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第二章 旅の始まり
第二十話 備えあれば
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「高台に行きたい?」
俺の希望に対してのアルセンの返しがこれであった。
それならば…と、ギルド仲間を紹介してくれた。
「高い所と言うと、ここが良いにゃ」
猫亜人のルミアと軽く自己紹介を済ませ、高い所…火の見櫓?のような所へ案内された。
櫓からは周囲を一望出来たので、そこで過去に襲撃された場所の説明を受ける。
「賊を確認したら、魔法通信で連絡しあって対処するにゃ」
アルセン達との魔法通信具を借り、状況を確認したと告げる。
俺の武器は近距離向けなので、アルセン達の近くにいる事にした。
「取り敢えず、今日はここに泊まってくれ」
そう言われた先にあったのは、小さな小屋だった。
隣には馬車置場もあった。
ベッドはあるにはあったのだが、敷き詰められた藁の上に布を被せただけのものだった。
…無いよりマシか。
俺はマスタングを馬車置場に移動させて、小屋にショットガンを運んだ。
弾をガッツリと実体化させ、襲撃への備えを済ませる。
「イズミ…私は何をすれば良いの?」
そう言えばカレンに詳しい話をしていなかった。
火の見櫓にいるルミアの連絡が来たら、襲撃ポイントへ急行する。
そこで賊を引き付けてからの魔法攻撃、相手が魔法攻撃に気を取られているタイミングで銃で攻撃する。
その後はカレンには後方で回復役をお願いした。
「無茶はしなくて良いからな」
殆ど無計画と言っても良い対応プランだが、説明はした。
夜襲の可能性もあるので仮眠を取ろうと思い、小屋の中を見渡したらバケツのような物に目が止まった。
仮眠を取る前に汗を拭きたくなり、近くにあると説明された井戸を確認した。
水はしっかりとあった。
水を汲み上げ小屋へと運んだら、カレンを目が合った。
流石に出会って日も浅いカレンの前で服を脱ぐのは…
俺はカレンに少し外を見てくると告げ、その間に汗を流すようにお願いをした。
散策をした帰りにマスタングへ乗り込み、新たな武器の実体化を考える。
ショットガンは近距離戦では最適な銃だが、それだけでは心許ない。
中~長距離に対応出来る武器の用意があっても、何一つ悪い事はない…
連射は想定せず、遠くを狙える武器をイメージした。
程なくしてマスタングから音声が流れた。
「新たな武器情報を認識、確認しました。実体化しますか?」
俺はモニターに出て来たボタンを押して実体化させる。
トランクに実体化されたのは、ボルトアクション式のライフル銃だ。
ご丁寧に低倍率ながらスコープも実体化していた。
ライフルを持って小屋に入ろうとノックしようとした直前、声をかけられた。
「それは武器なのかにゃ?」
先程櫓を案内してくれた、猫亜人のルミアだった。
「そうだ。これなら遠くの敵も狙えるだろう」
見た事の無い武器に興味津々らしく、どんな武器なのか教えて欲しいとせがまれた。
試し撃ちがてら村のはずれに移動し、ライフルの準備をした。
武器の操作説明をすべきか悩んだが、あまりにも熱視線を注がれてしまったので、簡単ながら説明をさせてもらった。
スコープを覗き込み、問題が無い事を確認したら弾を込める。
200mくらいだろうか?
大きい岩が目に入ったので、それに狙いを付けた。
地面に這い、銃を構える。
「ルミア、大きな音がするから耳を塞ぐ事をオススメするよ」
ルミアからの返事があったので、耳を覆ったりしたのだろう。
俺は引き金に指をかけた。
乾いた音が響いた。
近過ぎたのだろうか?
岩には命中せず、直近で土煙が上がった。
何度か繰り返して、石に命中したのをルミアが確認した。
「凄いにゃ!岩が爆発したみたいに砕けたにゃ!」
あまりの威力に驚きを隠せないルミアに、試し撃ちをしてみるか?とライフルを渡した。
俺の動きを真似するかのようにライフルに弾を入れる。
構え方を教えて、スコープを覗かせる。
「これ…ちょっと見辛いにゃ」
猫亜人には相性が悪いのだろうか?
俺はスコープを外してルミアに渡した。
「こっちの方が狙いやすいにゃ」
ルミアが試し撃ちをする。
何度か同じ的を狙わせた所、コツを掴んだのかすぐに命中した。
…ルミアには銃の才能があるのかもしれない。
遠距離の武器が無いとアルセンも話していた。
俺はルミアの才能に掛けてみる事にした。
「ルミア。その武器を貸してやる」
ルミアの表情が変わった。
新たな武器への期待と、困惑だろうか?
「賊をコイツで狙い撃ちをするんだ」
でも…と受け取りを渋るので、
「俺には別の武器があるから、遠慮せずに遣ってくれ」
戦闘が終わったら返してもらうがな。
そう付け加えて、ライフルを貸し出した。
小屋に戻ると、カレンが待っていた。
俺が散策している際にアルセン達の所にいる魔術師が来たらしい。
「話をしに言ってもよろしいでしょうか?イズミ様も汗を流しますでしょうし…」
男の裸を見るのは互いに色々と問題があるだろう。
カレンには出かけてもらい、俺は汗を拭く為に服を脱ぎ、水を含ませた布で身体を拭いた。
落ち着いてから小屋を出て空をみた。
まだ夜までは余裕がありそうだ。
俺は軽く仮眠を取るため、小屋に戻ってベッドに寝転んだ。
俺の希望に対してのアルセンの返しがこれであった。
それならば…と、ギルド仲間を紹介してくれた。
「高い所と言うと、ここが良いにゃ」
猫亜人のルミアと軽く自己紹介を済ませ、高い所…火の見櫓?のような所へ案内された。
櫓からは周囲を一望出来たので、そこで過去に襲撃された場所の説明を受ける。
「賊を確認したら、魔法通信で連絡しあって対処するにゃ」
アルセン達との魔法通信具を借り、状況を確認したと告げる。
俺の武器は近距離向けなので、アルセン達の近くにいる事にした。
「取り敢えず、今日はここに泊まってくれ」
そう言われた先にあったのは、小さな小屋だった。
隣には馬車置場もあった。
ベッドはあるにはあったのだが、敷き詰められた藁の上に布を被せただけのものだった。
…無いよりマシか。
俺はマスタングを馬車置場に移動させて、小屋にショットガンを運んだ。
弾をガッツリと実体化させ、襲撃への備えを済ませる。
「イズミ…私は何をすれば良いの?」
そう言えばカレンに詳しい話をしていなかった。
火の見櫓にいるルミアの連絡が来たら、襲撃ポイントへ急行する。
そこで賊を引き付けてからの魔法攻撃、相手が魔法攻撃に気を取られているタイミングで銃で攻撃する。
その後はカレンには後方で回復役をお願いした。
「無茶はしなくて良いからな」
殆ど無計画と言っても良い対応プランだが、説明はした。
夜襲の可能性もあるので仮眠を取ろうと思い、小屋の中を見渡したらバケツのような物に目が止まった。
仮眠を取る前に汗を拭きたくなり、近くにあると説明された井戸を確認した。
水はしっかりとあった。
水を汲み上げ小屋へと運んだら、カレンを目が合った。
流石に出会って日も浅いカレンの前で服を脱ぐのは…
俺はカレンに少し外を見てくると告げ、その間に汗を流すようにお願いをした。
散策をした帰りにマスタングへ乗り込み、新たな武器の実体化を考える。
ショットガンは近距離戦では最適な銃だが、それだけでは心許ない。
中~長距離に対応出来る武器の用意があっても、何一つ悪い事はない…
連射は想定せず、遠くを狙える武器をイメージした。
程なくしてマスタングから音声が流れた。
「新たな武器情報を認識、確認しました。実体化しますか?」
俺はモニターに出て来たボタンを押して実体化させる。
トランクに実体化されたのは、ボルトアクション式のライフル銃だ。
ご丁寧に低倍率ながらスコープも実体化していた。
ライフルを持って小屋に入ろうとノックしようとした直前、声をかけられた。
「それは武器なのかにゃ?」
先程櫓を案内してくれた、猫亜人のルミアだった。
「そうだ。これなら遠くの敵も狙えるだろう」
見た事の無い武器に興味津々らしく、どんな武器なのか教えて欲しいとせがまれた。
試し撃ちがてら村のはずれに移動し、ライフルの準備をした。
武器の操作説明をすべきか悩んだが、あまりにも熱視線を注がれてしまったので、簡単ながら説明をさせてもらった。
スコープを覗き込み、問題が無い事を確認したら弾を込める。
200mくらいだろうか?
大きい岩が目に入ったので、それに狙いを付けた。
地面に這い、銃を構える。
「ルミア、大きな音がするから耳を塞ぐ事をオススメするよ」
ルミアからの返事があったので、耳を覆ったりしたのだろう。
俺は引き金に指をかけた。
乾いた音が響いた。
近過ぎたのだろうか?
岩には命中せず、直近で土煙が上がった。
何度か繰り返して、石に命中したのをルミアが確認した。
「凄いにゃ!岩が爆発したみたいに砕けたにゃ!」
あまりの威力に驚きを隠せないルミアに、試し撃ちをしてみるか?とライフルを渡した。
俺の動きを真似するかのようにライフルに弾を入れる。
構え方を教えて、スコープを覗かせる。
「これ…ちょっと見辛いにゃ」
猫亜人には相性が悪いのだろうか?
俺はスコープを外してルミアに渡した。
「こっちの方が狙いやすいにゃ」
ルミアが試し撃ちをする。
何度か同じ的を狙わせた所、コツを掴んだのかすぐに命中した。
…ルミアには銃の才能があるのかもしれない。
遠距離の武器が無いとアルセンも話していた。
俺はルミアの才能に掛けてみる事にした。
「ルミア。その武器を貸してやる」
ルミアの表情が変わった。
新たな武器への期待と、困惑だろうか?
「賊をコイツで狙い撃ちをするんだ」
でも…と受け取りを渋るので、
「俺には別の武器があるから、遠慮せずに遣ってくれ」
戦闘が終わったら返してもらうがな。
そう付け加えて、ライフルを貸し出した。
小屋に戻ると、カレンが待っていた。
俺が散策している際にアルセン達の所にいる魔術師が来たらしい。
「話をしに言ってもよろしいでしょうか?イズミ様も汗を流しますでしょうし…」
男の裸を見るのは互いに色々と問題があるだろう。
カレンには出かけてもらい、俺は汗を拭く為に服を脱ぎ、水を含ませた布で身体を拭いた。
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