20 / 101
天使のホワイトデー
バレンタインを教える ②
しおりを挟む
なんな様子がおかしい、姫と執事。
ポンコツ姫は毎度の勘違いによるものだが、執事については原因不明だ。
何故、天使にお姫様からバレンタインにチョコレートが贈られてきたのか。その答えにたどり着いた執事の様子が、どうにも変なんだ。
「──もったいぶらないで教えなさいよ! アンタたちだけ分かってもしょうがないじゃない!」
「まさにその通りだ。勘違いの姫様」
「こ、これは……そう書いてあるんだから、間違えたって仕方ないじゃない!」
「そうだねー」
勘違いで赤い顔の勘違いの姫は、すぐに得意の暴力に訴えようとするが、狭いプレハブ内では思ったように力は発揮できないらしく、俺はいわれのない暴力を受けずにすんだ。
まったく俺の周りの女たちは、すぐに手が出るヤツが多い! 暴力反対!
「座って。ちゃんと説明するから座って!」
しかし、俺も発言に気をつければな。
ちょっと言えばすぐに、もはや条件反射的に手が飛んでくる。彼女たちを逆なでしないように気をつけてよう。
「あとで覚えてなさいよ」
くそーーっ、あとも気をつけないとダメなのか。天使はしつこいな。そういうところ直したほうがいいと思う。
せっかく発言に気をつけようと思ったのに、結局やられんじゃん。無意味だったわ。
「……話を戻そう。まず、これは俺の推察であり実際にはミカの言うように、お姫様が天使を好きだと、愛しているという可能性もないとは言いきれない」
「──困るわ。それは困る!」
「じゃあキレんなよ。それは違うと教えてやったんだからさ。しかし、その可能性はひじょーーに、低いと思われる」
「えっ……そうなの?」
どうして、あからさまに残念そうなんだよ。
どっちなんだよ。好きなのか好きじゃないのか、お前はどっちがいいんだよ。
「好きな異性にチョコレートをあげるのがバレンタイン。だが、今はそれだけではないんだ。義理チョコとか友チョコとかが存在する」
資料のないみんなに説明すると、友チョコも義理チョコの派生である。他にも世話チョコ、ファミチョコ、部下チョコなどなどが存在し、贈る人によって名前が変わる。
全部。義理チョコだと思うって? まぁ、そうだな。義理もいろいろあるということだろう。
「義理チョコ? 友チョコ?」
「これを天使に当てはめた場合、義理チョコよりかは友チョコだと思われる。友だち同士で贈るチョコ。一般的には友チョコには恋愛感情は含まれないとされており、仮に特別な感情があったとするなら……俺は直接渡すと思う」
おそらく、お姫様はそうするだろう。手紙つけて贈りはしないと思う。
だから友チョコ。『チョコレート美味しいから食べてみて』ってことだと思う。
「そうなんだ……」
「だからなんで残念そうなんだよ。好きなの?」
「──そんなわけないでしょう! アタシがルシアを好きなわけないじゃない! ルシアが……アタシを好きなことは……あるかもしれないけど……」
うそへたー、もう分かってるからいいけどね。
まったく困ったやつだ。それを少しでも、本人に態度で示せばいいのに。そうしたら百合百合してくるのに……いや、誰も得しないから却下だな。
「さて、先ほどから顔色が良くないナナシくん。キミは、──何を隠している! お前なんか隠してんじゃねーのか!?」
百合百合とかツンデレ姫はしばらく放っておいて、怪しい執事を締め上げなくては。
初めから胡散臭いヤツだと俺は思っていたんだ。尻尾を出させてやる!
「……まさか、私のせいでこんな事になるなんて思わなくて。あの時、姫が包みを持ち走り去ったのを、直ぐに追いかけていたなら! そう考えてしまい……ずっと後悔しております。よよよ……」
「『よよよ』の部分。お前、そんなキャラじゃないだろう。なんだその小芝居わ。怪しさが増しただけだ!」
この執事が『よよよ』なんて言うヤツには見えない。というか、そんなこと言うヤツを初めて見た。
「いいのよ。アンタが悪いんじゃないわ。アタシが悪いのよ。いつもいつも忠告を聞かないアタシが悪いのよ。だから気にしないで」
だが、何故だかミカは今の執事の反応に納得し、自分が悪いと言い出した。
いや、天使が全部悪いんだけどさ。いつも忠告を聞いてなさそうだけどさ。
「……いや、そいつ何か隠してるぞ? それでいいのか?」
「いいのよ! ナナシは悪くない。全部悪いのはアタシなのよーーっ」
そう言ってテーブルに顔をつけ、また泣き出す天使。
またか、天使はよく泣くね。感情が出やすい子だよね。良くも悪くもね。
「──姫! 私もルシア様との仲直りを、微力ながらお手伝いいたします。だから泣かないでください!」
「うん。やっぱりアンタはいいヤツね」
本人がいいというならいいけどさ……。たぶん、騙されてると思うよ。
間違いなく、この執事は何かを隠している。
※
「資料をふまえて、説明できる限りのバレンタインを説明した。何か質問は?」
執事は怪しいが、こいつがどうだったとして解決はしない。なので一時保留し、バレンタインのあれこれを講義した。
「はいはい! アタシたちもバレンタインやりたいです!」
「天使たちでもということか……。いいんじゃない? 必要ならチョコレートは提供してやろう」
「おぉー、じゃあ来年からはやりましょう!」
あれからすっかり機嫌が直った天使。
この様子なら、このあとシバかれる危険もないだろう。よかった。
「プロデューサー殿。チョコレートを提供とはどのように?」
「チョコレート工場を作る。というか、もう始まったいる。毎日チョコレートを食べたい姫がいるからな。なんなら作り方は伝授したし、城のシェフも作れるぞ? 工場は広めるのに必要だから作る」
「……そんな事をして何をなさるおつもりで?」
「世界を変える。つまらなくない世界にする。何もない世界に、俺たちと変わらないくらいの生活をもたらす。それにはイベントをやっていくのがいいと思った」
俺の言葉に、ミカは『おぉーー』と再びもらし、執事はひどく驚いた顔をした。
「それでバレンタインでしたか」
「そうだ。2月だったからバレンタインだった」
「そして世界を変えるですか。おそらく大変ですよ?」
「知ったことか。俺は、やると決めたらやる。チョコレート1つで俺の世界観は変わったし、関わった人たちも変わったはずだ。なら、それを繰り返していけば世界なんてどうとでもなる」
そんな感じでやっていく! ゆくゆくは『異世界とは?』ってなるくらいを目指す!
そんな俺の思う普通になった時、あらゆる意味で世界は変わっているだろう。
「感動したわ! アタシは、レートは妹に頭が上がらないダメなヤツだと。三股最低男なんだと思ってた。でも、違ったのね! アタシに出来ることがあったらいいなさい。チョコレートを融通してくれるお礼に協力するから」
「なぜ急に悪口を? 後半部分は有難い。しかし、前半はいらないなーー。悪口はいらないよ」
今、カッコいいところだったよね? 普通はいい感じになるところなんじゃないの?
「妹に頭が上がらないのは本当じゃないの」
そうなんだよ。天使が言うように、俺がお兄ちゃんなんだけどお兄ちゃんとも呼ばれないし、何か扱いもアレだし、絶対に頭なんて上がらないんだよ。不思議な事にね。
便宜上、お兄ちゃんということなんだよ。これ、どうにかならないかな?
「妹に頭が上がらない三股プロデューサー殿。ならば、この機会を逃す手はないでしょう!」
「なんだ、お前も悪口か。やんのか? 断っておくが、俺は野郎には厳しいぞ!」
「今のは冗談です。しかし、窮地にこそ逆転の鍵はあるものです!」
急に何の話だろう。この機会とは? 姫たちの不仲が何の役に立つの?
やっぱりこいつ、あたまおかしいんじゃ……。
「実を言うと、未だに天使悪魔間にはシコリがあります。簡単に言うと、急に仲良くはできないというわけです」
「どっかで聞いたような話だね」
「しかし、その両方の姫が仲良し。もう親友となればどうでしょう。下はそれに倣うしかない」
「「……親友……」」
確かにそれは誰も文句も言えないし、何より姫が怖いから何も言えないだろう。
今だって、睨みをきかせて下を黙らせるくらいのことはできるし。姫ってそういう生き物だし。
「仲違いを上手く利用すれば、プロデューサー殿のやりたい事も大きく前進するでしょう! その機会があるのだから、この機を逃すのはもったいないでしょう!」
天使については人気がどんなもんか分からないが、執事が言うようなことをアピールしたとしてもこっちは大丈夫だ。
お姫様はみんなに愛されている。その証たる信者が多数いるからね。そのお姫様が『天使と仲良く』と言えば、信者たちは右に倣うだろう。
「つまり、この姫たちの仲違いを利用し、関係修復プラス仲良しさんをアピールしろというわけだな。なるほどなるほど……アレとかアレとかも一気に解決できるかもしれないな」
「──そうでしょう、そうでしょう」
「しかし、悪魔よ。俺はやらないぞ。本当にそうで、仲がいいのをアピールするだけなら構わない。だがな。そのために仲良くしてくれって言うのは違うと思う。俺はそんな考え方はできないし、そんなのは親友どころか友達ですらない。お姫様たちの関係を政治に利用するなんてしない。お前の話は参考までに聞いておくよ」
執事の言うことは分かる。
それが一番早く進める道だとも思う。
でも、そんなやり方はしない。
ルシアもミカエラもちゃんと仲直りできるはずだ。
それを世界のためとか言って無理矢理やろうというのなら、そんなのは間違っている。
ポンコツ姫は毎度の勘違いによるものだが、執事については原因不明だ。
何故、天使にお姫様からバレンタインにチョコレートが贈られてきたのか。その答えにたどり着いた執事の様子が、どうにも変なんだ。
「──もったいぶらないで教えなさいよ! アンタたちだけ分かってもしょうがないじゃない!」
「まさにその通りだ。勘違いの姫様」
「こ、これは……そう書いてあるんだから、間違えたって仕方ないじゃない!」
「そうだねー」
勘違いで赤い顔の勘違いの姫は、すぐに得意の暴力に訴えようとするが、狭いプレハブ内では思ったように力は発揮できないらしく、俺はいわれのない暴力を受けずにすんだ。
まったく俺の周りの女たちは、すぐに手が出るヤツが多い! 暴力反対!
「座って。ちゃんと説明するから座って!」
しかし、俺も発言に気をつければな。
ちょっと言えばすぐに、もはや条件反射的に手が飛んでくる。彼女たちを逆なでしないように気をつけてよう。
「あとで覚えてなさいよ」
くそーーっ、あとも気をつけないとダメなのか。天使はしつこいな。そういうところ直したほうがいいと思う。
せっかく発言に気をつけようと思ったのに、結局やられんじゃん。無意味だったわ。
「……話を戻そう。まず、これは俺の推察であり実際にはミカの言うように、お姫様が天使を好きだと、愛しているという可能性もないとは言いきれない」
「──困るわ。それは困る!」
「じゃあキレんなよ。それは違うと教えてやったんだからさ。しかし、その可能性はひじょーーに、低いと思われる」
「えっ……そうなの?」
どうして、あからさまに残念そうなんだよ。
どっちなんだよ。好きなのか好きじゃないのか、お前はどっちがいいんだよ。
「好きな異性にチョコレートをあげるのがバレンタイン。だが、今はそれだけではないんだ。義理チョコとか友チョコとかが存在する」
資料のないみんなに説明すると、友チョコも義理チョコの派生である。他にも世話チョコ、ファミチョコ、部下チョコなどなどが存在し、贈る人によって名前が変わる。
全部。義理チョコだと思うって? まぁ、そうだな。義理もいろいろあるということだろう。
「義理チョコ? 友チョコ?」
「これを天使に当てはめた場合、義理チョコよりかは友チョコだと思われる。友だち同士で贈るチョコ。一般的には友チョコには恋愛感情は含まれないとされており、仮に特別な感情があったとするなら……俺は直接渡すと思う」
おそらく、お姫様はそうするだろう。手紙つけて贈りはしないと思う。
だから友チョコ。『チョコレート美味しいから食べてみて』ってことだと思う。
「そうなんだ……」
「だからなんで残念そうなんだよ。好きなの?」
「──そんなわけないでしょう! アタシがルシアを好きなわけないじゃない! ルシアが……アタシを好きなことは……あるかもしれないけど……」
うそへたー、もう分かってるからいいけどね。
まったく困ったやつだ。それを少しでも、本人に態度で示せばいいのに。そうしたら百合百合してくるのに……いや、誰も得しないから却下だな。
「さて、先ほどから顔色が良くないナナシくん。キミは、──何を隠している! お前なんか隠してんじゃねーのか!?」
百合百合とかツンデレ姫はしばらく放っておいて、怪しい執事を締め上げなくては。
初めから胡散臭いヤツだと俺は思っていたんだ。尻尾を出させてやる!
「……まさか、私のせいでこんな事になるなんて思わなくて。あの時、姫が包みを持ち走り去ったのを、直ぐに追いかけていたなら! そう考えてしまい……ずっと後悔しております。よよよ……」
「『よよよ』の部分。お前、そんなキャラじゃないだろう。なんだその小芝居わ。怪しさが増しただけだ!」
この執事が『よよよ』なんて言うヤツには見えない。というか、そんなこと言うヤツを初めて見た。
「いいのよ。アンタが悪いんじゃないわ。アタシが悪いのよ。いつもいつも忠告を聞かないアタシが悪いのよ。だから気にしないで」
だが、何故だかミカは今の執事の反応に納得し、自分が悪いと言い出した。
いや、天使が全部悪いんだけどさ。いつも忠告を聞いてなさそうだけどさ。
「……いや、そいつ何か隠してるぞ? それでいいのか?」
「いいのよ! ナナシは悪くない。全部悪いのはアタシなのよーーっ」
そう言ってテーブルに顔をつけ、また泣き出す天使。
またか、天使はよく泣くね。感情が出やすい子だよね。良くも悪くもね。
「──姫! 私もルシア様との仲直りを、微力ながらお手伝いいたします。だから泣かないでください!」
「うん。やっぱりアンタはいいヤツね」
本人がいいというならいいけどさ……。たぶん、騙されてると思うよ。
間違いなく、この執事は何かを隠している。
※
「資料をふまえて、説明できる限りのバレンタインを説明した。何か質問は?」
執事は怪しいが、こいつがどうだったとして解決はしない。なので一時保留し、バレンタインのあれこれを講義した。
「はいはい! アタシたちもバレンタインやりたいです!」
「天使たちでもということか……。いいんじゃない? 必要ならチョコレートは提供してやろう」
「おぉー、じゃあ来年からはやりましょう!」
あれからすっかり機嫌が直った天使。
この様子なら、このあとシバかれる危険もないだろう。よかった。
「プロデューサー殿。チョコレートを提供とはどのように?」
「チョコレート工場を作る。というか、もう始まったいる。毎日チョコレートを食べたい姫がいるからな。なんなら作り方は伝授したし、城のシェフも作れるぞ? 工場は広めるのに必要だから作る」
「……そんな事をして何をなさるおつもりで?」
「世界を変える。つまらなくない世界にする。何もない世界に、俺たちと変わらないくらいの生活をもたらす。それにはイベントをやっていくのがいいと思った」
俺の言葉に、ミカは『おぉーー』と再びもらし、執事はひどく驚いた顔をした。
「それでバレンタインでしたか」
「そうだ。2月だったからバレンタインだった」
「そして世界を変えるですか。おそらく大変ですよ?」
「知ったことか。俺は、やると決めたらやる。チョコレート1つで俺の世界観は変わったし、関わった人たちも変わったはずだ。なら、それを繰り返していけば世界なんてどうとでもなる」
そんな感じでやっていく! ゆくゆくは『異世界とは?』ってなるくらいを目指す!
そんな俺の思う普通になった時、あらゆる意味で世界は変わっているだろう。
「感動したわ! アタシは、レートは妹に頭が上がらないダメなヤツだと。三股最低男なんだと思ってた。でも、違ったのね! アタシに出来ることがあったらいいなさい。チョコレートを融通してくれるお礼に協力するから」
「なぜ急に悪口を? 後半部分は有難い。しかし、前半はいらないなーー。悪口はいらないよ」
今、カッコいいところだったよね? 普通はいい感じになるところなんじゃないの?
「妹に頭が上がらないのは本当じゃないの」
そうなんだよ。天使が言うように、俺がお兄ちゃんなんだけどお兄ちゃんとも呼ばれないし、何か扱いもアレだし、絶対に頭なんて上がらないんだよ。不思議な事にね。
便宜上、お兄ちゃんということなんだよ。これ、どうにかならないかな?
「妹に頭が上がらない三股プロデューサー殿。ならば、この機会を逃す手はないでしょう!」
「なんだ、お前も悪口か。やんのか? 断っておくが、俺は野郎には厳しいぞ!」
「今のは冗談です。しかし、窮地にこそ逆転の鍵はあるものです!」
急に何の話だろう。この機会とは? 姫たちの不仲が何の役に立つの?
やっぱりこいつ、あたまおかしいんじゃ……。
「実を言うと、未だに天使悪魔間にはシコリがあります。簡単に言うと、急に仲良くはできないというわけです」
「どっかで聞いたような話だね」
「しかし、その両方の姫が仲良し。もう親友となればどうでしょう。下はそれに倣うしかない」
「「……親友……」」
確かにそれは誰も文句も言えないし、何より姫が怖いから何も言えないだろう。
今だって、睨みをきかせて下を黙らせるくらいのことはできるし。姫ってそういう生き物だし。
「仲違いを上手く利用すれば、プロデューサー殿のやりたい事も大きく前進するでしょう! その機会があるのだから、この機を逃すのはもったいないでしょう!」
天使については人気がどんなもんか分からないが、執事が言うようなことをアピールしたとしてもこっちは大丈夫だ。
お姫様はみんなに愛されている。その証たる信者が多数いるからね。そのお姫様が『天使と仲良く』と言えば、信者たちは右に倣うだろう。
「つまり、この姫たちの仲違いを利用し、関係修復プラス仲良しさんをアピールしろというわけだな。なるほどなるほど……アレとかアレとかも一気に解決できるかもしれないな」
「──そうでしょう、そうでしょう」
「しかし、悪魔よ。俺はやらないぞ。本当にそうで、仲がいいのをアピールするだけなら構わない。だがな。そのために仲良くしてくれって言うのは違うと思う。俺はそんな考え方はできないし、そんなのは親友どころか友達ですらない。お姫様たちの関係を政治に利用するなんてしない。お前の話は参考までに聞いておくよ」
執事の言うことは分かる。
それが一番早く進める道だとも思う。
でも、そんなやり方はしない。
ルシアもミカエラもちゃんと仲直りできるはずだ。
それを世界のためとか言って無理矢理やろうというのなら、そんなのは間違っている。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説


【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。


〈完結〉前世と今世、合わせて2度目の白い結婚ですもの。場馴れしておりますわ。
ごろごろみかん。
ファンタジー
「これは白い結婚だ」
夫となったばかりの彼がそう言った瞬間、私は前世の記憶を取り戻した──。
元華族の令嬢、高階花恋は前世で白い結婚を言い渡され、失意のうちに死んでしまった。それを、思い出したのだ。前世の記憶を持つ今のカレンは、強かだ。
"カーター家の出戻り娘カレンは、貴族でありながら離婚歴がある。よっぽど性格に難がある、厄介な女に違いない"
「……なーんて言われているのは知っているけど、もういいわ!だって、私のこれからの人生には関係ないもの」
白魔術師カレンとして、お仕事頑張って、愛猫とハッピーライフを楽しみます!
☆恋愛→ファンタジーに変更しました
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる