18 / 22
練習
しおりを挟む
「とりあえず、私たちは海の向こうを目指してるの。クラハはどうする?」
ゾーイが言うと、クラハはうーんと唸って考え始める。
「私はもう一人はいやなので……こういうのはどうです? 私が魔法で海の向こうまで連れて行く代わりに、結婚を取り消す手伝いをしてください」
考えた結果そうなったらしい。
まあいいんじゃね?
ゾーイも許可すればだが。
「リュカ、どうする? 私は良いと思うけど」
「ゾーイが良いならクラハの案に乗ろう」
「決まりね。クラハ、よろしくね」
「はい!」
でも今日はこの岩で夜を過ごす。
魚を何匹か釣って食べて、明日ようの食事も釣って明日に備えた。
~~~~
翌日の朝、しっかり魚を食べてから川を下っていく。
岩にぶつからないように踏ん張りながら。
休憩を挟みながら三日くらいでなんとか怪我せずに海へたどり着けた。
あとは空を飛ぶだけだ。
しかし空を飛ぶのも練習しないといけない。
空を飛ぶ魔法を使っても浮くだけで、空中での操作は魔法がかかった本人がやるらしいから。
「では魔法をかけますね。浮いても、立った状態のまま何もしないでください」
クラハに言われるのでゾーイと一緒に頷く。
「じゃあ行きますね」
深呼吸をして真剣な眼差しをするクラハ。
「巡られる風よ、我らを運べ!」
呪文を唱えると、俺とゾーイの体が浮かび上がる。
言われた通り、立ったまま動かない。
足が地面についてなくてふわふわするのがすっげぇ落ち着かねぇが。
でも水の中と同じと考えれば、それほど怖くはない。
空中は空気があるので溺れるようなことはないし。
落ちたら死ぬだろうから、そこは魔法使いであるクラハを信じるしかないかな。
まあこれから行うのは練習なので、落ちても良いような海の上で低空飛行をするらしい。
クラハの指示のもと、練習だ。
最初は着地する練習だった。
浮かんだまま空を飛ぶクラハに手を引かれ、海の上に浮かぶ。
そしてクラハの指示のもと海面に足をつけようと強く意識。
魔法はイメージが大切で、魔法の源である魔力は強い念に動かされる……らしい。
やってみる。
海面に足つける。足がつくまで降りる。降りろ。海面にに足が届く! 届け!
うん、降りれねぇ。
泳ぐ時みたいに足を使ったり、手を使ったりしてみた。
「おわっ!?」
バランスが崩れて海へダイブしてしまったが。
くっそ悔しい。
ゾーイも空中に浮いているのみだ。
というか全く動いてない。
眉間に皺を寄せて頑張ってイメージしているみたいだが。
「リュカさん! 大丈夫ですか?」
クラハが俺を海から引きずり出し、また浮かせた状態にしてくれる。
「問題ねぇ! こんなの簡単だ! すぐ習得してみせる!」
身近な魔法といえば釣竿なんだから、それを使うときと同じような感覚でやればいい。
釣り糸で物を切るときも、出来るかなーって試してみて出来たんだ。
やれると思えばやれるはず。
海面に足をつけるイメージをする。
しっかりと脳内で光景や自分が感じるであろう触覚、温度などを鮮明に思い浮かべる。
ちょん、と爪先が海面についた。
波が過ぎていって、すぐに触れなくなったが。
もう少し降りて、そのまま足を海につけ続けることの出来るほどにしてみる。
……よし。出来た。
「り、リュカさん凄いです!」
「釣りで鍛えた成果だ」
「あの釣竿ってやっぱり魔法道具なんですね? リュカさんは魔法がかかってるものを操作するのに慣れてるので、これならすぐに空くらい飛べますよ!」
クラハがそういってくれる。
「なるほど、自分の体を魔法道具と考えればいいのね」
ゾーイが納得したように呟いた。
するとゾーイも海面に足をつけることに成功した。
ゾーイの様子だと、彼女も魔法道具を使ったことがあるらしい。
ゾーイが言うと、クラハはうーんと唸って考え始める。
「私はもう一人はいやなので……こういうのはどうです? 私が魔法で海の向こうまで連れて行く代わりに、結婚を取り消す手伝いをしてください」
考えた結果そうなったらしい。
まあいいんじゃね?
ゾーイも許可すればだが。
「リュカ、どうする? 私は良いと思うけど」
「ゾーイが良いならクラハの案に乗ろう」
「決まりね。クラハ、よろしくね」
「はい!」
でも今日はこの岩で夜を過ごす。
魚を何匹か釣って食べて、明日ようの食事も釣って明日に備えた。
~~~~
翌日の朝、しっかり魚を食べてから川を下っていく。
岩にぶつからないように踏ん張りながら。
休憩を挟みながら三日くらいでなんとか怪我せずに海へたどり着けた。
あとは空を飛ぶだけだ。
しかし空を飛ぶのも練習しないといけない。
空を飛ぶ魔法を使っても浮くだけで、空中での操作は魔法がかかった本人がやるらしいから。
「では魔法をかけますね。浮いても、立った状態のまま何もしないでください」
クラハに言われるのでゾーイと一緒に頷く。
「じゃあ行きますね」
深呼吸をして真剣な眼差しをするクラハ。
「巡られる風よ、我らを運べ!」
呪文を唱えると、俺とゾーイの体が浮かび上がる。
言われた通り、立ったまま動かない。
足が地面についてなくてふわふわするのがすっげぇ落ち着かねぇが。
でも水の中と同じと考えれば、それほど怖くはない。
空中は空気があるので溺れるようなことはないし。
落ちたら死ぬだろうから、そこは魔法使いであるクラハを信じるしかないかな。
まあこれから行うのは練習なので、落ちても良いような海の上で低空飛行をするらしい。
クラハの指示のもと、練習だ。
最初は着地する練習だった。
浮かんだまま空を飛ぶクラハに手を引かれ、海の上に浮かぶ。
そしてクラハの指示のもと海面に足をつけようと強く意識。
魔法はイメージが大切で、魔法の源である魔力は強い念に動かされる……らしい。
やってみる。
海面に足つける。足がつくまで降りる。降りろ。海面にに足が届く! 届け!
うん、降りれねぇ。
泳ぐ時みたいに足を使ったり、手を使ったりしてみた。
「おわっ!?」
バランスが崩れて海へダイブしてしまったが。
くっそ悔しい。
ゾーイも空中に浮いているのみだ。
というか全く動いてない。
眉間に皺を寄せて頑張ってイメージしているみたいだが。
「リュカさん! 大丈夫ですか?」
クラハが俺を海から引きずり出し、また浮かせた状態にしてくれる。
「問題ねぇ! こんなの簡単だ! すぐ習得してみせる!」
身近な魔法といえば釣竿なんだから、それを使うときと同じような感覚でやればいい。
釣り糸で物を切るときも、出来るかなーって試してみて出来たんだ。
やれると思えばやれるはず。
海面に足をつけるイメージをする。
しっかりと脳内で光景や自分が感じるであろう触覚、温度などを鮮明に思い浮かべる。
ちょん、と爪先が海面についた。
波が過ぎていって、すぐに触れなくなったが。
もう少し降りて、そのまま足を海につけ続けることの出来るほどにしてみる。
……よし。出来た。
「り、リュカさん凄いです!」
「釣りで鍛えた成果だ」
「あの釣竿ってやっぱり魔法道具なんですね? リュカさんは魔法がかかってるものを操作するのに慣れてるので、これならすぐに空くらい飛べますよ!」
クラハがそういってくれる。
「なるほど、自分の体を魔法道具と考えればいいのね」
ゾーイが納得したように呟いた。
するとゾーイも海面に足をつけることに成功した。
ゾーイの様子だと、彼女も魔法道具を使ったことがあるらしい。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
妖精王の旅路
蛹
ファンタジー
妖精王は旅に出た。
もう妖精たちの面倒を見るのに疲れてしまったのだ。
これからはもっと自分のために生きたい。
妖精王は妖精たちから逃げた先で何に出会い、何を見るのだろうか。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件
後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。
転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。
それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。
これから零はどうなってしまうのか........。
お気に入り・感想等よろしくお願いします!!
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
Stain
K-E
恋愛
Love is like raindrops outside the window, not only do they evaporate, they leave stains behind.
恋心って窓辺の雨粒と似てる、蒸発するくせに跡だけ残してくんだから。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる