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台座
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村長に挨拶も終わり、しばらくはここにいて良いと言われた。
その言葉に甘え、俺たちはこの場所を少しの間だけ寝床にさせてもらうことにした。
今は村長と喧嘩してぷりぷり怒っているクラハについていき、寝床となる場所へ向かっている。
「で、クラハの婚約者ってどの人なのかしら?」
「今は姿が見えませんが後で紹介しますよ。会いたくないですが」
この空間の真ん中あたりに案内され、そこを寝床にしていいとクラハに言われた。
毛皮が引いてあり、なかなか寝心地が良さそうである。
そこに座って前を見ると、そこには俺の腰の高さくらいの大きな石が置いてある。
それは人工物のようで、真四角にカットされて、なにやら文字のようなものも書かれている。
気になったので立ち上がり近づいて、文字を見てみる。
紋章を刻まれし者よ。強い意思があれば、この剣は答えてくれるだろう。
剣、ね。
やっぱり聖剣があったのかね。
さっき見た時はわからなかったが近くでみると、石には剣が刺さっていたような穴が空いているのがわかる。
さっき読んだ石の面から右の面へ行ってみると、また別のことが書いてあるようだった。
剣を扱える者は、剣に好かれた者。紋章を過信するなかれ。
……もしかして、聖剣って抜く時だけ勇者じゃないとダメだったとか?
使うためには剣に好かれろと?
というか剣に意思があるのか?
聖剣って特別な剣だし、ありえるのかも知れない。
さらに右の面へ行くと、今度は絵が描かれていた。
剣の絵だが、沢山の種類の剣が並んでいる。
聖剣っていっぱいあるのもなのか?
でも聖剣って一つしかないって教わったんだが。
わけわからん絵だな。
また右の面へ行くと、今度は文字に戻っていた。
ゴーレムが動き出した時、聖剣は鍵となるが故、捨てることなかれ。
ゴーレム?
またよくわからないことを……。
でもこの謎めいた感じはやっぱりここに聖剣はあったと思えてしまう。
「リュカさん、台座に興味があるんですか?」
「少しな」
「この文字ははるか昔の人間が使っていたそうです。勇者が生きていた時代よりもっと昔の人間が」
「へ?」
怖いんだけど。
なんで俺、そんな昔の文字読めてんの。
いや親から教わった文字だから、やっぱり一族が変なんだろうが。
「勇者時代でも読める人は読めたそうですが、この村ではもう読める人はいなくなりました」
「はあ……俺、普通に読んでたんだけど」
「リュカさんの一族って古代人かなにかの末裔ですか?」
「知らね」
でも皆の知ることと俺の知ることが違いすぎてありえそうで困る。
でも違うんだろうな。
考えられるのは、やはり……でも認めたくねぇ。
考えんのやめよ。
その言葉に甘え、俺たちはこの場所を少しの間だけ寝床にさせてもらうことにした。
今は村長と喧嘩してぷりぷり怒っているクラハについていき、寝床となる場所へ向かっている。
「で、クラハの婚約者ってどの人なのかしら?」
「今は姿が見えませんが後で紹介しますよ。会いたくないですが」
この空間の真ん中あたりに案内され、そこを寝床にしていいとクラハに言われた。
毛皮が引いてあり、なかなか寝心地が良さそうである。
そこに座って前を見ると、そこには俺の腰の高さくらいの大きな石が置いてある。
それは人工物のようで、真四角にカットされて、なにやら文字のようなものも書かれている。
気になったので立ち上がり近づいて、文字を見てみる。
紋章を刻まれし者よ。強い意思があれば、この剣は答えてくれるだろう。
剣、ね。
やっぱり聖剣があったのかね。
さっき見た時はわからなかったが近くでみると、石には剣が刺さっていたような穴が空いているのがわかる。
さっき読んだ石の面から右の面へ行ってみると、また別のことが書いてあるようだった。
剣を扱える者は、剣に好かれた者。紋章を過信するなかれ。
……もしかして、聖剣って抜く時だけ勇者じゃないとダメだったとか?
使うためには剣に好かれろと?
というか剣に意思があるのか?
聖剣って特別な剣だし、ありえるのかも知れない。
さらに右の面へ行くと、今度は絵が描かれていた。
剣の絵だが、沢山の種類の剣が並んでいる。
聖剣っていっぱいあるのもなのか?
でも聖剣って一つしかないって教わったんだが。
わけわからん絵だな。
また右の面へ行くと、今度は文字に戻っていた。
ゴーレムが動き出した時、聖剣は鍵となるが故、捨てることなかれ。
ゴーレム?
またよくわからないことを……。
でもこの謎めいた感じはやっぱりここに聖剣はあったと思えてしまう。
「リュカさん、台座に興味があるんですか?」
「少しな」
「この文字ははるか昔の人間が使っていたそうです。勇者が生きていた時代よりもっと昔の人間が」
「へ?」
怖いんだけど。
なんで俺、そんな昔の文字読めてんの。
いや親から教わった文字だから、やっぱり一族が変なんだろうが。
「勇者時代でも読める人は読めたそうですが、この村ではもう読める人はいなくなりました」
「はあ……俺、普通に読んでたんだけど」
「リュカさんの一族って古代人かなにかの末裔ですか?」
「知らね」
でも皆の知ることと俺の知ることが違いすぎてありえそうで困る。
でも違うんだろうな。
考えられるのは、やはり……でも認めたくねぇ。
考えんのやめよ。
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