62 / 236
第五章 カレンの故郷
第六十一話 ライトを照らせ
しおりを挟む
「ダンジョンってのは、冒険者ギルドに登録してないと駄目とか、そんなルールは無いよな?」
イズミがふと浮かんだ疑問を口にした。
「ダンジョンの難易度次第かと。最初から強力な魔物が出るのであれば、ランク設定がされて条件未達者の入場を制限するとかです」
カレンが答えてくれた。
なるほど、ここでダンジョン管理として冒険者ギルドの仕事が発生するのか。
イズミはマスタングに相談する。
「マスタング。あのダンジョンには車体の大きさ的に一緒には行けないが、階段を下った先までは確認しておきたい。この前買った魔石を使ってライトを実体化してくれないか」
冒険者ギルドのダンジョン調査が入る前に、ダンジョン内の最初の空間までは現場を見ておいて、引継ぎの形をとってカレンの村へ一旦戻るのが理想かと考えたのだ。
「マスター。ダンジョン探索用ライトを実体化しました」
マスタングのトランクが開いた。
見ると単2電池を2本使うサイズ感のライトが1個、実体化されていた。
手に取ってみるとボタンスイッチが無い。
ヘッドを回転させると点灯、光のスポット調整が出来るようだ。
「魔力充填式ですので、何方でも扱えます」
どうやら所持者の魔力を必要に応じて魔石が自動で吸収して、その魔力をエネルギーにして明かりを照射する仕組み…らしい。
「電池交換やランプ切れの心配はありませんが、強い衝撃等での破損には注意して下さい」
イズミはマスタングの説明を聞きつつ、隣にいるカレンとクロスボウを見た。
両手で構えなければ安定して撃ち込むのはキツいし、生活魔法で出せる灯りでは遠くまでは照らせない。
「マスタング。カレンのクロスボウのアップデートは可能か?元いた世界のウエポンライトみたいなのを取り付けたい」
回答は直ぐに来た。
「可能です。戦術用ライトをクロスボウに搭載しますか?」
イズミはカレンに確認を取った。
「カレン。ダンジョン探索と戦闘用の装備をクロスボウに追加しておきたいのだが、良いか?」
カレンがクロスボウから弾倉と装填していた矢を外して、イズミへ手渡した。
マスタングのトランクへ仕舞うと、早速アップデートを頼んだ。
ガコンガコンと音を立て始めるマスタングには一抹の不安を覚えるが。
「カレンのメイン武器だからな。妥協なく頼む」
とうとうマスタングからドリルで穴を開ける時のような音が聞こえてきた。
マスタングのセンス頼みではあるが、正直怖い。
「マスター。完成しました」
トランクが開いたので、クロスボウを取り出した。
入れ込んだ時よりも若干軽いような気がした。
「およそ10%の軽量化と耐久性の向上に成功しました。弾倉装着時の重量配分も問題ありません」
クロスボウをカレンに渡すと、マスタングからの操作説明が始まった。
聞き終えたカレンがダンジョンの入口、地下への階段へライトを試しに照射した。
呪文無しで点灯したライトは、ビームのように一直線に照射された。
かなり明るく、夜空に向けたらサーチライトのような運用も可能な気さえした。
これなら魔物への目潰し、牽制も出来るだろう。
イズミも自分用のライトのヘッドを回転させると、地下への階段をで照らしてみる。
強力だが、白熱電球のような温かな光が階段の奥を照らした。
イズミがふと浮かんだ疑問を口にした。
「ダンジョンの難易度次第かと。最初から強力な魔物が出るのであれば、ランク設定がされて条件未達者の入場を制限するとかです」
カレンが答えてくれた。
なるほど、ここでダンジョン管理として冒険者ギルドの仕事が発生するのか。
イズミはマスタングに相談する。
「マスタング。あのダンジョンには車体の大きさ的に一緒には行けないが、階段を下った先までは確認しておきたい。この前買った魔石を使ってライトを実体化してくれないか」
冒険者ギルドのダンジョン調査が入る前に、ダンジョン内の最初の空間までは現場を見ておいて、引継ぎの形をとってカレンの村へ一旦戻るのが理想かと考えたのだ。
「マスター。ダンジョン探索用ライトを実体化しました」
マスタングのトランクが開いた。
見ると単2電池を2本使うサイズ感のライトが1個、実体化されていた。
手に取ってみるとボタンスイッチが無い。
ヘッドを回転させると点灯、光のスポット調整が出来るようだ。
「魔力充填式ですので、何方でも扱えます」
どうやら所持者の魔力を必要に応じて魔石が自動で吸収して、その魔力をエネルギーにして明かりを照射する仕組み…らしい。
「電池交換やランプ切れの心配はありませんが、強い衝撃等での破損には注意して下さい」
イズミはマスタングの説明を聞きつつ、隣にいるカレンとクロスボウを見た。
両手で構えなければ安定して撃ち込むのはキツいし、生活魔法で出せる灯りでは遠くまでは照らせない。
「マスタング。カレンのクロスボウのアップデートは可能か?元いた世界のウエポンライトみたいなのを取り付けたい」
回答は直ぐに来た。
「可能です。戦術用ライトをクロスボウに搭載しますか?」
イズミはカレンに確認を取った。
「カレン。ダンジョン探索と戦闘用の装備をクロスボウに追加しておきたいのだが、良いか?」
カレンがクロスボウから弾倉と装填していた矢を外して、イズミへ手渡した。
マスタングのトランクへ仕舞うと、早速アップデートを頼んだ。
ガコンガコンと音を立て始めるマスタングには一抹の不安を覚えるが。
「カレンのメイン武器だからな。妥協なく頼む」
とうとうマスタングからドリルで穴を開ける時のような音が聞こえてきた。
マスタングのセンス頼みではあるが、正直怖い。
「マスター。完成しました」
トランクが開いたので、クロスボウを取り出した。
入れ込んだ時よりも若干軽いような気がした。
「およそ10%の軽量化と耐久性の向上に成功しました。弾倉装着時の重量配分も問題ありません」
クロスボウをカレンに渡すと、マスタングからの操作説明が始まった。
聞き終えたカレンがダンジョンの入口、地下への階段へライトを試しに照射した。
呪文無しで点灯したライトは、ビームのように一直線に照射された。
かなり明るく、夜空に向けたらサーチライトのような運用も可能な気さえした。
これなら魔物への目潰し、牽制も出来るだろう。
イズミも自分用のライトのヘッドを回転させると、地下への階段をで照らしてみる。
強力だが、白熱電球のような温かな光が階段の奥を照らした。
25
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す
エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】
転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた!
元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。
相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ!
ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。
お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。
金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。
異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました
ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが……
なろう、カクヨムでも投稿しています。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる