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天使のホワイトデー
それほど寒くない夜の出来事
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♢16♢
ガブリエルさんからもらったわずかなヒント。それを俺の神がかった推理力で解き明かし、真実へとたどり着いた。
ふっ──、真実は今日も1つ!
……はっ?
お前は答えを教えてもらってたじゃないか?
お、俺の記憶とは違うなーー。
みんな夢でも見てたんじゃない。あるいは幻想とか?
まぁ、話が進むんだからどちらでもいいと思うよ。この件に関して、これ以上の質問は受け付けません。
そんなわけで話は進んでいる……んだ。
「……」
急降下したゴンドラの恐怖をこの上なく体験し、上へのボタンを破壊したことを『俺が!』怒られ、セバスにガブリエルさんから教えていただいたことを伝えた。あっ、教えてもらったって言ってしまった……。
「プロデューサー殿。もう少しお待ちを」
その結果、俺の部屋(異世界ではない)に、現在クソ執事がいる。何故かは俺も聞きたい。
さっき、セバスが何処かに電話したのは見ていた。しかし『どうしてコイツが?』って思いました。
電話をしていたセバスに、部屋に戻っていろと言われた俺は、大人しく部屋へと帰ったんだ。
そうしたら大して時間も経たずに、我が家のインターフォンが鳴った。珍しいことに対応したのは俺だ。
一愛もいないし、パパンとママンはまだ店の方。つまり家には、俺しか来客に対応する人がいない状況だったからだ。
だが、何故にコイツ!? あと他の家族が出た場合!
どこの誰だと言えばいいのよー。あと何で住所知ってるのよー。そしてどこから来たのよー。
それらを全て無視してずかずかと家に上がりこみ、ナナシくんは何やら作業を始めた。
ちなみに俺は現在、部屋を追い出されて廊下にいる。ナナシくんに、『中を絶対に見ないように!』と言われているからだ。
鶴の恩返しかよ……。と感想を述べたくはある。何も恩を返されることはしてないんだけどねー。
「今日はそれほど寒くはないが、そろそろ廊下は辛いぞ。いつまでかかんだ? つーか、キミはいったい何をやってんの?」
いい加減に体が寒くなってもくる時間だ。
ああ、『終わるまで違う部屋にいればいいんじゃないの?』という意見もあるとは思うが、あんな胡散臭いヤツを自室に放置できるか?
無理だろう。見張ってなくてはいけないだろう。
「おーい、俺はもう結構な時間こうしているんだけど?」
「ヒ・ミ・ツ」
「おい、クソ執事。俺は貴様を10回は殺そうと思っている。部屋が汚れるのが嫌だったが、この際仕方ない。ちょっと待ってろ。お隣に行って武器を借りてくるから。そして血祭りにあげてやる」
舐めた反応をしたクソ執事をぶっ殺して、お姫様の部屋の窓から捨てよう。
まずルイにあらかじめメールして、アレを貸してくれと伝えておく。次に借りたらすぐに戻ってこれるようにしてから、──ダッシュ!
往復1分以内に戻ってきてクソ執事を殺す!
「──すまんなルイ。少し木刀を貸してくれ」
ここまで20秒というところだろう。
往復しても40秒。20秒も余る!
「もうやるよ……それ。一愛もだけど何なんだよ」
「たまに必要になるんだ。そう言ってくれるなら、ありがたくいただきますね。じゃあまたね!」
「待て、零斗。少し話がある」
えっ、ここで呼び止められると1分以内に戻れなくなってしまうんだが……実は俺もルイに頼みたいことがあったんだった。
まずはレディファーストで。
「なんだ?」
「ヒメちゃんから大体の話は聞いた。ケーキも問題ない。でも、ヒメちゃんが謝るのか?」
「俺もそう思ったけど、本人がそう言うんだからしょうがないだろう。それに、ミカにもちゃんと謝らせるよ。今度こそ仲直りさせる」
「わかった。出来ることがあったら手伝ってやるから言えよ」
ルイちゃん。派手目な見た目とは違い、超優しい。お友達は大事にするタイプ。
そして、その申し出も非常に有難い。
俺から言い出す手間も省けた。お友達を大事にするルイだが、妹分も大事にされているんだ。そっちを頼もう。
「なら早速で悪いが頼みたいことがある。一愛のお雛様を飾るのを手伝ってやってくれ。中途半端のままになってんだが、ヒメちゃんたちがいないならやらないと頑なでな。知ってのとおり、俺の言うことなんて聞き入れないのです」
ウチのお雛様は今年はまだ上しか飾られてない。一愛は一愛で、あの事に責任を感じているらしい。
あと、俺の言うことなんてまったく聞かない……。
「今日28日なのにか!? お前らは何やってんだよ。今、一愛はいるか?」
「いや、帰ってきてないと思う。受験前だし塾とかじゃないのか?」
あれでも、いちおう受験生なんだ。
普段からあまり、というか何も俺には相談されないので、どこを受験するとかも知らないんだけどね。
兄妹なのにね。おかしいだろ?
「……お前、知らないのか?」
「……何を?」
まさかとは思うが、ルイは俺が知らないことを知っているのだろうか?
だとしたら俺はいったい何なんでしょう。
「──はっ!?」
今すげー、気になるところだったんだが、俺の部屋から変な音がした。そして、ここから見える2階の自室の窓から変な色の光が溢れている。
それに同じくらいのタイミングで気づいた俺たちは、同じところを同じように見上げている。
「「…………」」
何て言って誤魔化そう……。
あのクソ執事は本当に何をやっているんだろう。
「今の部屋の照明か? だいぶ変な色だったけど。音はなん──」
「──そうなんだよ! 不良品みたいでさ。たまにああなるんだ。あれを元のやつに戻さなくちゃいけなかったんだ。というわけなんで、またな!」
「おい! ちょっとま──」
あのクソ執事がーーーーっ!
人様の部屋で一体何をしてやがんだ!
「──クソ執事! 貴様は何をやってる! ご近所さんに俺は何て言えばいいんだ。本当に何をやってんだ。おまえは……」
慌てて部屋へと戻った俺の目に飛び込んできたのは、机の引き出しに身体の半分が入っている、クソ執事の姿だった。上半身が見えない。
「まさか……これは……。アレか?」
自分でも分かるくらいにぎこちなく、机からクローゼットへと視線を移す。嫌な予感がするな。
ナナシくんの上半身が消えているのが手品なら許そう。だが、そうでない場合。アレじゃないかな?
ガブリエルさんが言っていた、俺が異世界へ行く方法ってのはそういうことなのかい。
──ち、違うよね?
「ふう、これでよし!」
「良しじゃねーよ! これはアレか。まさかアレか!?」
「──はい!」
なんということでしょう。匠により、俺の机の引き出しも異世界へと繋がったようです。
ただでさえクローゼットも、異世界に通じているというのにです。更に机の引き出しまで?!
「どうして俺に許可を取らない!」
「言ったら嫌だと言うでしょう?」
「言うに決まってんだろ! なんなんだよー、俺の部屋はどうなっていくの? ねぇ、答えてよ。もしくは戻せ! 元に戻せや!」
こんなの全然嬉しくない。
分かるか? プライベートな空間のはずなのに、急に誰かがそこから出てくるかもしれないんだよ。
しかも、主にそれは女子。あー、もう!
許可を取れよ。部屋の主人にことわれよーー!
「プロデューサー殿が言ったんじゃありませんか。姫に会いたいと。もう辛抱たまらんと」
「言ってねーよ! いや……ミカに会いたいとは言ったかもしれないが、最後の部分!」
「それでは私はこれで失礼します。これからは気軽においでくださいませ」
言うだけ言ってクソ執事は帰ろうとする。
俺の背後にあるドアからではなく、自分が繋げた机の引き出しからだ。
「逃すか。貴様は殺す!」
「ちょ──、壊れたらどうするんですか! 取り返しのつかないことになりますよ!」
「もう取り返しがつかねーだろうが! それと頭からいくなよ。タイムマシンに乗るのにだって、そんな入り方してるヤツ見たことないわ!」
足から入った場合、頭を木刀でブン殴ってやったが、頭からいかれたら一度引っ張り出すしかない。
すねに一撃したくらいでは収まりがつかない!
ガチャリ──
「れーと、ただいまー。ミカちゃんの件は進展あった…………」
──バタン
「何で閉めた!? 一愛ちゃん。一愛ちゃんてば!」
急に部屋に入ってきた妹が言葉を途中で止め、部屋のドアも閉めた。足音は去っていっている。
俺は頭が見えない執事の下半身に背後から掴みかかっている状態ではあるけど……──それだ! 追いかけねば!
「なんか勘違いしてない。何もしてない。というか何もしようがないよ」
「いちかはなにもみてないよ? ごゆっくりどうぞ」
「だから違ーーーーう!」
クソ執事のせいだ。だが、この誤解は何としても解かなくてはいけない。
あのクソ執事は後で殺す。今は妹を追いかけよう!
ガブリエルさんからもらったわずかなヒント。それを俺の神がかった推理力で解き明かし、真実へとたどり着いた。
ふっ──、真実は今日も1つ!
……はっ?
お前は答えを教えてもらってたじゃないか?
お、俺の記憶とは違うなーー。
みんな夢でも見てたんじゃない。あるいは幻想とか?
まぁ、話が進むんだからどちらでもいいと思うよ。この件に関して、これ以上の質問は受け付けません。
そんなわけで話は進んでいる……んだ。
「……」
急降下したゴンドラの恐怖をこの上なく体験し、上へのボタンを破壊したことを『俺が!』怒られ、セバスにガブリエルさんから教えていただいたことを伝えた。あっ、教えてもらったって言ってしまった……。
「プロデューサー殿。もう少しお待ちを」
その結果、俺の部屋(異世界ではない)に、現在クソ執事がいる。何故かは俺も聞きたい。
さっき、セバスが何処かに電話したのは見ていた。しかし『どうしてコイツが?』って思いました。
電話をしていたセバスに、部屋に戻っていろと言われた俺は、大人しく部屋へと帰ったんだ。
そうしたら大して時間も経たずに、我が家のインターフォンが鳴った。珍しいことに対応したのは俺だ。
一愛もいないし、パパンとママンはまだ店の方。つまり家には、俺しか来客に対応する人がいない状況だったからだ。
だが、何故にコイツ!? あと他の家族が出た場合!
どこの誰だと言えばいいのよー。あと何で住所知ってるのよー。そしてどこから来たのよー。
それらを全て無視してずかずかと家に上がりこみ、ナナシくんは何やら作業を始めた。
ちなみに俺は現在、部屋を追い出されて廊下にいる。ナナシくんに、『中を絶対に見ないように!』と言われているからだ。
鶴の恩返しかよ……。と感想を述べたくはある。何も恩を返されることはしてないんだけどねー。
「今日はそれほど寒くはないが、そろそろ廊下は辛いぞ。いつまでかかんだ? つーか、キミはいったい何をやってんの?」
いい加減に体が寒くなってもくる時間だ。
ああ、『終わるまで違う部屋にいればいいんじゃないの?』という意見もあるとは思うが、あんな胡散臭いヤツを自室に放置できるか?
無理だろう。見張ってなくてはいけないだろう。
「おーい、俺はもう結構な時間こうしているんだけど?」
「ヒ・ミ・ツ」
「おい、クソ執事。俺は貴様を10回は殺そうと思っている。部屋が汚れるのが嫌だったが、この際仕方ない。ちょっと待ってろ。お隣に行って武器を借りてくるから。そして血祭りにあげてやる」
舐めた反応をしたクソ執事をぶっ殺して、お姫様の部屋の窓から捨てよう。
まずルイにあらかじめメールして、アレを貸してくれと伝えておく。次に借りたらすぐに戻ってこれるようにしてから、──ダッシュ!
往復1分以内に戻ってきてクソ執事を殺す!
「──すまんなルイ。少し木刀を貸してくれ」
ここまで20秒というところだろう。
往復しても40秒。20秒も余る!
「もうやるよ……それ。一愛もだけど何なんだよ」
「たまに必要になるんだ。そう言ってくれるなら、ありがたくいただきますね。じゃあまたね!」
「待て、零斗。少し話がある」
えっ、ここで呼び止められると1分以内に戻れなくなってしまうんだが……実は俺もルイに頼みたいことがあったんだった。
まずはレディファーストで。
「なんだ?」
「ヒメちゃんから大体の話は聞いた。ケーキも問題ない。でも、ヒメちゃんが謝るのか?」
「俺もそう思ったけど、本人がそう言うんだからしょうがないだろう。それに、ミカにもちゃんと謝らせるよ。今度こそ仲直りさせる」
「わかった。出来ることがあったら手伝ってやるから言えよ」
ルイちゃん。派手目な見た目とは違い、超優しい。お友達は大事にするタイプ。
そして、その申し出も非常に有難い。
俺から言い出す手間も省けた。お友達を大事にするルイだが、妹分も大事にされているんだ。そっちを頼もう。
「なら早速で悪いが頼みたいことがある。一愛のお雛様を飾るのを手伝ってやってくれ。中途半端のままになってんだが、ヒメちゃんたちがいないならやらないと頑なでな。知ってのとおり、俺の言うことなんて聞き入れないのです」
ウチのお雛様は今年はまだ上しか飾られてない。一愛は一愛で、あの事に責任を感じているらしい。
あと、俺の言うことなんてまったく聞かない……。
「今日28日なのにか!? お前らは何やってんだよ。今、一愛はいるか?」
「いや、帰ってきてないと思う。受験前だし塾とかじゃないのか?」
あれでも、いちおう受験生なんだ。
普段からあまり、というか何も俺には相談されないので、どこを受験するとかも知らないんだけどね。
兄妹なのにね。おかしいだろ?
「……お前、知らないのか?」
「……何を?」
まさかとは思うが、ルイは俺が知らないことを知っているのだろうか?
だとしたら俺はいったい何なんでしょう。
「──はっ!?」
今すげー、気になるところだったんだが、俺の部屋から変な音がした。そして、ここから見える2階の自室の窓から変な色の光が溢れている。
それに同じくらいのタイミングで気づいた俺たちは、同じところを同じように見上げている。
「「…………」」
何て言って誤魔化そう……。
あのクソ執事は本当に何をやっているんだろう。
「今の部屋の照明か? だいぶ変な色だったけど。音はなん──」
「──そうなんだよ! 不良品みたいでさ。たまにああなるんだ。あれを元のやつに戻さなくちゃいけなかったんだ。というわけなんで、またな!」
「おい! ちょっとま──」
あのクソ執事がーーーーっ!
人様の部屋で一体何をしてやがんだ!
「──クソ執事! 貴様は何をやってる! ご近所さんに俺は何て言えばいいんだ。本当に何をやってんだ。おまえは……」
慌てて部屋へと戻った俺の目に飛び込んできたのは、机の引き出しに身体の半分が入っている、クソ執事の姿だった。上半身が見えない。
「まさか……これは……。アレか?」
自分でも分かるくらいにぎこちなく、机からクローゼットへと視線を移す。嫌な予感がするな。
ナナシくんの上半身が消えているのが手品なら許そう。だが、そうでない場合。アレじゃないかな?
ガブリエルさんが言っていた、俺が異世界へ行く方法ってのはそういうことなのかい。
──ち、違うよね?
「ふう、これでよし!」
「良しじゃねーよ! これはアレか。まさかアレか!?」
「──はい!」
なんということでしょう。匠により、俺の机の引き出しも異世界へと繋がったようです。
ただでさえクローゼットも、異世界に通じているというのにです。更に机の引き出しまで?!
「どうして俺に許可を取らない!」
「言ったら嫌だと言うでしょう?」
「言うに決まってんだろ! なんなんだよー、俺の部屋はどうなっていくの? ねぇ、答えてよ。もしくは戻せ! 元に戻せや!」
こんなの全然嬉しくない。
分かるか? プライベートな空間のはずなのに、急に誰かがそこから出てくるかもしれないんだよ。
しかも、主にそれは女子。あー、もう!
許可を取れよ。部屋の主人にことわれよーー!
「プロデューサー殿が言ったんじゃありませんか。姫に会いたいと。もう辛抱たまらんと」
「言ってねーよ! いや……ミカに会いたいとは言ったかもしれないが、最後の部分!」
「それでは私はこれで失礼します。これからは気軽においでくださいませ」
言うだけ言ってクソ執事は帰ろうとする。
俺の背後にあるドアからではなく、自分が繋げた机の引き出しからだ。
「逃すか。貴様は殺す!」
「ちょ──、壊れたらどうするんですか! 取り返しのつかないことになりますよ!」
「もう取り返しがつかねーだろうが! それと頭からいくなよ。タイムマシンに乗るのにだって、そんな入り方してるヤツ見たことないわ!」
足から入った場合、頭を木刀でブン殴ってやったが、頭からいかれたら一度引っ張り出すしかない。
すねに一撃したくらいでは収まりがつかない!
ガチャリ──
「れーと、ただいまー。ミカちゃんの件は進展あった…………」
──バタン
「何で閉めた!? 一愛ちゃん。一愛ちゃんてば!」
急に部屋に入ってきた妹が言葉を途中で止め、部屋のドアも閉めた。足音は去っていっている。
俺は頭が見えない執事の下半身に背後から掴みかかっている状態ではあるけど……──それだ! 追いかけねば!
「なんか勘違いしてない。何もしてない。というか何もしようがないよ」
「いちかはなにもみてないよ? ごゆっくりどうぞ」
「だから違ーーーーう!」
クソ執事のせいだ。だが、この誤解は何としても解かなくてはいけない。
あのクソ執事は後で殺す。今は妹を追いかけよう!
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