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天使のホワイトデー 後編
天使ちゃんのヒミツ
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♢2♢
ルイを往復1分くらいの帰り道だが家まで送り届け、次も往復1分くらいの天使ちゃんを家まで送るべく自室に来た。
来たという言葉もおかしい気がするが、来た。
「で、どうして普通に天使ちゃんはいるの? あと、なんでまだアミカちゃんモードなの? それ、色違いとかの問題じゃないよね。もう完全に別人だよね?」
とはいえ1分くらいの距離だし。つーか自分で帰れるだろうし。
しかし、妹様からの言いつけだし。やらないと何されるか分からないし。それで嫌われたくないし。
というわけで、疑問を尋ねてから帰すことにした。
「ふかふかー、いいわねコレ。猫、猫か~」
自分に割り振られた黄緑の猫をもふり、顔をうずめる天使ちゃん。その仕草は大変可愛らしい。
……どっちが? 天使ちゃんだよ。わかれ。
「聞いてんのか? ぬいぐるみで遊んでないで、俺の疑問を解消してくれよ」
「──ぬいぐるみじゃないわ! この子には猫という名前があるのよ!」
「それは名前じゃないだろう……。猫はみんな猫って名前なわけがないでしょう。お前のは、『吾輩は猫である。名前はまだない』ってやつじゃねーか」
「猫というのは総称ということ? つまり個体名が必要ということね。いい名前を付けてあげるからね、猫」
ルイも喜んでいた。本当に女子に人気だな、あの猫。これはお姫様も喜んでくれるだろう。じゃなくて!
「猫の話はいいから! 俺の疑問に答えてください!」
「えー、もう帰りたいんだけど……」
「答えたくないと。聞かれては困るというわけか。しかし、そんなに嫌なのか? その髪と眼」
「そ、そんなことはないわよ」
嫌らしい。どうやらミカはその人間離れした、天使離れもしている銀色の髪と紅い瞳が嫌らしい。
コンプレックというやつだろうか?
「どうしてだ? 俺は、『あれはミカだ。ミカなんだ』って強く思ってないと、うっかり敬語になってしまうぞ。それにデレデレしてしまう。ズルいぞそんなの。あと、『中身がアミカちゃんだったらなー』とも思ってしまう」
「本人を目の前に正直過ぎるわね……。ビックリよ。でも、褒められても嬉しくないわ。アタシは普通が良かった。それこそルシアみたいにね」
「それじゃキャラ被りまくりじゃねーか」
2人並んだらどっちがどっちか分からないよ?
金色の姫が2人になってしまうし。
違うからこそいいというか、神々しいというか。マジ天使というかだ。
「ただでさえ姫と言われて扱いが特別なのよ? ……別に必要ないのに。その上これじゃあクラスでも浮きまくりの目立ちまくりよ! いちいち、周りの反応に気を使わなきゃいけないのよ! もっとサボりたいのに! もっと楽にいきたいのに!」
「それが本音じゃん……。頼むからアミカちゃんでいてください。俺の中の彼女のイメージが壊れていくから」
「レートまでそんなことを言う! それが疲れるのよー、嫌なのよー、もっと遊びたいのよー」
これは、出会ったころのルシアと同じか。
お姫様もお姫様を演じなくてはいけないと思っていた。それが自分に求められるものだと思い込んでだ。
だが、それは窮屈なだけだ。
偽って。隠してしているだけだ。自分を。
「そうか。ミカも意外と姫な悩みに困っているわけか。じゃあさ、あのガングロ? はそのせいか。というか、あれは焼いてたの?」
「そうよ。上は夜がないから日焼けなんてし放題よ。日差しも強いしね。あれならアタシとは分からないでしょ? 髪も同様よ。肌のついでに変わるの」
「わからない。完全に別の人じゃん」
「──でしょう! いい案だと考えたのよ。それなのにママは娘がグレたって天使長に相談するし。パパは天使長にいいように丸め込まれるし。天使長はアタシに特に厳しいし……」
目の前でミカの日焼けが浄化されなかったら、とてもではないが信じられない。
ああ、浄化というのは昨日説明を受けたんだ。
天使ビーム始め、天使スキルを発動するのには光が必要らしい。昨日は昼間だったし太陽光だな。んで、多くの光を集めるほどに浄化という力が強くなるんだ。
それは自身にも効果が及ぶほどになる。ちなみに、これは怪我を治したりにも使うらしい。
不浄なものを浄化する。これにより身体に本来不要な日焼けは消えたということらしい。
骨折の際も同様にだ。あの時も、ミカはアミカちゃん状態だったわけだ。すっかり騙されたよ。
これが天使ちゃんのヒミツだ! みんなも覚えよう!
「今日もそのままということは、もうそのままでいくのか?」
可愛いし可愛いが、精神的にだいぶ負担なので、黒いなら黒い方がいい。
今の白い状態も大変いいのだが、慣れないからな。中身は同じでも、一瞬これでいいのかと考えてしまうし。俺のためには黒い方がいい。
「天使長の顔が怖いから、しばらくはこのままでいるわ。ママもこっちの方がいいって言うし」
「俺は慣れるまで、『──あれはミカだ!』と思い続けないとダメか。辛いな」
「零斗さん。そんなこと仰らないで。私たち、お友達でしょう?」
「やめて、急にアミカちゃんにならないで! ズルいぞ。可愛いのは正義だが、それはズルい!」
これは本当に慣れるまで大変だ……。
意外とミカはからかうのが好きだし、事あるごとにこれでペースを乱されそうだ。困る。
「ふふふっ、これは使えるわね」
ミカが悪い顔をしている。これはいけない。
俺の疑問もだいたい解消したし、またイジられそうだし、そろそろお引き取り願おう。
「そろそろ、お姫様は寝る時間だから帰ろう。部屋までお送りしますのでこちらに」
「んーっ……嫌です。今度は私の番ですよ。実を言うと、私も聞きたい事があります」
「──だからやめてくれって!」
ルイを往復1分くらいの帰り道だが家まで送り届け、次も往復1分くらいの天使ちゃんを家まで送るべく自室に来た。
来たという言葉もおかしい気がするが、来た。
「で、どうして普通に天使ちゃんはいるの? あと、なんでまだアミカちゃんモードなの? それ、色違いとかの問題じゃないよね。もう完全に別人だよね?」
とはいえ1分くらいの距離だし。つーか自分で帰れるだろうし。
しかし、妹様からの言いつけだし。やらないと何されるか分からないし。それで嫌われたくないし。
というわけで、疑問を尋ねてから帰すことにした。
「ふかふかー、いいわねコレ。猫、猫か~」
自分に割り振られた黄緑の猫をもふり、顔をうずめる天使ちゃん。その仕草は大変可愛らしい。
……どっちが? 天使ちゃんだよ。わかれ。
「聞いてんのか? ぬいぐるみで遊んでないで、俺の疑問を解消してくれよ」
「──ぬいぐるみじゃないわ! この子には猫という名前があるのよ!」
「それは名前じゃないだろう……。猫はみんな猫って名前なわけがないでしょう。お前のは、『吾輩は猫である。名前はまだない』ってやつじゃねーか」
「猫というのは総称ということ? つまり個体名が必要ということね。いい名前を付けてあげるからね、猫」
ルイも喜んでいた。本当に女子に人気だな、あの猫。これはお姫様も喜んでくれるだろう。じゃなくて!
「猫の話はいいから! 俺の疑問に答えてください!」
「えー、もう帰りたいんだけど……」
「答えたくないと。聞かれては困るというわけか。しかし、そんなに嫌なのか? その髪と眼」
「そ、そんなことはないわよ」
嫌らしい。どうやらミカはその人間離れした、天使離れもしている銀色の髪と紅い瞳が嫌らしい。
コンプレックというやつだろうか?
「どうしてだ? 俺は、『あれはミカだ。ミカなんだ』って強く思ってないと、うっかり敬語になってしまうぞ。それにデレデレしてしまう。ズルいぞそんなの。あと、『中身がアミカちゃんだったらなー』とも思ってしまう」
「本人を目の前に正直過ぎるわね……。ビックリよ。でも、褒められても嬉しくないわ。アタシは普通が良かった。それこそルシアみたいにね」
「それじゃキャラ被りまくりじゃねーか」
2人並んだらどっちがどっちか分からないよ?
金色の姫が2人になってしまうし。
違うからこそいいというか、神々しいというか。マジ天使というかだ。
「ただでさえ姫と言われて扱いが特別なのよ? ……別に必要ないのに。その上これじゃあクラスでも浮きまくりの目立ちまくりよ! いちいち、周りの反応に気を使わなきゃいけないのよ! もっとサボりたいのに! もっと楽にいきたいのに!」
「それが本音じゃん……。頼むからアミカちゃんでいてください。俺の中の彼女のイメージが壊れていくから」
「レートまでそんなことを言う! それが疲れるのよー、嫌なのよー、もっと遊びたいのよー」
これは、出会ったころのルシアと同じか。
お姫様もお姫様を演じなくてはいけないと思っていた。それが自分に求められるものだと思い込んでだ。
だが、それは窮屈なだけだ。
偽って。隠してしているだけだ。自分を。
「そうか。ミカも意外と姫な悩みに困っているわけか。じゃあさ、あのガングロ? はそのせいか。というか、あれは焼いてたの?」
「そうよ。上は夜がないから日焼けなんてし放題よ。日差しも強いしね。あれならアタシとは分からないでしょ? 髪も同様よ。肌のついでに変わるの」
「わからない。完全に別の人じゃん」
「──でしょう! いい案だと考えたのよ。それなのにママは娘がグレたって天使長に相談するし。パパは天使長にいいように丸め込まれるし。天使長はアタシに特に厳しいし……」
目の前でミカの日焼けが浄化されなかったら、とてもではないが信じられない。
ああ、浄化というのは昨日説明を受けたんだ。
天使ビーム始め、天使スキルを発動するのには光が必要らしい。昨日は昼間だったし太陽光だな。んで、多くの光を集めるほどに浄化という力が強くなるんだ。
それは自身にも効果が及ぶほどになる。ちなみに、これは怪我を治したりにも使うらしい。
不浄なものを浄化する。これにより身体に本来不要な日焼けは消えたということらしい。
骨折の際も同様にだ。あの時も、ミカはアミカちゃん状態だったわけだ。すっかり騙されたよ。
これが天使ちゃんのヒミツだ! みんなも覚えよう!
「今日もそのままということは、もうそのままでいくのか?」
可愛いし可愛いが、精神的にだいぶ負担なので、黒いなら黒い方がいい。
今の白い状態も大変いいのだが、慣れないからな。中身は同じでも、一瞬これでいいのかと考えてしまうし。俺のためには黒い方がいい。
「天使長の顔が怖いから、しばらくはこのままでいるわ。ママもこっちの方がいいって言うし」
「俺は慣れるまで、『──あれはミカだ!』と思い続けないとダメか。辛いな」
「零斗さん。そんなこと仰らないで。私たち、お友達でしょう?」
「やめて、急にアミカちゃんにならないで! ズルいぞ。可愛いのは正義だが、それはズルい!」
これは本当に慣れるまで大変だ……。
意外とミカはからかうのが好きだし、事あるごとにこれでペースを乱されそうだ。困る。
「ふふふっ、これは使えるわね」
ミカが悪い顔をしている。これはいけない。
俺の疑問もだいたい解消したし、またイジられそうだし、そろそろお引き取り願おう。
「そろそろ、お姫様は寝る時間だから帰ろう。部屋までお送りしますのでこちらに」
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「──だからやめてくれって!」
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