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天使のホワイトデー 後編
寝て起きてもホワイトデー! ⑧
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♢23♢
早く大水槽のある2階に行きたい衝動にかられるルシアさんを、なんとかなだめながら4階を制覇。
そのまま下の階である3階の『北の海の海獣、水鳥』というフロアに来た。
ルシアさんが聞いた鳴き声はこいつらのものだ。
階が違うし、上の階は水の音とかで無音でもなかったのだが、彼女には聞こえたらしい。
俺にはまったく聞こえなかったけどな。
しかし、この水族館の順に回らないといけないという仕組みは、一周きちんと見て回るには適しているが、急かす人とか暴走する人がいたりするとダメだと思う。例えば子供とか。
世の中、行儀よくできるやつばかりではないんだ。
勝手したい人とか、言うこと聞かない人とかいるんだ。例えば子供とか。
「可愛いわね」
そんな子供のような反応をしていたルシアさんも、ここに来てようやく大人しくなった。
先ほどから『可愛い』と何度も繰り返し呟いている。
「さっきから一歩も動いてないな」
「ずっと見てたいもの」
水族館という場所は童心に返る場所でもあるらしいな。初めてだとしても、普段はここまではしゃがないルシアさんが、スゴくはしゃいでるから。
何を言ってもこの水槽の前を動かず、俺は1人で違うところを見てきたよ?
追いかけてくるかと思っていたが、微動だにしない……。
「あぁ、可愛い……」
もういっそのこと、『ふっ、お前のほうが可愛いぜ』とか言うべきか? スルーされる可能性も大いにあると思うのが、君はどう思う?
だが、いい加減なんとかしないといけないと思うんだ。
──とアイコンタクトしたところ、ルシアさんを虜にするヤツに、直前までは合っていた目をプイっと逸らされた。その仕草にルシアさんが歓喜する。
まあ、可愛いは可愛いとは思うけど、パンフレットには海獣って書いてあるしな。怪獣って。
「ねぇ、この子はなんて言うの?」
「アザラシだな。ゴマフアザラシ。そこに書いてあるけど?」
「アザラシ。可愛い」
現在、ルシアさんが大変夢中なのはゴマフアザラシくんだ。字が読めるのに、それが目に入らないくらいに夢中だ。
そして近くにはトドもいるのだが、ルシアさんはアザラシくんだけに夢中。
可哀想だがトドの出番はないらしい。
「そうだ。写真撮ってやろうか? アザラシと」
「入り口にダメって書いてあったけど!」
「フラッシュなしなら大丈夫なんだよ。このご時世、インスタ映えも出来ないようでは成り立たないのだ」
本当だぜ? ルシアさんが可愛いから特別にとかではない。気になるなら確認したらいいと思う。
今日は許可を得て借りてきたキャメラの出番がようやくあった。
正直、今まで存在を忘れていたのはナイショだ。
「撮ったら、次行くからな」
「名残惜しいけど分かったわ」
「よし。 ……だが、カメラが準備できてもアザラシくんが遠いな。これじゃあな。トドならすごく近いからトドにするか?」
写真を撮ってくれるのを待っているかのように近いトド。彼とならすぐにでも写真撮影できる。
サービス精神のないアザラシくんより、サービス精神あふれるトドの方が好感が持てる。怪獣なんだとしても。
「可愛くないから嫌。なんていうか……パパみたい」
「あー、分かる。言われてみると、おっさんたちもこんなイメージかもしれない。そうだな。おっさんたちと写真撮ってもしょうがないもんな」
「そうでしょ、やっぱりアザラシよ」
すまないトド。今のに全力で納得してしまったから、お前は他のカップルと写真を撮ってもらえ。
俺たちはアザラシくんが近寄ってくるのを待つよ。
※
アザラシくんとのベストショット撮影に時間と体力を大分使ってしまった。だが、これで3階の北の海エリアは制覇。
次は同じく3階。北の海エリアの真反対にある、熱帯アジアの水辺エリアも制覇した。
感想としては、『見るだけは見たがアロワナくらいしか覚えてない』だ。
アザラシくんにサービス精神が無かったため、俺が大分疲弊。ピンピンしているルシアさんとは対照的に、一度休憩を余儀なくされた。
そんな人気者のアザラシくんがいる3階には自販機コーナーがあり、そこのベンチで休憩していくらか体力を回復できた。
「うぉぉお、カメラが重い……。もうしまおう。こっからは写真撮るの、スマホのカメラでいいか?」
「写真になるなら一緒じゃないの? 同じカメラでしょ?」
……女の子ってこういうこと言うよね。一眼レフカメラとスマホのカメラじゃ違うでしょう!
しかし、女には理解されない男の世界なのかもしれない。理解されない世界であるから男の世界なんであり、それを理解してしまう女を、俺は女とは見れない。
例えば、カードゲーム好きな一愛とか。バイク好きなマコちゃんとか。名前だけ出てる人だとマキちゃんとかか。というか、マコちゃんとマキちゃんが被ってるな……。
彼女たちはキャラクター的にも被ってるし。それに命名も同じやつだ。
まあ、今そんなことを気にするだけ無駄だな。
「休憩はもういいわね? じゃあ、下に行きましょう!」
「ああ、大水槽に行こう。だけど、その前にどうしても見たいやつがいるんだ。先にそっちから回りたいんだけどいいか?」
「……珍しいわね。ここまで特に何も言わなかったのに」
「前はいなかったんだ。いや、海にはいたんだろうが水族館にはいなかった。有名でもなかったからな」
水族館初心者のルシアさんに合わせてここまでは来たが、俺はどうしても見たかったやつがいるんだ。
今日が俺1人だったなら、1階でエスカレーターには乗らずエレベーターで2階に行き、真っ先に見ていただろう。それで満足して帰っていたかもしれない。
うん? ああ、普通にエレベーターはあるだろう。
わざわざ4階にいかずとも、エレベーターで1階から好きな階に行けるよ。当たり前じゃん。
俺はルシアさんがいるから、きちんとしたルートで見て回っただけだよ。
現にあれだけいたバカップルたちに、3階でしか遭遇してないじゃない。
奴らも地元民だからな。ここへは何回も来てるだろうし、興味のないところには行かないよ。
1、2、3階が奴らの生息地だろう。中でも2階。大水槽があり、この水族館のメインである2階が一番混んでいると思われる。
※
やはり、バカップルたちは2階に大量に生息していた。薄暗いことをいいことにイチャイチャ、チュッチュしていた。
サンゴ礁の海、親潮アイスボックス、潮目の大水槽とある2階。大水槽は言うまでもなくスゴいが、残る2つも負けてはいない。
「ねぇ……これ? 見たかったのってこれ?」
そんな奴らには見向きもされないが、サンゴ礁の海エリア。その中の水槽の1つ。俺はこいつが見たかったんだ。
ルシアさんの反応も微妙なのが気になるけど。
「……──何もいないじゃない! 空よ、この水槽!」
「空ではないんだ。潜ってんだよ」
「ただの水にしか見えない。あたしもあっちに行きたい」
いるのは間違いないのに、ちっとも顔を出さない。
これでは何もいない水槽をずっと見ているヤバいやつである。ルシアさんの興味も尽きてるし、一旦他のやつを見てくるか。
「わかった。一旦離れよう。こっちにクリオネがいるらしいから見に行こう」
「……ちゃんといるやつ?」
「──いるよ! お前、見てビックリすんなよ!」
ったく、まあクリオネも見たかったしいいだろう。
クリオネも前はいなかったからな。親潮アイスボックスの方に……。
「──って、いる! 出てるぞ、チンアナゴ!」
「向こうに行くんじゃないの?!」
水槽を離れながら1回振り返ってみた。すると、いっさい姿を現さなかったチンアナゴたちが、ニョロニョロと出現していた。近寄らねば!
「はぁ? 何もいないじゃない……」
「いたんだよ。また、潜ってしまったんだよ!」
「……」
「本当にいるんだって! ニョロニョロしてたんだって!」
これを5回ほど繰り返し、ようやくルシアさんにもその姿を見せたチンアナゴ。
サービス精神があるのかないのか。わざとやっているのかいないのかは分からないが、見れたので良かった。何もいない水槽を見ているヤバいやつにならなくてよかった……。
早く大水槽のある2階に行きたい衝動にかられるルシアさんを、なんとかなだめながら4階を制覇。
そのまま下の階である3階の『北の海の海獣、水鳥』というフロアに来た。
ルシアさんが聞いた鳴き声はこいつらのものだ。
階が違うし、上の階は水の音とかで無音でもなかったのだが、彼女には聞こえたらしい。
俺にはまったく聞こえなかったけどな。
しかし、この水族館の順に回らないといけないという仕組みは、一周きちんと見て回るには適しているが、急かす人とか暴走する人がいたりするとダメだと思う。例えば子供とか。
世の中、行儀よくできるやつばかりではないんだ。
勝手したい人とか、言うこと聞かない人とかいるんだ。例えば子供とか。
「可愛いわね」
そんな子供のような反応をしていたルシアさんも、ここに来てようやく大人しくなった。
先ほどから『可愛い』と何度も繰り返し呟いている。
「さっきから一歩も動いてないな」
「ずっと見てたいもの」
水族館という場所は童心に返る場所でもあるらしいな。初めてだとしても、普段はここまではしゃがないルシアさんが、スゴくはしゃいでるから。
何を言ってもこの水槽の前を動かず、俺は1人で違うところを見てきたよ?
追いかけてくるかと思っていたが、微動だにしない……。
「あぁ、可愛い……」
もういっそのこと、『ふっ、お前のほうが可愛いぜ』とか言うべきか? スルーされる可能性も大いにあると思うのが、君はどう思う?
だが、いい加減なんとかしないといけないと思うんだ。
──とアイコンタクトしたところ、ルシアさんを虜にするヤツに、直前までは合っていた目をプイっと逸らされた。その仕草にルシアさんが歓喜する。
まあ、可愛いは可愛いとは思うけど、パンフレットには海獣って書いてあるしな。怪獣って。
「ねぇ、この子はなんて言うの?」
「アザラシだな。ゴマフアザラシ。そこに書いてあるけど?」
「アザラシ。可愛い」
現在、ルシアさんが大変夢中なのはゴマフアザラシくんだ。字が読めるのに、それが目に入らないくらいに夢中だ。
そして近くにはトドもいるのだが、ルシアさんはアザラシくんだけに夢中。
可哀想だがトドの出番はないらしい。
「そうだ。写真撮ってやろうか? アザラシと」
「入り口にダメって書いてあったけど!」
「フラッシュなしなら大丈夫なんだよ。このご時世、インスタ映えも出来ないようでは成り立たないのだ」
本当だぜ? ルシアさんが可愛いから特別にとかではない。気になるなら確認したらいいと思う。
今日は許可を得て借りてきたキャメラの出番がようやくあった。
正直、今まで存在を忘れていたのはナイショだ。
「撮ったら、次行くからな」
「名残惜しいけど分かったわ」
「よし。 ……だが、カメラが準備できてもアザラシくんが遠いな。これじゃあな。トドならすごく近いからトドにするか?」
写真を撮ってくれるのを待っているかのように近いトド。彼とならすぐにでも写真撮影できる。
サービス精神のないアザラシくんより、サービス精神あふれるトドの方が好感が持てる。怪獣なんだとしても。
「可愛くないから嫌。なんていうか……パパみたい」
「あー、分かる。言われてみると、おっさんたちもこんなイメージかもしれない。そうだな。おっさんたちと写真撮ってもしょうがないもんな」
「そうでしょ、やっぱりアザラシよ」
すまないトド。今のに全力で納得してしまったから、お前は他のカップルと写真を撮ってもらえ。
俺たちはアザラシくんが近寄ってくるのを待つよ。
※
アザラシくんとのベストショット撮影に時間と体力を大分使ってしまった。だが、これで3階の北の海エリアは制覇。
次は同じく3階。北の海エリアの真反対にある、熱帯アジアの水辺エリアも制覇した。
感想としては、『見るだけは見たがアロワナくらいしか覚えてない』だ。
アザラシくんにサービス精神が無かったため、俺が大分疲弊。ピンピンしているルシアさんとは対照的に、一度休憩を余儀なくされた。
そんな人気者のアザラシくんがいる3階には自販機コーナーがあり、そこのベンチで休憩していくらか体力を回復できた。
「うぉぉお、カメラが重い……。もうしまおう。こっからは写真撮るの、スマホのカメラでいいか?」
「写真になるなら一緒じゃないの? 同じカメラでしょ?」
……女の子ってこういうこと言うよね。一眼レフカメラとスマホのカメラじゃ違うでしょう!
しかし、女には理解されない男の世界なのかもしれない。理解されない世界であるから男の世界なんであり、それを理解してしまう女を、俺は女とは見れない。
例えば、カードゲーム好きな一愛とか。バイク好きなマコちゃんとか。名前だけ出てる人だとマキちゃんとかか。というか、マコちゃんとマキちゃんが被ってるな……。
彼女たちはキャラクター的にも被ってるし。それに命名も同じやつだ。
まあ、今そんなことを気にするだけ無駄だな。
「休憩はもういいわね? じゃあ、下に行きましょう!」
「ああ、大水槽に行こう。だけど、その前にどうしても見たいやつがいるんだ。先にそっちから回りたいんだけどいいか?」
「……珍しいわね。ここまで特に何も言わなかったのに」
「前はいなかったんだ。いや、海にはいたんだろうが水族館にはいなかった。有名でもなかったからな」
水族館初心者のルシアさんに合わせてここまでは来たが、俺はどうしても見たかったやつがいるんだ。
今日が俺1人だったなら、1階でエスカレーターには乗らずエレベーターで2階に行き、真っ先に見ていただろう。それで満足して帰っていたかもしれない。
うん? ああ、普通にエレベーターはあるだろう。
わざわざ4階にいかずとも、エレベーターで1階から好きな階に行けるよ。当たり前じゃん。
俺はルシアさんがいるから、きちんとしたルートで見て回っただけだよ。
現にあれだけいたバカップルたちに、3階でしか遭遇してないじゃない。
奴らも地元民だからな。ここへは何回も来てるだろうし、興味のないところには行かないよ。
1、2、3階が奴らの生息地だろう。中でも2階。大水槽があり、この水族館のメインである2階が一番混んでいると思われる。
※
やはり、バカップルたちは2階に大量に生息していた。薄暗いことをいいことにイチャイチャ、チュッチュしていた。
サンゴ礁の海、親潮アイスボックス、潮目の大水槽とある2階。大水槽は言うまでもなくスゴいが、残る2つも負けてはいない。
「ねぇ……これ? 見たかったのってこれ?」
そんな奴らには見向きもされないが、サンゴ礁の海エリア。その中の水槽の1つ。俺はこいつが見たかったんだ。
ルシアさんの反応も微妙なのが気になるけど。
「……──何もいないじゃない! 空よ、この水槽!」
「空ではないんだ。潜ってんだよ」
「ただの水にしか見えない。あたしもあっちに行きたい」
いるのは間違いないのに、ちっとも顔を出さない。
これでは何もいない水槽をずっと見ているヤバいやつである。ルシアさんの興味も尽きてるし、一旦他のやつを見てくるか。
「わかった。一旦離れよう。こっちにクリオネがいるらしいから見に行こう」
「……ちゃんといるやつ?」
「──いるよ! お前、見てビックリすんなよ!」
ったく、まあクリオネも見たかったしいいだろう。
クリオネも前はいなかったからな。親潮アイスボックスの方に……。
「──って、いる! 出てるぞ、チンアナゴ!」
「向こうに行くんじゃないの?!」
水槽を離れながら1回振り返ってみた。すると、いっさい姿を現さなかったチンアナゴたちが、ニョロニョロと出現していた。近寄らねば!
「はぁ? 何もいないじゃない……」
「いたんだよ。また、潜ってしまったんだよ!」
「……」
「本当にいるんだって! ニョロニョロしてたんだって!」
これを5回ほど繰り返し、ようやくルシアさんにもその姿を見せたチンアナゴ。
サービス精神があるのかないのか。わざとやっているのかいないのかは分からないが、見れたので良かった。何もいない水槽を見ているヤバいやつにならなくてよかった……。
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