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第五章 カレンの故郷
第五十八話 誰もいない
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奇襲攻撃をした翌朝。
カレンの村で朝食を取り終え、寺院跡地を確認に向かう事にする。
記録していた魔法反応はもう無くなっているので、恐らくそう言う事なのだろう。
カレンと一緒に向かう予定だったが、村の若者を同行させて欲しいと頼まれてしまった。
若者は馬に乗って後を追って来ると言っていた。
攻撃地点までマスタングでまったりと移動する。
馬の速度を考えつつのつもりだったが、若者の馬の調教が良いのだろう。
昨日よりも早く到着した。
「さてと。この辺りから調べていくとしよう」
イズミはソードオフのショットガンとシェルの入ったポーチを実体化させる。
ポーチを腰に巻き付けて、弾込めを済ませた。
カレンもクロスボウを構えて準備を整えていた。
若者はダガーを取り出しているのを見て、イズミは小さく頷いた。
調べ始めて30分程過ぎた頃、3人ともある違和感を持ち始めていた。
「イズミさん、あの…」
イズミはカレンの言葉を聞いて、調査の手を止める。
「あぁ。おかしい」
3人で調べ始めてから、死体を1つも見ていないのだ。
派手な爆発だったし、カレンのクロスボウを食らった奴もいた。
なのに、何故か死体が見当たらない。
傭兵崩れ達が1人も残さず回収したのだろうか?
一晩でそれが可能なのだろうか?
「こんなのがあったぞ」
若者が持ってきたのは、真新しく見える旗だった。
これは帝国軍旗だと、カレンが教えてくれた。
傭兵崩れだと思っていたが、帝国軍人だった可能性が出てきた。
帝国がきな臭い。
アーリアの言葉が脳裏を過ぎった。
イズミはマスタングに確認を取る。
「マスタング。周囲に魔法反応や人間の生態反応はあるか?」
マスタングの回答は『自分達以外の反応は無い』だった。
皆で小休止を挟みつつ、この状況を話し合った。
違和感と言うよりも、薄ら寒い感覚だ。
「寺院のあった部分って、まだちゃんとは調べてないよな?跡地の中心」
イズミが寺院跡地を睨みつつ確認した。
2人とも頷いた。
「マスタング、寺院跡地の魔法反応を教えてくれ。何でもいい」
少し待っていると、回答が来た。
「地下に反応があります」
3人、頭にハテナを浮かべたかのような表情で、互いの顔を見合わせた。
周囲を警戒しながら寺院へと近付いて行くと、グレネードランチャーの弾着箇所も確認出来たが死体の1つも見当たらない。
爆発で吹き飛んだであろう手や足の一部が、辛うじて発見出来た程度だった。
「ここからは気を引き締めて行こう。何があるか分からん」
カレンが寺院を睨みつける。
「イズミさん…嫌な予感がします。背筋が寒くなるような」
イズミが振り返ると、カレンもダガーを構える若者も身体が僅かに震えている。
しかし、ここで引き返すのも何かが違う。
イズミはショットガンを構えて直して、ゆっくりと寺院跡地へと足を踏み入れた。
しかし、人が居た痕跡はあっても、肝心の生存者や負傷者は居なかった。
血痕はあるのに、誰の姿も無かった。
代わりに折れた剣やそれを握った腕が落ちていたりした。
「…どうなってる?」
目の前の光景に気を削がれないようにしつつ、イズミがジリジリと足を進めると開けた場所に出た。
そこには、小綺麗に整備したかのような地下への階段があった。
カレンの村で朝食を取り終え、寺院跡地を確認に向かう事にする。
記録していた魔法反応はもう無くなっているので、恐らくそう言う事なのだろう。
カレンと一緒に向かう予定だったが、村の若者を同行させて欲しいと頼まれてしまった。
若者は馬に乗って後を追って来ると言っていた。
攻撃地点までマスタングでまったりと移動する。
馬の速度を考えつつのつもりだったが、若者の馬の調教が良いのだろう。
昨日よりも早く到着した。
「さてと。この辺りから調べていくとしよう」
イズミはソードオフのショットガンとシェルの入ったポーチを実体化させる。
ポーチを腰に巻き付けて、弾込めを済ませた。
カレンもクロスボウを構えて準備を整えていた。
若者はダガーを取り出しているのを見て、イズミは小さく頷いた。
調べ始めて30分程過ぎた頃、3人ともある違和感を持ち始めていた。
「イズミさん、あの…」
イズミはカレンの言葉を聞いて、調査の手を止める。
「あぁ。おかしい」
3人で調べ始めてから、死体を1つも見ていないのだ。
派手な爆発だったし、カレンのクロスボウを食らった奴もいた。
なのに、何故か死体が見当たらない。
傭兵崩れ達が1人も残さず回収したのだろうか?
一晩でそれが可能なのだろうか?
「こんなのがあったぞ」
若者が持ってきたのは、真新しく見える旗だった。
これは帝国軍旗だと、カレンが教えてくれた。
傭兵崩れだと思っていたが、帝国軍人だった可能性が出てきた。
帝国がきな臭い。
アーリアの言葉が脳裏を過ぎった。
イズミはマスタングに確認を取る。
「マスタング。周囲に魔法反応や人間の生態反応はあるか?」
マスタングの回答は『自分達以外の反応は無い』だった。
皆で小休止を挟みつつ、この状況を話し合った。
違和感と言うよりも、薄ら寒い感覚だ。
「寺院のあった部分って、まだちゃんとは調べてないよな?跡地の中心」
イズミが寺院跡地を睨みつつ確認した。
2人とも頷いた。
「マスタング、寺院跡地の魔法反応を教えてくれ。何でもいい」
少し待っていると、回答が来た。
「地下に反応があります」
3人、頭にハテナを浮かべたかのような表情で、互いの顔を見合わせた。
周囲を警戒しながら寺院へと近付いて行くと、グレネードランチャーの弾着箇所も確認出来たが死体の1つも見当たらない。
爆発で吹き飛んだであろう手や足の一部が、辛うじて発見出来た程度だった。
「ここからは気を引き締めて行こう。何があるか分からん」
カレンが寺院を睨みつける。
「イズミさん…嫌な予感がします。背筋が寒くなるような」
イズミが振り返ると、カレンもダガーを構える若者も身体が僅かに震えている。
しかし、ここで引き返すのも何かが違う。
イズミはショットガンを構えて直して、ゆっくりと寺院跡地へと足を踏み入れた。
しかし、人が居た痕跡はあっても、肝心の生存者や負傷者は居なかった。
血痕はあるのに、誰の姿も無かった。
代わりに折れた剣やそれを握った腕が落ちていたりした。
「…どうなってる?」
目の前の光景に気を削がれないようにしつつ、イズミがジリジリと足を進めると開けた場所に出た。
そこには、小綺麗に整備したかのような地下への階段があった。
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