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天使のホワイトデー 後編
天使ちゃんとお出かけ ③
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流石はデパート。見たかったものは全部見れた。逆に全部あり過ぎて迷ってしまうくらいだ。
マジでどうしよう……と。いや、本当にどうしよう。
ホワイトデーのお返し、(買うにしても貰った相手が困らず、役立ち、喜ばれる。しかし、それほど気合いが入っていてもいけない)を選ぶのは難しい。
これはルイさんとルシアさんには申し訳ないが、お菓子になるかもしれない。お菓子なら上の条件に合う。
気持ちがあればお菓子でもいいのかな?
実際のところ、その辺どうなの?
ちなみに、俺が手作りするのはバレンタインでやってるから、ホワイトデーのお菓子を手作りという選択肢はない。
また俺が作ったやつを貰っても嬉しくないかもだし。
そうなると、やはりお菓子か。それなりに値段のするやつにするのが一番か。うーむ……。
「パフェーっていうのね。冷たい。甘い。冷たい。サクサク。冷たい。これが層ごとに敷き詰められいる。層ごとに違うのが実に良く考えられているわ。パフェーはスゴいわね!」
「……パフェな。パフェーーじゃない」
上記のようなぐあいに、俺は今日の成果を確認しながら考え事をし、その俺の前の席ではミカが2杯目のパフェを食べている。
ひとしきりデパート内を見て回り、そろそろ帰ろうとミカと話していた。
しかし、結構付き合わせてしまったし、いてくれてかなり助かった。だから、お礼に何かご馳走しようとデパート内の飲食店に入った。
そこでメニューを見るなり、目をキラキラさせパフェに興味を示して今に至る。『おかわり』と言った時はマジかと思ったよ。マジで。
「こんなのを毎日食べられるなんてなんてズルい!」
お姫様もチョコレートの時に同じことを言っていた。
いつでも食べられるというのは、普段は意識した事はないがありがたいことらしい。かと言って、パフェなんて食べなくても生きられるけどね。
「毎日こんなの食ってたら死ぬよ? 甘さとカロリーで死ぬ。よくもこんな甘いものを2杯もムシャムシャできるよね。あれだけ試食しまくった後なのに」
「何を言ってるのよ。もう1種類も食べるわよ?」
「!?」
メニューにはパフェが3種類ある。天使ちゃんは現在その2種目を食べている。
更に、この後もう1種類も食べるつもりらしい。化け物め。
「それで決まったの。お返しは」
「迷っている。いや、もう分かんない。考えるほど分かんない」
「悩むのは意識してるからよね。どうでもいいやつは選べないと。そうね、今日見て回った物の中で選ぶとするなら……」
ミカはスプーンを口に運びながら、おもむろに核心をついてきた。
俺が黙り込んで考えていたから、いくらパフェに夢中でも分かりやすかったのだろう。
「やっぱり宝石じゃないの? あのピカピカのやつ」
「いくらすると思ってんだ」
「値段の問題じゃないわ。大事なのは気持ちよ!」
「それ、安いものの時に使うやつだよ。どうして宝石に使うんだよ。まず値段も問題だし、そんなん渡す気持ちも問題だよ。俺は普通にやりたいよ」
一応、通ったところにあったから宝石のショウケースも見てきた。
ミカの言った宝石とは、お手軽な価格のアクセサリーとは違いガチの宝石だ。
アクセサリーもお返しの候補としてはあったのだが、やっぱりお返しではない。そう判断した次第です。
それにアクセサリーなんてあげたことないし。ホワイトデーのお返しすら初めて渡すようなもんだし。
そして、そんなものを渡されたらどう反応されるのよ。告白と同じというか、バレンタインにチョコ渡してお返しが宝石って! そんなん無いだろ……。ないよね?
「キミ、自分はもうお返しを買ったから余裕だね」
「これはお土産よ。ルシアにもあげるけどね」
「はぁ? じゃあお前、お返しどうすんだよ?」
「作ってもらったんだからアタシも作るわよ。決まってるじゃない」
ええーっ、あの大量のお菓子は本当にお土産なんだ。てっきりお返しにするんだと思ってたのに。
品物が決まっていればあとは簡単だったのに。そこからやるとなると大変じゃん。
作ると言うということは、見て回っている中で何か思いついているのか? パフェを食べている様子からは全く何も感じられないけど。
「作ると言うが、何を作るのか決まってるのか? それは自分で出来るのか?」
「──全然! これから考えるわ!」
「ダメだこりゃ……」
ホワイトデーはバレンタインの轍を踏まないようにしなければならないようです。
今だから認めるが、バレンタインは準備が遅かった……。
始まるのも遅かったし、材料から調達したもんだからギリギリだったんだ。
今回もホワイトデーまで残り9日。材料調達を省けば余裕があるような気もする。
しかし、1日1日を大事にしていかないと駄目だ。
※
「──という訳なんです。ミカに何かお菓子を伝授してやってくだせえ。ほら、見てないでキミも頼んで」
「ルシアにも教えたんだからアタシにも教えて」
「なんだその言い草は! それが頼む側の言うことか! ルイさんだって忙しいんだぞ」
デパートから帰ってくるなりお隣にお邪魔している。
何故なら、頼りになる将来の夢はお菓子屋さん。現在はお菓子学校に通う、幼馴染大明神様がおられるからだ。
ホワイトデーの件を話し、バレンタインのように何かお菓子を伝授してもらおうと考えたのだ。
正直、俺はあまり乗り気ではないのはナイショだ。
「あっ、ルイにもお土産よ。美味しいからどうぞ」
「……あ、ありがとう」
「そうか。おばさまにも買ってくれば良かったわね。ここはアタシの分から、おばさまにも渡すしかないわね」
「いや、1つ貰えばじゅうぶんだよ。3人家族だから、みんなで食べられるし。で、本題なんだけど……お菓子を作るのは構わない。けど、少し忙しくて時間がとれない」
ああ、説明がなかったというか俺も知らなかったんだが、出かけにおばちゃんと遭遇した時に聞いた話しだ。
一愛が間に立ったことで仲良くなったらしいルイとミカ。ほら、俺がひな祭りをすっぽかしたろ? あの時だよ。
あの日、俺に連絡がつかない一愛は、最初にミカを呼んで来て、2人でそれはもう憤慨しながらルイの家である和菓子屋に、頼んでもあったひな祭りのお菓子を受け取りに来たらしい。
その際に俺の事をあーだこーだと、おっちゃんおばちゃんに話し、初めから一愛にお祝いのケーキを持ってくるつもりだったルイを連れ、我が家のひな祭りが開催された。
そういうわけでミカはおばちゃんとも顔見知りだったというわけだ。
どこで説明しようかと思ってたんだが、タイミングがあってよかった。
「そうなの? それじゃあ迷惑よね。分かったわ。ありがとう。レートに頼るから大丈夫よ」
「──全然大丈夫じゃないよ?! ルイ、忙しいって何? なんとかなんないの?」
何を言い出すのか……。
大丈夫ではないからこうして、ホワイトデー前にルイのところに来ているんだよ。
せめて、お返しを用意してからにしたかったのに。
「うーん、学校のことだからな。ちょっと無理だ」
そういえば……昨日もルイは制服で電車に乗っていた。あれは遊びに行くとかではなく、学校の用事だったのか。
土曜日まで学校に行くとか相当忙しいらしいな。
俺にはとても無理なことだ。絶対にサボる自信がある。
「今の時期だと入試関連とかか? お菓子学校だし、普通の学校とは違うもんな」
「まあ、そんなところだ。来週は入試で休みが入るだろ? その前にってなっててな。とりあえず水曜までは無理だ」
そうか。来週は受験で在校生は休みのところがほとんどだ。
俺も学校は火曜までで、あとはホワイトデーまで休みだ。
ルイのお菓子学校も普通科の授業はあるのだから、試験も普通にあるのだろう。
試験の日数に違いはあれど来週は休みになるのか。
「ミカ、お菓子はやめたらどうだ」
「お菓子って言ってるのはレートでしょ?」
「「んんっ?!」」
思わずルイと顔を見合わせてしまう。『どういうことだ?』『わからん』とテレパシーが通じる。
ここまで話しておいて今更だからね。
「アタシはお菓子を作るなんて言ってない。そりゃあ、ルシアみたいに作れたらいいなー、とは思うけど。学校で忙しいルイに迷惑をかけることもないわ」
じゃあ、どうするのよ……。
マジでどうしよう……と。いや、本当にどうしよう。
ホワイトデーのお返し、(買うにしても貰った相手が困らず、役立ち、喜ばれる。しかし、それほど気合いが入っていてもいけない)を選ぶのは難しい。
これはルイさんとルシアさんには申し訳ないが、お菓子になるかもしれない。お菓子なら上の条件に合う。
気持ちがあればお菓子でもいいのかな?
実際のところ、その辺どうなの?
ちなみに、俺が手作りするのはバレンタインでやってるから、ホワイトデーのお菓子を手作りという選択肢はない。
また俺が作ったやつを貰っても嬉しくないかもだし。
そうなると、やはりお菓子か。それなりに値段のするやつにするのが一番か。うーむ……。
「パフェーっていうのね。冷たい。甘い。冷たい。サクサク。冷たい。これが層ごとに敷き詰められいる。層ごとに違うのが実に良く考えられているわ。パフェーはスゴいわね!」
「……パフェな。パフェーーじゃない」
上記のようなぐあいに、俺は今日の成果を確認しながら考え事をし、その俺の前の席ではミカが2杯目のパフェを食べている。
ひとしきりデパート内を見て回り、そろそろ帰ろうとミカと話していた。
しかし、結構付き合わせてしまったし、いてくれてかなり助かった。だから、お礼に何かご馳走しようとデパート内の飲食店に入った。
そこでメニューを見るなり、目をキラキラさせパフェに興味を示して今に至る。『おかわり』と言った時はマジかと思ったよ。マジで。
「こんなのを毎日食べられるなんてなんてズルい!」
お姫様もチョコレートの時に同じことを言っていた。
いつでも食べられるというのは、普段は意識した事はないがありがたいことらしい。かと言って、パフェなんて食べなくても生きられるけどね。
「毎日こんなの食ってたら死ぬよ? 甘さとカロリーで死ぬ。よくもこんな甘いものを2杯もムシャムシャできるよね。あれだけ試食しまくった後なのに」
「何を言ってるのよ。もう1種類も食べるわよ?」
「!?」
メニューにはパフェが3種類ある。天使ちゃんは現在その2種目を食べている。
更に、この後もう1種類も食べるつもりらしい。化け物め。
「それで決まったの。お返しは」
「迷っている。いや、もう分かんない。考えるほど分かんない」
「悩むのは意識してるからよね。どうでもいいやつは選べないと。そうね、今日見て回った物の中で選ぶとするなら……」
ミカはスプーンを口に運びながら、おもむろに核心をついてきた。
俺が黙り込んで考えていたから、いくらパフェに夢中でも分かりやすかったのだろう。
「やっぱり宝石じゃないの? あのピカピカのやつ」
「いくらすると思ってんだ」
「値段の問題じゃないわ。大事なのは気持ちよ!」
「それ、安いものの時に使うやつだよ。どうして宝石に使うんだよ。まず値段も問題だし、そんなん渡す気持ちも問題だよ。俺は普通にやりたいよ」
一応、通ったところにあったから宝石のショウケースも見てきた。
ミカの言った宝石とは、お手軽な価格のアクセサリーとは違いガチの宝石だ。
アクセサリーもお返しの候補としてはあったのだが、やっぱりお返しではない。そう判断した次第です。
それにアクセサリーなんてあげたことないし。ホワイトデーのお返しすら初めて渡すようなもんだし。
そして、そんなものを渡されたらどう反応されるのよ。告白と同じというか、バレンタインにチョコ渡してお返しが宝石って! そんなん無いだろ……。ないよね?
「キミ、自分はもうお返しを買ったから余裕だね」
「これはお土産よ。ルシアにもあげるけどね」
「はぁ? じゃあお前、お返しどうすんだよ?」
「作ってもらったんだからアタシも作るわよ。決まってるじゃない」
ええーっ、あの大量のお菓子は本当にお土産なんだ。てっきりお返しにするんだと思ってたのに。
品物が決まっていればあとは簡単だったのに。そこからやるとなると大変じゃん。
作ると言うということは、見て回っている中で何か思いついているのか? パフェを食べている様子からは全く何も感じられないけど。
「作ると言うが、何を作るのか決まってるのか? それは自分で出来るのか?」
「──全然! これから考えるわ!」
「ダメだこりゃ……」
ホワイトデーはバレンタインの轍を踏まないようにしなければならないようです。
今だから認めるが、バレンタインは準備が遅かった……。
始まるのも遅かったし、材料から調達したもんだからギリギリだったんだ。
今回もホワイトデーまで残り9日。材料調達を省けば余裕があるような気もする。
しかし、1日1日を大事にしていかないと駄目だ。
※
「──という訳なんです。ミカに何かお菓子を伝授してやってくだせえ。ほら、見てないでキミも頼んで」
「ルシアにも教えたんだからアタシにも教えて」
「なんだその言い草は! それが頼む側の言うことか! ルイさんだって忙しいんだぞ」
デパートから帰ってくるなりお隣にお邪魔している。
何故なら、頼りになる将来の夢はお菓子屋さん。現在はお菓子学校に通う、幼馴染大明神様がおられるからだ。
ホワイトデーの件を話し、バレンタインのように何かお菓子を伝授してもらおうと考えたのだ。
正直、俺はあまり乗り気ではないのはナイショだ。
「あっ、ルイにもお土産よ。美味しいからどうぞ」
「……あ、ありがとう」
「そうか。おばさまにも買ってくれば良かったわね。ここはアタシの分から、おばさまにも渡すしかないわね」
「いや、1つ貰えばじゅうぶんだよ。3人家族だから、みんなで食べられるし。で、本題なんだけど……お菓子を作るのは構わない。けど、少し忙しくて時間がとれない」
ああ、説明がなかったというか俺も知らなかったんだが、出かけにおばちゃんと遭遇した時に聞いた話しだ。
一愛が間に立ったことで仲良くなったらしいルイとミカ。ほら、俺がひな祭りをすっぽかしたろ? あの時だよ。
あの日、俺に連絡がつかない一愛は、最初にミカを呼んで来て、2人でそれはもう憤慨しながらルイの家である和菓子屋に、頼んでもあったひな祭りのお菓子を受け取りに来たらしい。
その際に俺の事をあーだこーだと、おっちゃんおばちゃんに話し、初めから一愛にお祝いのケーキを持ってくるつもりだったルイを連れ、我が家のひな祭りが開催された。
そういうわけでミカはおばちゃんとも顔見知りだったというわけだ。
どこで説明しようかと思ってたんだが、タイミングがあってよかった。
「そうなの? それじゃあ迷惑よね。分かったわ。ありがとう。レートに頼るから大丈夫よ」
「──全然大丈夫じゃないよ?! ルイ、忙しいって何? なんとかなんないの?」
何を言い出すのか……。
大丈夫ではないからこうして、ホワイトデー前にルイのところに来ているんだよ。
せめて、お返しを用意してからにしたかったのに。
「うーん、学校のことだからな。ちょっと無理だ」
そういえば……昨日もルイは制服で電車に乗っていた。あれは遊びに行くとかではなく、学校の用事だったのか。
土曜日まで学校に行くとか相当忙しいらしいな。
俺にはとても無理なことだ。絶対にサボる自信がある。
「今の時期だと入試関連とかか? お菓子学校だし、普通の学校とは違うもんな」
「まあ、そんなところだ。来週は入試で休みが入るだろ? その前にってなっててな。とりあえず水曜までは無理だ」
そうか。来週は受験で在校生は休みのところがほとんどだ。
俺も学校は火曜までで、あとはホワイトデーまで休みだ。
ルイのお菓子学校も普通科の授業はあるのだから、試験も普通にあるのだろう。
試験の日数に違いはあれど来週は休みになるのか。
「ミカ、お菓子はやめたらどうだ」
「お菓子って言ってるのはレートでしょ?」
「「んんっ?!」」
思わずルイと顔を見合わせてしまう。『どういうことだ?』『わからん』とテレパシーが通じる。
ここまで話しておいて今更だからね。
「アタシはお菓子を作るなんて言ってない。そりゃあ、ルシアみたいに作れたらいいなー、とは思うけど。学校で忙しいルイに迷惑をかけることもないわ」
じゃあ、どうするのよ……。
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