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第四章 旅と戦闘
第三十八話 賊は標的
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マスタングが実体化したガトリングガンを片付けると同時に、村に対して探知魔法で賊の残党の有無を確認した。
思ったより少ないが、まだ建物内に留まっている賊がいる。
出て来ないならば、此方から出向いて挨拶回りをするしかない。
かなりのリスクはあるが、やっておかないと援軍が来た際に厄介な事になりそうだ。
俺はショットガンに弾込めをしてから、マスタングに予備の弾を実体化させる。
出て来た弾をポーチに捩じこんでから運転席に乗り込んだ。
「カレン、敵に対策を取られる前に決着をつける。クロスボウの残弾が少なければマスタングで実体化させるが…」
カレンに確認をすると、全弾装填済みの弾倉は1つしか無かった。
俺はその弾倉をグローブボックスに入れ込んでから、マスタングにコピーが可能かどうか聞いた。
マスタングの回答は「可能」だった。
直ぐに予備の弾倉を5つコピーしてもらい、カレンの足元に置いた。
「カレン様、矢に炎魔法を付与出来るように調整しましたので、良ければ試してみてください…オススメは爆発魔法です」
…マスタングに頼むと、殺意マシマシで返ってくるのは何故なのだろうか?
「ありがとうございます。後で試してみます」
カレンはマスタングに感謝の言葉を述べた。
互いに準備も整ったので、再度村へ向かう為にアクセルを踏み込んだ。
マスタングには探知魔法を常時使ってもらい、敵の居場所を伝えるように指示してから車を降りる。
カレンはマスタングに残ってもらい、近付く奴らを攻撃するように頼んだ。
「イズミさん、少々お待ちを…」
カレンは俺に左手をかざすと、魔法陣が浮かび上がる。
「防御魔法をかけましたので、暫くの間は守ってくれると思います。」
余り過信しないで下さいね。と釘をさしつつカレンが微笑んだ。
「分かった、注意するよ…ありがとうな」
マスタングの探知魔法で建物内を確認してから、反応があった民家だろう建物へゆっくりと近付く。
「扉の右側に1名…外壁が木なので壁ごと撃てば無力化出来ます」
マスタングの助言を信じて、少しだけ離れてから2発撃った。
散弾が上手く散らばってくれたのか、民家内から叫び声がする。
援護が来るか分からないので急いで民家に駆け込むと、賊が腹部を抑えていたので楽にしてやった。
「警告、2つの反応が奥から来ます」
俺はショットガンに次弾を装填してからポーチの弾を取り出して装填する。
奥にある扉の方から物音が聞こえて来たので、死角になる部屋の隅に移動してショットガンを構える。
「おい!やったか!?」
扉を勢いよく開けた二人組が部屋に入ってくるのと同時に、後から入って来た男に向かって1発撃ち込んだ。
素早く次弾を装填してもう1人に銃口を向ける。
残った男は聞き慣れない銃声に身を屈めるような姿勢を取っていた。
幸運な事に素早い反撃を仕掛けて来なかったので、そのまま引き金を引いて片付けた。
賊が部屋に入る際に周囲を確認しない奴で良かった…
そう思いつつ、小さく息を吐いた。
「その建物には反応はありません。次の建物へ移動しましょう」
マスタングからの指示で次の建物へ向かう為に、賊達が入って来た扉を通る。
すると、反対側の通りへを繋がる扉があったので、罠が無いかを確認しながら歩いた。
幸いな事に罠は無かったので、ゆっくりと扉を開けるとマスタングが浮遊能力を使って目の前にやって来た。
マスタングが助手席側の窓を開けると、カレンが何かを投げて来た。
気の所為だろうか、カレンがメガネを掛けているように見える。
「イズミさん!マスタングさんが、これを着けて欲しいって」
受け取ったのは、サングラスだった。
レンズ部分はうっすらとスモークがかかっているようにも見える。
素早く身に着けると、マスタングがサングラスの説明をしてくれた。
「マスター。そのサングラスは魔力反応を可視化する機能が搭載されています」
マスタングの説明では、探知魔法の結果をサングラス越しに映し出す…ゲームのキャラとかアニメの探偵が使ってそうな代物だった。
「カレン様にも使うようにお願いをしました」
マスタングには感謝してもしきれないな。
俺はサングラスで民家に潜む魔力反応を確認してから、素早く移動をする。
ゆっくりと移動していたら、恰好の的になりかねないからな。
新たな民家の扉前を確認する。
原理は分からないが、サングラスはマスタングの探知魔法と同期して魔法反応の動きがリアルタイムで見える。
サングラス越しに見える魔法反応は2つ、俺は魔法反応の中心部に向かって、ショットガンを撃ち込んだ。
そこから急いで民家へ飛び込む。
倒れた賊が生きているかを確認する為に、ショットガンを構えつつ胴体に蹴りを入れる。
…反応は無かった。
俺はポーチから弾を2発取り出して、ショットガンに装填した。
弾切れは洒落にならないからな。
余裕がある時に弾込めをしておく。
マスタングからの情報を頼りに、賊がいる建物へと単身突撃をもうしばらく繰り返す必要がありそうだ。
俺は溜め息をつきつつ覚悟を決めて、民家の入口から次の建物を選んで睨みつける。
こちらに攻撃を仕掛けてくる気配や、魔法反応が大きな変動が無い事を確認して…俺はショットガンを構え直しつつ民家から飛び出した。
思ったより少ないが、まだ建物内に留まっている賊がいる。
出て来ないならば、此方から出向いて挨拶回りをするしかない。
かなりのリスクはあるが、やっておかないと援軍が来た際に厄介な事になりそうだ。
俺はショットガンに弾込めをしてから、マスタングに予備の弾を実体化させる。
出て来た弾をポーチに捩じこんでから運転席に乗り込んだ。
「カレン、敵に対策を取られる前に決着をつける。クロスボウの残弾が少なければマスタングで実体化させるが…」
カレンに確認をすると、全弾装填済みの弾倉は1つしか無かった。
俺はその弾倉をグローブボックスに入れ込んでから、マスタングにコピーが可能かどうか聞いた。
マスタングの回答は「可能」だった。
直ぐに予備の弾倉を5つコピーしてもらい、カレンの足元に置いた。
「カレン様、矢に炎魔法を付与出来るように調整しましたので、良ければ試してみてください…オススメは爆発魔法です」
…マスタングに頼むと、殺意マシマシで返ってくるのは何故なのだろうか?
「ありがとうございます。後で試してみます」
カレンはマスタングに感謝の言葉を述べた。
互いに準備も整ったので、再度村へ向かう為にアクセルを踏み込んだ。
マスタングには探知魔法を常時使ってもらい、敵の居場所を伝えるように指示してから車を降りる。
カレンはマスタングに残ってもらい、近付く奴らを攻撃するように頼んだ。
「イズミさん、少々お待ちを…」
カレンは俺に左手をかざすと、魔法陣が浮かび上がる。
「防御魔法をかけましたので、暫くの間は守ってくれると思います。」
余り過信しないで下さいね。と釘をさしつつカレンが微笑んだ。
「分かった、注意するよ…ありがとうな」
マスタングの探知魔法で建物内を確認してから、反応があった民家だろう建物へゆっくりと近付く。
「扉の右側に1名…外壁が木なので壁ごと撃てば無力化出来ます」
マスタングの助言を信じて、少しだけ離れてから2発撃った。
散弾が上手く散らばってくれたのか、民家内から叫び声がする。
援護が来るか分からないので急いで民家に駆け込むと、賊が腹部を抑えていたので楽にしてやった。
「警告、2つの反応が奥から来ます」
俺はショットガンに次弾を装填してからポーチの弾を取り出して装填する。
奥にある扉の方から物音が聞こえて来たので、死角になる部屋の隅に移動してショットガンを構える。
「おい!やったか!?」
扉を勢いよく開けた二人組が部屋に入ってくるのと同時に、後から入って来た男に向かって1発撃ち込んだ。
素早く次弾を装填してもう1人に銃口を向ける。
残った男は聞き慣れない銃声に身を屈めるような姿勢を取っていた。
幸運な事に素早い反撃を仕掛けて来なかったので、そのまま引き金を引いて片付けた。
賊が部屋に入る際に周囲を確認しない奴で良かった…
そう思いつつ、小さく息を吐いた。
「その建物には反応はありません。次の建物へ移動しましょう」
マスタングからの指示で次の建物へ向かう為に、賊達が入って来た扉を通る。
すると、反対側の通りへを繋がる扉があったので、罠が無いかを確認しながら歩いた。
幸いな事に罠は無かったので、ゆっくりと扉を開けるとマスタングが浮遊能力を使って目の前にやって来た。
マスタングが助手席側の窓を開けると、カレンが何かを投げて来た。
気の所為だろうか、カレンがメガネを掛けているように見える。
「イズミさん!マスタングさんが、これを着けて欲しいって」
受け取ったのは、サングラスだった。
レンズ部分はうっすらとスモークがかかっているようにも見える。
素早く身に着けると、マスタングがサングラスの説明をしてくれた。
「マスター。そのサングラスは魔力反応を可視化する機能が搭載されています」
マスタングの説明では、探知魔法の結果をサングラス越しに映し出す…ゲームのキャラとかアニメの探偵が使ってそうな代物だった。
「カレン様にも使うようにお願いをしました」
マスタングには感謝してもしきれないな。
俺はサングラスで民家に潜む魔力反応を確認してから、素早く移動をする。
ゆっくりと移動していたら、恰好の的になりかねないからな。
新たな民家の扉前を確認する。
原理は分からないが、サングラスはマスタングの探知魔法と同期して魔法反応の動きがリアルタイムで見える。
サングラス越しに見える魔法反応は2つ、俺は魔法反応の中心部に向かって、ショットガンを撃ち込んだ。
そこから急いで民家へ飛び込む。
倒れた賊が生きているかを確認する為に、ショットガンを構えつつ胴体に蹴りを入れる。
…反応は無かった。
俺はポーチから弾を2発取り出して、ショットガンに装填した。
弾切れは洒落にならないからな。
余裕がある時に弾込めをしておく。
マスタングからの情報を頼りに、賊がいる建物へと単身突撃をもうしばらく繰り返す必要がありそうだ。
俺は溜め息をつきつつ覚悟を決めて、民家の入口から次の建物を選んで睨みつける。
こちらに攻撃を仕掛けてくる気配や、魔法反応が大きな変動が無い事を確認して…俺はショットガンを構え直しつつ民家から飛び出した。
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