
イズミがマスタングに近付くと、後部座席にいたソラが目を回していた。
急いでマスタングから降ろしてやると、のそのそと動き出した。
「気持ち悪いにゃ…」
どうやら車酔いをしたみたいだ。
車内でトラブルが無くて良かったと思う事にする。
「間に合ったと言っても良いのか?」
イズミは周囲から魔物が引いて落ち着いているのを確認して、調査隊が集まっている焚火に向かった。
近付いてみると、調査隊の装備はかなりダメージを受けていた。
盾や鎧には凹みがあり、剣も強い攻撃を受けたのか鞘に入らないようだ。
「流石に今回は命の危機をひしひしと感じたね」
剣士の1人が笑って見せるが、あばら骨にダメージがあるのか表情が歪む。
「調査は完了したのか?」
イズミが聞くと、魔術師が確認に入った。
「今しがた、終わったみたいじゃの」
イズミが腕時計を確認するが、まだ夜が明けるには時間がある。
夜の移動はリスクが高いので、日が昇るまでは周囲の警戒をする事になった。
倒れ込んだ魔物はピクリとも動かなかった。
頭に1発なら上手くいけば無力化出来るようだ。
有り難い話だ。
そうと分かったイズミは、倒した魔物の近くにいた同種にもショットガンを撃ち込んだ。
ものの数秒で3体を葬ったイズミは、弾込めをして他の魔物を探す。
「オークを瞬く間に葬るとは…」
「アレはオークって名前なのか?」
イズミは剣士の男に聞き返した。
オークは初見だ。
「そうだ…単体なら良かったんだが、群れで来られると厳しい」
剣士は息を整えて剣を構えた。
準備完了と言う事だろう。
「そう言えば、アンタの名前を聞きそびれてたな」
イズミが剣士を見た。
使い込まれた鎧に、身の丈程の大きさはある大剣を肩に担いでいる。
「俺はトーマスだ。見ての通り剣士さ」
「ではトーマス。俺がオークに向かって先に攻撃をするから、その後で斬り伏せていってくれ」
イズミは腰のポーチからライトを取り出すと、オークの顔に向かって照射する。
暗闇に慣れた目には強烈な光が、オークの視界を奪い去る。近付こうとしていた足が止まる。
その僅かな隙をついてショットガンを胸部に2発撃ち込んだ。
1人での戦闘なら頭を狙うが、まずは戦力を削る事を優先したのだ。
武器を落として叫ぶオークをトーマスが斬る。
しっかりと両断出来ているのが確認出来た。
「胸より足を潰した方が良かったか?」
トーマスに尋ねた。
イズミからするとどちらでも対応出来るが、トーマスの都合も聞きたかったからだ。
「その攻撃力なら胸や腹の方が良いだろう。食える部分は減るがな」
近付いて来たオークにショットガンを撃ち込んだイズミが振り返る。
「アレって食えるのか?」
「勿論。美味いぞ」
「…それだと少し残念だな」
また別のオークにショットガンを撃ち込むと、ライトを口に咥えて布袋から弾を取り出す。
急いでリロードを済ませライトを持ち直した。
マスタングの方を見ると、魔道具を守る調査隊が相手をしていた魔物に突進したり、カレンがクロスボウで攻撃をしていた。
マスタングが轢いた魔物に向かってカレンがクロスボウを撃ち込む。
魔物から少し距離を取ったらクロスボウの矢が爆発した。
非常に良いコンビネーションだ。
向こうは問題無いだろう。
オークを15体程倒した所で、残りのオーク達が森林地帯へと逃げ帰って行った。
マスタングの方に加勢しようかと見てみると、あの2つ首の狼が数十体と爆散していた。
「派手にやったな、カレン」
「マスタングさんが強いのです」
イズミがマスタングに近付くと、後部座席にいたソラが目を回していた。
急いでマスタングから降ろしてやると、のそのそと動き出した。
「気持ち悪いにゃ…」
どうやら車酔いをしたみたいだ。
車内でトラブルが無くて良かったと思う事にする。
「間に合ったと言っても良いのか?」
イズミは周囲から魔物が引いて落ち着いているのを確認して、調査隊が集まっている焚火に向かった。
近付いてみると、調査隊の装備はかなりダメージを受けていた。
盾や鎧には凹みがあり、剣も強い攻撃を受けたのか鞘に入らないようだ。
「流石に今回は命の危機をひしひしと感じたね」
剣士の1人が笑って見せるが、あばら骨にダメージがあるのか表情が歪む。
「調査は完了したのか?」
イズミが聞くと、魔術師が確認に入った。
「今しがた、終わったみたいじゃの」
イズミが腕時計を確認するが、まだ夜が明けるには時間がある。
夜の移動はリスクが高いので、日が昇るまでは周囲の警戒をする事になった。
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