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しゅわしゅわはじける思い(ラムネ)
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寒さが一層増して
カーディガンだけでは寒くなる頃
平穏だった日常の歯車が崩れだした。
発端は、そらの失念だった。
年末の旅行をさとると茉莉と
立てたとき、愛ちゃんと会うはずの
金曜日を予定に入れてしまったのだ。
その日は大晦日で今年最後愛ちゃんに
会うことになっていた。
Denny'sで夕食を食べている時に
その事に気がついた。
「大晦日は愛ちゃんは、実家に帰るの?」
とそらは聞いた。
愛ちゃんは、カルボナーラを
フォークでくるくる巻いていたが
その手が一瞬止まった。
「あれ?大晦日、
一緒に初詣に行くって
言ってた……よね?」
言い終わったあと、
カルボナーラを口に運ぶ。
そらは、一瞬止まって
自分のエビグラタンをみつめた。
正確にはエビグラタンと
自分の隙間をぼんやり見ていた。
愛ちゃんとの約束を忘れて
恋人との旅行の計画を
入れてしまったのだ。
これはまずい。そらのなかで、
色々な言い訳を考えては、
打ち消し、ものすごいスピードで
脳内を活性化させた。
そして出てきた言葉は……
「ごめん。忘れてた。」
怒られるのを承知で謝るしかなかった。
どんな言い訳をしても愛ちゃんの
納得を得るのは難しかったからだ。
「あーーー…いいですよ。
実家に帰らないと親寂しがるし。
やっぱ元旦はお節とお雑煮食べないと!」
そう言って愛ちゃんは
伏し目がちになった。
会話が減ると、食物がすぐ
食べ終わる。
お互いカルボナーラも
エビグラタンも食べ終わり
更なる沈黙が訪れた。
「珈琲とってくるね。そらさんも
なんか飲む?」
気まずいと思ったのか、
ドリンクバーにいく愛ちゃん。
「ホットココア頼みます。
ありがとう~」と頼んだ。
珈琲とホットココアをもって
席に戻った愛ちゃんは笑顔で
いつもの愛ちゃんだった。
それからはたわい無い話をして、
それぞれ家に帰った。
家に帰ってから、
Denny'sでのやり取りを
頭に回想していた。
愛ちゃんの気持ちになると
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
もう一度自分の予定に
目を通した。
12月30日は旅行前だけど
一日フリーだ。
愛ちゃんは、28日から休みだと
言っていたからワンチャンある。
ダメ元で聞いてみよう。
結果はOKだった。
大晦日の前の日に愛ちゃんと
会う約束をして、
その日は愛ちゃんが
行きたい場所に行ってデートをして、
過ごすことにした。
ラインで《どこに行きたいか、
考えておいてね。楽しみにしてるね》
と伝えると、
《やったぁー!
行きたい所は京都だけど
一日じゃ無理だから考えておくね!》
と返信が来た。
以前京都の街に憧れがあって
寺院とか古風な建物が好きという話は
聞いていた。
本当に行きたい場所なんだろうと
そらは思った。
ーーいつか2人で行けたらいいな。ーー
シュワシュワと淡い弾けるような
感情があった。
甘いけどどこかしみるような
痛い気持ちだ。
いつかーーーという言葉は、
フラグが立ちそうな気配がある。
それでシュワシュワするのか。
思えばそらは、
さとるに浮気をされた時に
傷つけられその時に恋愛感情は
分からなくなり、
好きでいようと自分の心を
コントロールしようとした。
茉莉には親友のような
居なくなったら不安という
恋愛感情とはまた違った感情を
抱いてるのかもしれない。
今、本当に好きなのは
愛ちゃんなのかもしれない。
でも、全てを捨てて愛ちゃんを
愛することができない自分が
腹立たしさもあり
純粋な恋愛をできない自分が
ずるく汚れているものに思えた。
12月30日二日前になっても
愛ちゃんからどこに行きたいか
具体的な返事がなかった。
そして、差し迫った前日に来た内容は
こうだった。
《そらさんが作るパスタが食べたいです。
その後はうちでのんびり2人で過ごしたい。》
こうして、お家デートを
することになった。
愛ちゃんと向き合うことは
きっと、自分の本当の気持ちと、
向き合うことだろう。
一種の覚悟のようなものを
持ちながら、その日を待った。
カーディガンだけでは寒くなる頃
平穏だった日常の歯車が崩れだした。
発端は、そらの失念だった。
年末の旅行をさとると茉莉と
立てたとき、愛ちゃんと会うはずの
金曜日を予定に入れてしまったのだ。
その日は大晦日で今年最後愛ちゃんに
会うことになっていた。
Denny'sで夕食を食べている時に
その事に気がついた。
「大晦日は愛ちゃんは、実家に帰るの?」
とそらは聞いた。
愛ちゃんは、カルボナーラを
フォークでくるくる巻いていたが
その手が一瞬止まった。
「あれ?大晦日、
一緒に初詣に行くって
言ってた……よね?」
言い終わったあと、
カルボナーラを口に運ぶ。
そらは、一瞬止まって
自分のエビグラタンをみつめた。
正確にはエビグラタンと
自分の隙間をぼんやり見ていた。
愛ちゃんとの約束を忘れて
恋人との旅行の計画を
入れてしまったのだ。
これはまずい。そらのなかで、
色々な言い訳を考えては、
打ち消し、ものすごいスピードで
脳内を活性化させた。
そして出てきた言葉は……
「ごめん。忘れてた。」
怒られるのを承知で謝るしかなかった。
どんな言い訳をしても愛ちゃんの
納得を得るのは難しかったからだ。
「あーーー…いいですよ。
実家に帰らないと親寂しがるし。
やっぱ元旦はお節とお雑煮食べないと!」
そう言って愛ちゃんは
伏し目がちになった。
会話が減ると、食物がすぐ
食べ終わる。
お互いカルボナーラも
エビグラタンも食べ終わり
更なる沈黙が訪れた。
「珈琲とってくるね。そらさんも
なんか飲む?」
気まずいと思ったのか、
ドリンクバーにいく愛ちゃん。
「ホットココア頼みます。
ありがとう~」と頼んだ。
珈琲とホットココアをもって
席に戻った愛ちゃんは笑顔で
いつもの愛ちゃんだった。
それからはたわい無い話をして、
それぞれ家に帰った。
家に帰ってから、
Denny'sでのやり取りを
頭に回想していた。
愛ちゃんの気持ちになると
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
もう一度自分の予定に
目を通した。
12月30日は旅行前だけど
一日フリーだ。
愛ちゃんは、28日から休みだと
言っていたからワンチャンある。
ダメ元で聞いてみよう。
結果はOKだった。
大晦日の前の日に愛ちゃんと
会う約束をして、
その日は愛ちゃんが
行きたい場所に行ってデートをして、
過ごすことにした。
ラインで《どこに行きたいか、
考えておいてね。楽しみにしてるね》
と伝えると、
《やったぁー!
行きたい所は京都だけど
一日じゃ無理だから考えておくね!》
と返信が来た。
以前京都の街に憧れがあって
寺院とか古風な建物が好きという話は
聞いていた。
本当に行きたい場所なんだろうと
そらは思った。
ーーいつか2人で行けたらいいな。ーー
シュワシュワと淡い弾けるような
感情があった。
甘いけどどこかしみるような
痛い気持ちだ。
いつかーーーという言葉は、
フラグが立ちそうな気配がある。
それでシュワシュワするのか。
思えばそらは、
さとるに浮気をされた時に
傷つけられその時に恋愛感情は
分からなくなり、
好きでいようと自分の心を
コントロールしようとした。
茉莉には親友のような
居なくなったら不安という
恋愛感情とはまた違った感情を
抱いてるのかもしれない。
今、本当に好きなのは
愛ちゃんなのかもしれない。
でも、全てを捨てて愛ちゃんを
愛することができない自分が
腹立たしさもあり
純粋な恋愛をできない自分が
ずるく汚れているものに思えた。
12月30日二日前になっても
愛ちゃんからどこに行きたいか
具体的な返事がなかった。
そして、差し迫った前日に来た内容は
こうだった。
《そらさんが作るパスタが食べたいです。
その後はうちでのんびり2人で過ごしたい。》
こうして、お家デートを
することになった。
愛ちゃんと向き合うことは
きっと、自分の本当の気持ちと、
向き合うことだろう。
一種の覚悟のようなものを
持ちながら、その日を待った。
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