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第四章 旅と戦闘
閑話 ゴブリンの巣討伐報告
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冒険者ギルドは日没直前から大騒ぎになっていた。
調査に向かったはずの冒険者パーティーの1人が、ゴブリン討伐の証拠として大量の右耳が入った袋を持って来たからだ。
「詳しい話は奥の部屋でしよう」
冒険者ギルド長が報告を聞く為に、奥の部屋へと入って行った。
半刻後…
ギルド長は頭を抱えていた。
ミグルン内で発生したオーガ族の凶暴化騒ぎで名前が上がった男、イズミの名が出て来たからである。
イズミは魔法検査の結果で冒険者ギルドへの登録条件を満たしていなかった。
登録不可と言う対応を取ったとの報告は受けていた。
その男が突然ゴブリンの巣に現れたと思ったら、冒険者ギルド仮登録中のカレンと言うエルフと、同行した騎士の3人で討伐してしまったとの報告なのである。
「失礼します、ゴブリン討伐数の確認が終了しました。86体でした」
証拠数の確認をしていた職員からの報告を聞く。
信じがたい話しである。
見たことの無い魔道具や魔法矢を使用したとしても、たった3人で86体ものゴブリンを討伐したとは。
A級の冒険者パーティーでも、その数を処理するには最低でも8~10人での編成で行く事が多いというのに。
「でも、騎士の男は5体しか倒してませんよ」
討伐報告に来た男、ブルームが付け加える。
それはつまり、2人で81体のゴブリンを処理したと言っているのである。
今日の今日での話である。
「…B級パーティー『炎と大洋』からの報告だからこそ信じるが、現実味が無いな」
ギルド長は悪い冗談を聞かされている気分になってきて、酒を飲みたくなってきていた。
「その後にフォレストオーガが1体現れて、ソイツも2人で倒してました」
布袋から出されたフォレストオーガの牙と爪、そして魔石を確認したギルド長は、更に頭を抱えた。
「それと…ゴブリンの巣の奥に洞窟なのか洞穴のようなものがありまして」
洞窟調査が必要との報告を受ける。
「ダンジョンの可能性はあるか?」
ギルド長は問う。
ブルームは、少し考えつつ答えた。
「その可能性は低いと思っています。気付いたのは巣の奥の方から、大型魔物の叫び声のようなものが聞こえたからでして」
そう言うと男はフォレストオーガの素材を布袋に仕舞った。
「あっしはイズミと言う男のアーティファクトに乗って、ミグルンまで戻って来ました。他の仲間も天気次第ですが3~4日後くらいにはミグルンに到着すると思うので、素材に関してはその後でお願いします」
ブルームは一通りの報告を終えると、部屋から出て行った。
ギルド長はブルームの話を頭の中で整理している途中で、口に含んだ水を吹き出した。
急いで机の上に地図を広げて、ミグルンからゴブリンの巣までの距離を計算する。
「今日の昼間に討伐して、日没前に戻ってギルドへ報告に来ている…」
ギルド長は考えるのを止めて、机の引き出しから酒を取り出してグイッと飲んだ。
調査に向かったはずの冒険者パーティーの1人が、ゴブリン討伐の証拠として大量の右耳が入った袋を持って来たからだ。
「詳しい話は奥の部屋でしよう」
冒険者ギルド長が報告を聞く為に、奥の部屋へと入って行った。
半刻後…
ギルド長は頭を抱えていた。
ミグルン内で発生したオーガ族の凶暴化騒ぎで名前が上がった男、イズミの名が出て来たからである。
イズミは魔法検査の結果で冒険者ギルドへの登録条件を満たしていなかった。
登録不可と言う対応を取ったとの報告は受けていた。
その男が突然ゴブリンの巣に現れたと思ったら、冒険者ギルド仮登録中のカレンと言うエルフと、同行した騎士の3人で討伐してしまったとの報告なのである。
「失礼します、ゴブリン討伐数の確認が終了しました。86体でした」
証拠数の確認をしていた職員からの報告を聞く。
信じがたい話しである。
見たことの無い魔道具や魔法矢を使用したとしても、たった3人で86体ものゴブリンを討伐したとは。
A級の冒険者パーティーでも、その数を処理するには最低でも8~10人での編成で行く事が多いというのに。
「でも、騎士の男は5体しか倒してませんよ」
討伐報告に来た男、ブルームが付け加える。
それはつまり、2人で81体のゴブリンを処理したと言っているのである。
今日の今日での話である。
「…B級パーティー『炎と大洋』からの報告だからこそ信じるが、現実味が無いな」
ギルド長は悪い冗談を聞かされている気分になってきて、酒を飲みたくなってきていた。
「その後にフォレストオーガが1体現れて、ソイツも2人で倒してました」
布袋から出されたフォレストオーガの牙と爪、そして魔石を確認したギルド長は、更に頭を抱えた。
「それと…ゴブリンの巣の奥に洞窟なのか洞穴のようなものがありまして」
洞窟調査が必要との報告を受ける。
「ダンジョンの可能性はあるか?」
ギルド長は問う。
ブルームは、少し考えつつ答えた。
「その可能性は低いと思っています。気付いたのは巣の奥の方から、大型魔物の叫び声のようなものが聞こえたからでして」
そう言うと男はフォレストオーガの素材を布袋に仕舞った。
「あっしはイズミと言う男のアーティファクトに乗って、ミグルンまで戻って来ました。他の仲間も天気次第ですが3~4日後くらいにはミグルンに到着すると思うので、素材に関してはその後でお願いします」
ブルームは一通りの報告を終えると、部屋から出て行った。
ギルド長はブルームの話を頭の中で整理している途中で、口に含んだ水を吹き出した。
急いで机の上に地図を広げて、ミグルンからゴブリンの巣までの距離を計算する。
「今日の昼間に討伐して、日没前に戻ってギルドへ報告に来ている…」
ギルド長は考えるのを止めて、机の引き出しから酒を取り出してグイッと飲んだ。
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