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第五章 カレンの故郷
第六十四話 夜中の訪問者
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夕食を済ませたイズミは、マスタングと共に夜の散歩を楽しんでいた。
形式的には警備みたいなものだ。
カレンにも見回りがてら散歩してくると一言伝えておいた。
村の住人にもそれっぽい説明をして、夜の大地をまったり走行していた。
何ヶ所かでマスタングの探索魔法を使い、魔物や人間の存在を調べるが、特に発見出来なかった。
村に戻ると殆どの小屋の明かりは消えていた。
現在時刻を確認しようとしたイズミだったが、今は腕時計を着けていないので手首を確認しただけになった。
マスタングで確認すると、時刻は22時少し前だった。
「マスター。まだ慣れないようですね」
村に入る少し前から速度を落とし、眠る村人を起こさないように走らせていたら、マスタングから言われてしまった。
「元いた世界でも腕時計はずっと着けてたからな。無いと違和感があると言うか、調子が狂うかな」
マスタングを駐車して静かにドアを閉める。
身体を伸ばしていると、背後から嫌な気配を感じた。
イズミは咄嗟にマグナムを抜くと、音のした方向に向けた。
暗くて相手を確認しきれず、ポケットに仕舞っている小型のライトを取り出してヘッドを回転させた。
ライトで照らした先には、今日到着したダンジョン調査隊の1人が立っていた。
「すまんすまん。物音で目が覚めましてな」
男の声だった。
男が魔法で明かりを出したので、イズミはマグナムを降ろすとマスタングへ寄りかかった。
「イズミ殿だったかな?カレンと言うお嬢さんから名前は聞いておる。少々話せますかな?気になる事があってな」
初老かもう少し若いか、それ位の見た目ではあったが、眼光の鋭さがある。
あれは戦士の眼だ。
「気になる事とは?」
イズミがライトを消して答える。
「お嬢さんの武器だ。お嬢さんはミグルンの武器屋で入手したと言っておったが、儂の記憶ではあれ程の武器は店にも無かった筈…」
冒険者だから武器屋とも繋がりがある。
当然品揃えも一応は知っているか。
「武器屋で手に入れたのは事実だ。その後でカスタムしてるがな」
イズミがライトをポケットへ仕舞いつつ答えた。
「カスタム?カスタムで爆裂魔法の付与や威力調整、果ては光の照射魔法まで付けたと?」
老人はイズミへ疑いの眼差しを向けた。
当然か。
「余り深く検索しないでくれると助かる。正直言うと何故そこまでのカスタムが成されたのか、俺にも説明が出来ない」
イズミがため息をつきながら老人の出方を伺う。
「そうか…ギルドの連中も儂らを送るわけじゃ」
老人が左手を挙げると、暗闇から1人現れた。
猫耳の帽子を被った…女斥候だ。
小型のクロスボウを仕舞いつつ老人の隣にやって来た。
イズミは斥候の存在に気付かなかったので、表情が険しくなった。
「自己紹介が遅れたの。儂はヴィルハイムじゃ。この獣人の斥候担当がソラだ」
自己紹介を済ませると、ヴィルハイムが話を続けた。
「イズミよ…お主は冒険者ギルドに目を付けられておるからな。今回のダンジョン調査の話を受けた際に、イズミと言う男の能力調査もせよと御達しが出ておる」
「冒険者ギルドは俺を条件未達で登録拒否をしたのにか?」
ヴィルハイムは頷く。
「だからじゃよ。登録出来ない人間で、ギルドでも能力を把握出来ぬが実力の有るとなれば、流石にギルドも放置は出来んならの」
完全に要注意人物になっているな。
イズミは笑うしか無かった。
形式的には警備みたいなものだ。
カレンにも見回りがてら散歩してくると一言伝えておいた。
村の住人にもそれっぽい説明をして、夜の大地をまったり走行していた。
何ヶ所かでマスタングの探索魔法を使い、魔物や人間の存在を調べるが、特に発見出来なかった。
村に戻ると殆どの小屋の明かりは消えていた。
現在時刻を確認しようとしたイズミだったが、今は腕時計を着けていないので手首を確認しただけになった。
マスタングで確認すると、時刻は22時少し前だった。
「マスター。まだ慣れないようですね」
村に入る少し前から速度を落とし、眠る村人を起こさないように走らせていたら、マスタングから言われてしまった。
「元いた世界でも腕時計はずっと着けてたからな。無いと違和感があると言うか、調子が狂うかな」
マスタングを駐車して静かにドアを閉める。
身体を伸ばしていると、背後から嫌な気配を感じた。
イズミは咄嗟にマグナムを抜くと、音のした方向に向けた。
暗くて相手を確認しきれず、ポケットに仕舞っている小型のライトを取り出してヘッドを回転させた。
ライトで照らした先には、今日到着したダンジョン調査隊の1人が立っていた。
「すまんすまん。物音で目が覚めましてな」
男の声だった。
男が魔法で明かりを出したので、イズミはマグナムを降ろすとマスタングへ寄りかかった。
「イズミ殿だったかな?カレンと言うお嬢さんから名前は聞いておる。少々話せますかな?気になる事があってな」
初老かもう少し若いか、それ位の見た目ではあったが、眼光の鋭さがある。
あれは戦士の眼だ。
「気になる事とは?」
イズミがライトを消して答える。
「お嬢さんの武器だ。お嬢さんはミグルンの武器屋で入手したと言っておったが、儂の記憶ではあれ程の武器は店にも無かった筈…」
冒険者だから武器屋とも繋がりがある。
当然品揃えも一応は知っているか。
「武器屋で手に入れたのは事実だ。その後でカスタムしてるがな」
イズミがライトをポケットへ仕舞いつつ答えた。
「カスタム?カスタムで爆裂魔法の付与や威力調整、果ては光の照射魔法まで付けたと?」
老人はイズミへ疑いの眼差しを向けた。
当然か。
「余り深く検索しないでくれると助かる。正直言うと何故そこまでのカスタムが成されたのか、俺にも説明が出来ない」
イズミがため息をつきながら老人の出方を伺う。
「そうか…ギルドの連中も儂らを送るわけじゃ」
老人が左手を挙げると、暗闇から1人現れた。
猫耳の帽子を被った…女斥候だ。
小型のクロスボウを仕舞いつつ老人の隣にやって来た。
イズミは斥候の存在に気付かなかったので、表情が険しくなった。
「自己紹介が遅れたの。儂はヴィルハイムじゃ。この獣人の斥候担当がソラだ」
自己紹介を済ませると、ヴィルハイムが話を続けた。
「イズミよ…お主は冒険者ギルドに目を付けられておるからな。今回のダンジョン調査の話を受けた際に、イズミと言う男の能力調査もせよと御達しが出ておる」
「冒険者ギルドは俺を条件未達で登録拒否をしたのにか?」
ヴィルハイムは頷く。
「だからじゃよ。登録出来ない人間で、ギルドでも能力を把握出来ぬが実力の有るとなれば、流石にギルドも放置は出来んならの」
完全に要注意人物になっているな。
イズミは笑うしか無かった。
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