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帰り道の怪
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私は深夜1時に終わる仕事をもう10年くらい続けている。これはそんな私の帰り道での体験談になります。
田舎だし深夜。国道だろうと車通りもほぼなく、スイスイと帰れる約20分ほどの帰り道での体験です。
それも毎日のように通るいつもの道での体験なんですよね……。
職場から国道に出て真っ直ぐ進み、陸橋を渡るルートか渡らないルートの2つが帰り道の候補になります。
そして主に私は陸橋を渡る裏道のルートを選択します。
これが何故かと言えば渡らないルートは真っ直ぐが続きますがどこかで踏切を渡る必要があり、若干ではありますが遠回りになるからです。
だったら陸橋を渡り真っ暗な道を行ってでも、早く家に到着したいのです。
この日もコンビニの角の信号を左折して裏通りに入り、市内のスーパーの大型店の前を通り、陸橋を渡るつもりでハンドルを切りました。
そんな私の前にはカップルが乗った青い車が1台。
どうして前の車がカップルだとわかったかと言いますと、歩行者信号が点滅していたので私は「行けないな……」とスピードを緩め余裕を持って信号機で止まったのですが、このカップルの車はそんな私の前に割り込んできやがったのです。
その際に助手席の女性と運転席の男性を見たというわけです。まぁ、カップルかどうかはまったく話に関係ないのですが、時間も時間ですからまずカップルでしょう。
大事なのは片側一車線の道で前に一台いたというところと、私には追い越し禁止で追い越すという選択肢がなかったところです。
私は時間から当然閉まっているスーパーが近づいた時点からそれに気づいていました。
前の車のハイビームがはっきり映し出していたからです。
スーパーの端にあるリサイクルボックスの前、スーパーと道路との間にある歩道にそれはいました……。
近くには民家もあるしアパートもあります。深夜にゴミ捨てに行く人を見た事もあります。
しかし、一見すると人に見えるそれは明らかに毛色が違っていたのです。
それは顔が見えないくらい長い黒髪に、真っ白なワンピース、足元は裸足な女でした。
そんな出立ちが四つん這いでいました。
長い髪の毛は地面にべたりとつき、道路を渡ろうとでもするようにお尻の方を持ち上げ、今にも走り出しそうな感じでした。
私ははっきり見たそれに「やばい」と瞬時に感じたのですがそこで止まれるわけもなく、「前に一台いるしこのまま行こう!」とアクセルを踏みスピードを上げました。
当然、前の車にも見えているだろうと思ったのです。
しかし前の車はスピードがまったく上がらず、私は「えっ、ウソ、見えてない!?」と前の車と、見てはいけないとわかっていても動き出しそうな横とを交互に見てしまいました。
女と目が合わなかったのが幸いだったと思います。
それでもこのパターンで最悪なのは女がついてくるパターンですので、リサイクルボックスが背後にいってからもバックミラーで女が動いていないのを確認し、「アクセル踏め、早く行けや!」と一人で怒鳴り散らしてしまいました。
そして陸橋を渡り田んぼ道になった辺りで私は煽られていると思われたらしく、カップルの車はハザードをつけ左に寄って停車したので、私は遠慮なく追い越してバックミラーは見ずに家に帰りました。
煽ったわけじゃないんです。カップルさんごめんなさい。
さて、もしあなたがこんな体験をした場合、家にペットがいるならたとえ寝ていようと叩き起こして反応を見てください。
何かついてきてしまっているなら、吠えるなり威嚇するなりしてくれると思いますので。
それはそれでマズいですが、その場合はペットを近くに置いて寝てください。
ちなみに我が家のワンワンは嫌そうな顔をするだけで特に反応しませんでした。
私についてきていなかったことに本当に安心しました。
ですので、ひょっとするとあのカップルに……。
──なんて、あるわけないんです!
だってあの女はスーパー向かいの弁当屋とケーキ屋の奥にある、アパートの一室に向かう途中だったのですから……。
先日。昼間に久しぶりに裏道を通った時です。
陸橋前の信号が赤でちょうど女がいた辺りで私の車は止まり、隣の友達をビビらせようとこの話をしようとした私は、何故だか右側を見てある事に気づきました。
女のいた位置はケーキ屋の奥にあったアパートの一室のドアの真正面だったのです。
私はそのアパートの存在をその時まで知らず、女がどこに行こうとしていのかを知りゾッとしました。
もちろんこの話はしていません。怖いので。
田舎だし深夜。国道だろうと車通りもほぼなく、スイスイと帰れる約20分ほどの帰り道での体験です。
それも毎日のように通るいつもの道での体験なんですよね……。
職場から国道に出て真っ直ぐ進み、陸橋を渡るルートか渡らないルートの2つが帰り道の候補になります。
そして主に私は陸橋を渡る裏道のルートを選択します。
これが何故かと言えば渡らないルートは真っ直ぐが続きますがどこかで踏切を渡る必要があり、若干ではありますが遠回りになるからです。
だったら陸橋を渡り真っ暗な道を行ってでも、早く家に到着したいのです。
この日もコンビニの角の信号を左折して裏通りに入り、市内のスーパーの大型店の前を通り、陸橋を渡るつもりでハンドルを切りました。
そんな私の前にはカップルが乗った青い車が1台。
どうして前の車がカップルだとわかったかと言いますと、歩行者信号が点滅していたので私は「行けないな……」とスピードを緩め余裕を持って信号機で止まったのですが、このカップルの車はそんな私の前に割り込んできやがったのです。
その際に助手席の女性と運転席の男性を見たというわけです。まぁ、カップルかどうかはまったく話に関係ないのですが、時間も時間ですからまずカップルでしょう。
大事なのは片側一車線の道で前に一台いたというところと、私には追い越し禁止で追い越すという選択肢がなかったところです。
私は時間から当然閉まっているスーパーが近づいた時点からそれに気づいていました。
前の車のハイビームがはっきり映し出していたからです。
スーパーの端にあるリサイクルボックスの前、スーパーと道路との間にある歩道にそれはいました……。
近くには民家もあるしアパートもあります。深夜にゴミ捨てに行く人を見た事もあります。
しかし、一見すると人に見えるそれは明らかに毛色が違っていたのです。
それは顔が見えないくらい長い黒髪に、真っ白なワンピース、足元は裸足な女でした。
そんな出立ちが四つん這いでいました。
長い髪の毛は地面にべたりとつき、道路を渡ろうとでもするようにお尻の方を持ち上げ、今にも走り出しそうな感じでした。
私ははっきり見たそれに「やばい」と瞬時に感じたのですがそこで止まれるわけもなく、「前に一台いるしこのまま行こう!」とアクセルを踏みスピードを上げました。
当然、前の車にも見えているだろうと思ったのです。
しかし前の車はスピードがまったく上がらず、私は「えっ、ウソ、見えてない!?」と前の車と、見てはいけないとわかっていても動き出しそうな横とを交互に見てしまいました。
女と目が合わなかったのが幸いだったと思います。
それでもこのパターンで最悪なのは女がついてくるパターンですので、リサイクルボックスが背後にいってからもバックミラーで女が動いていないのを確認し、「アクセル踏め、早く行けや!」と一人で怒鳴り散らしてしまいました。
そして陸橋を渡り田んぼ道になった辺りで私は煽られていると思われたらしく、カップルの車はハザードをつけ左に寄って停車したので、私は遠慮なく追い越してバックミラーは見ずに家に帰りました。
煽ったわけじゃないんです。カップルさんごめんなさい。
さて、もしあなたがこんな体験をした場合、家にペットがいるならたとえ寝ていようと叩き起こして反応を見てください。
何かついてきてしまっているなら、吠えるなり威嚇するなりしてくれると思いますので。
それはそれでマズいですが、その場合はペットを近くに置いて寝てください。
ちなみに我が家のワンワンは嫌そうな顔をするだけで特に反応しませんでした。
私についてきていなかったことに本当に安心しました。
ですので、ひょっとするとあのカップルに……。
──なんて、あるわけないんです!
だってあの女はスーパー向かいの弁当屋とケーキ屋の奥にある、アパートの一室に向かう途中だったのですから……。
先日。昼間に久しぶりに裏道を通った時です。
陸橋前の信号が赤でちょうど女がいた辺りで私の車は止まり、隣の友達をビビらせようとこの話をしようとした私は、何故だか右側を見てある事に気づきました。
女のいた位置はケーキ屋の奥にあったアパートの一室のドアの真正面だったのです。
私はそのアパートの存在をその時まで知らず、女がどこに行こうとしていのかを知りゾッとしました。
もちろんこの話はしていません。怖いので。
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