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第一章 異世界転移
第三話 逃走
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乾いた音が2度響き、大男の部下2人は悲鳴をあげて倒れ込んだ。
腹部に大穴が空いたのだから無理もない。
予想外の展開だったのか、大男達の動きが止まった。
その瞬間を見逃す事無く、俺はショットガンを助手席に放り込みつつ車に乗り込み、急いでエンジンをかける。
疑問に思う事は沢山ある。
どうして銃が車内にあったのか?
どうして銃を撃ってしまったのか?
どうして…?
車のエンジンが唸り、振動を身体で感じる。
この感覚は変わっていなくて、少し泣きそうになるが堪える。
とにかく此処から逃げる。
当てはないけど逃げるしか無い。
大男達が冷静さを取り戻したのか、何かを叫びながらこちらに向かって来るのが見える。
俺はアクセルを踏み込み、車を発進させる。
大男達も追撃して来るだろうと想定し、可能な限り距離を稼いでおく必要がある。
時間を稼いでおく事は心の余裕を生む。
考える時間が増やせれば、自分の身に起きている事を分析出来るはず。
案の定、追撃部隊が来た。
しかも空から。
大きな鳥が1羽、低空飛行にて近づいて来るのが確認出来た。
車のメーターは時速80km辺りに針があるのだが、あの大きな鳥はそんな速度で人間を乗せて飛べるのか?
そんな疑問はさておき、ショットガンは全弾撃ってしまったし予備の弾が手元に無い。
そもそも、どうして銃があるのかすら分からないのだ。
「どれか1つくらい疑問は解決出来ないのか?」
「銃は私が用意しました」
俺の悪態に答えるように、カーナビから音声が流れてきた。
「なんだって?」
反射的に聞き返してしまった。
私が用意した?
私って誰だ?
「私が所有者の抱いたイメージを把握し、そのイメージを元に具現化させたものです。不要でしたでしょうか」
抑揚の無い音声が説明をしてくれたが、今の俺では更に混乱するだけであった。
「いや、助かったよ。ありがとう」
俺は全然理解出来ていないながらも、感謝の言葉を口にする。
「ところで、あの鳥は何なんだ?」
ボヤキついでに聞いてみる。
ものは試しってやつだ。
対象を確認…スキャン中…
機械音声が流れ、カーナビのモニターに画像が出て来た。
「スキャン完了。対象は飛竜です」
竜!?
どうやら本当に此処は俺の知らない世界のようだ。
そんな実感と共に、車の右側に飛竜が並ぶ。
飛竜に乗っている兵士?が車に目掛けて何かを構えているように見えるが…?
「警告、魔法攻撃に狙われています」
不快感のあるアラート音に驚き、ブレーキを踏む。
急ブレーキではあったが、しっかりと減速は出来た。
その直後、目の前で爆発が発生した。
火球だった。軽自動車サイズの炎の球体だ。
あんな攻撃を受けたら一発で廃車&俺の死亡が確定だ。
再度アクセルを踏み込み、草原を駆け抜ける。
逃げるにも隠れるにも、飛竜相手には厳しい…
どうにかして撃退出来ないか?
助手席に置いたショットガンを眺める。
「なぁ、ショットガンの弾はあるのか」
こうなったらダメ元だと言わんばかりに、車相手に聞いてみる。
「グローブボックスに銃を入れてください。弾を装填します」
…なんで出来るんだ?
自動で開いたグローブボックスにショットガンを入れると、どう考えてもスペース的にぶつかるはずの底面に当たらず、ショットガンが飲み込まれた。
間もなくして。
「装填が完了しました。装弾数は2発です」
ご丁寧に装弾数まで教えてくれるなんて…弾数の読み間違いで困らずに済みそうだ。
グローブボックスからショットガンのグリップが顔を覗かせている。
急いで取り出し、足元に置いてから窓を開ける。
今度接近した時に鉛玉をプレゼントしてやる。
そんな軽口を叩こうかと思ったが、上手く行く保証が無いので心の中に仕舞っておく。
「警告、魔法攻撃に狙われています」
俺はアラート音を聞くと同時にブレーキに足をかけ急カーブを行う。
運転席側の窓が開ききったのを確認し、ショットガンを構えた…
「報告します。負傷した2名は重傷、手当を続けますが修復魔法の効果は確認出来ておりません。追撃部隊からの連絡も、まだ来ておりません」
全身黒ローブの俺が大男に告げる。
「しかし、2級防御魔法を貫通する武器とは…あの男は何者なのでしょうか?」
ローブ男の問いに大男は頭を掻き毟りながら答える。
「分からん。だが危険人物なのは確かだ。軍の兵士に重傷を負わせた悪党だからな」
馬車に乗り込み、移動を始める。
「本部に魔法通信だ…こちらオールドカバー。調査対象は兵士を攻撃し逃走、飛竜隊が追跡中。指揮権を飛竜隊に移行し帰投する」
大男…オールドカバーは手綱を握り締め、基地へ向かう。
道中、どのように報告するかを思案しながら。
腹部に大穴が空いたのだから無理もない。
予想外の展開だったのか、大男達の動きが止まった。
その瞬間を見逃す事無く、俺はショットガンを助手席に放り込みつつ車に乗り込み、急いでエンジンをかける。
疑問に思う事は沢山ある。
どうして銃が車内にあったのか?
どうして銃を撃ってしまったのか?
どうして…?
車のエンジンが唸り、振動を身体で感じる。
この感覚は変わっていなくて、少し泣きそうになるが堪える。
とにかく此処から逃げる。
当てはないけど逃げるしか無い。
大男達が冷静さを取り戻したのか、何かを叫びながらこちらに向かって来るのが見える。
俺はアクセルを踏み込み、車を発進させる。
大男達も追撃して来るだろうと想定し、可能な限り距離を稼いでおく必要がある。
時間を稼いでおく事は心の余裕を生む。
考える時間が増やせれば、自分の身に起きている事を分析出来るはず。
案の定、追撃部隊が来た。
しかも空から。
大きな鳥が1羽、低空飛行にて近づいて来るのが確認出来た。
車のメーターは時速80km辺りに針があるのだが、あの大きな鳥はそんな速度で人間を乗せて飛べるのか?
そんな疑問はさておき、ショットガンは全弾撃ってしまったし予備の弾が手元に無い。
そもそも、どうして銃があるのかすら分からないのだ。
「どれか1つくらい疑問は解決出来ないのか?」
「銃は私が用意しました」
俺の悪態に答えるように、カーナビから音声が流れてきた。
「なんだって?」
反射的に聞き返してしまった。
私が用意した?
私って誰だ?
「私が所有者の抱いたイメージを把握し、そのイメージを元に具現化させたものです。不要でしたでしょうか」
抑揚の無い音声が説明をしてくれたが、今の俺では更に混乱するだけであった。
「いや、助かったよ。ありがとう」
俺は全然理解出来ていないながらも、感謝の言葉を口にする。
「ところで、あの鳥は何なんだ?」
ボヤキついでに聞いてみる。
ものは試しってやつだ。
対象を確認…スキャン中…
機械音声が流れ、カーナビのモニターに画像が出て来た。
「スキャン完了。対象は飛竜です」
竜!?
どうやら本当に此処は俺の知らない世界のようだ。
そんな実感と共に、車の右側に飛竜が並ぶ。
飛竜に乗っている兵士?が車に目掛けて何かを構えているように見えるが…?
「警告、魔法攻撃に狙われています」
不快感のあるアラート音に驚き、ブレーキを踏む。
急ブレーキではあったが、しっかりと減速は出来た。
その直後、目の前で爆発が発生した。
火球だった。軽自動車サイズの炎の球体だ。
あんな攻撃を受けたら一発で廃車&俺の死亡が確定だ。
再度アクセルを踏み込み、草原を駆け抜ける。
逃げるにも隠れるにも、飛竜相手には厳しい…
どうにかして撃退出来ないか?
助手席に置いたショットガンを眺める。
「なぁ、ショットガンの弾はあるのか」
こうなったらダメ元だと言わんばかりに、車相手に聞いてみる。
「グローブボックスに銃を入れてください。弾を装填します」
…なんで出来るんだ?
自動で開いたグローブボックスにショットガンを入れると、どう考えてもスペース的にぶつかるはずの底面に当たらず、ショットガンが飲み込まれた。
間もなくして。
「装填が完了しました。装弾数は2発です」
ご丁寧に装弾数まで教えてくれるなんて…弾数の読み間違いで困らずに済みそうだ。
グローブボックスからショットガンのグリップが顔を覗かせている。
急いで取り出し、足元に置いてから窓を開ける。
今度接近した時に鉛玉をプレゼントしてやる。
そんな軽口を叩こうかと思ったが、上手く行く保証が無いので心の中に仕舞っておく。
「警告、魔法攻撃に狙われています」
俺はアラート音を聞くと同時にブレーキに足をかけ急カーブを行う。
運転席側の窓が開ききったのを確認し、ショットガンを構えた…
「報告します。負傷した2名は重傷、手当を続けますが修復魔法の効果は確認出来ておりません。追撃部隊からの連絡も、まだ来ておりません」
全身黒ローブの俺が大男に告げる。
「しかし、2級防御魔法を貫通する武器とは…あの男は何者なのでしょうか?」
ローブ男の問いに大男は頭を掻き毟りながら答える。
「分からん。だが危険人物なのは確かだ。軍の兵士に重傷を負わせた悪党だからな」
馬車に乗り込み、移動を始める。
「本部に魔法通信だ…こちらオールドカバー。調査対象は兵士を攻撃し逃走、飛竜隊が追跡中。指揮権を飛竜隊に移行し帰投する」
大男…オールドカバーは手綱を握り締め、基地へ向かう。
道中、どのように報告するかを思案しながら。
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