352 / 359
もふもふの都開国編
351話 もふもふ散策 その6
しおりを挟む
「おーい。風花、足りない材料持って来てやったぞ」
さらに、追加で現れる。
ゆるふわの白髪、頭に角の生えた――一見少女にしか見えない人物、その正体は何千年と生きる最強種のドラゴンである。
「師匠までいるのっ?!」
「にはは、どっきりびっくり大成功っ!」
「今度、迎えに行くって招待状――マジックレター送ったよねっ!? どっきりびっくり通り越して他人の空似かと思ったよっ!」
「落ち着け、妾ほど可愛い空似などいるわけがないだろう。貴様に迎えに来てもらわなくとも、妾が翼となって飛んで来る方が遥かに早い」
えぇ、背中に誰か乗せるの――アレだけ嫌がってたのに?
白雪も出会った当初から大分変わったなぁ。無論、悪い意味ではないのだが――驚くべきことはまだあった。
「師匠、風花さん、なんで普通に商売してるの?」
「安心しろ。貴様の国のルール通り、正式な露店の許可証は持っているぞ」
「それはありがとう。いや、そういう意味で聞いたんじゃなくて」
「クーラ殿、サンサンの唐揚げ串が爆売れなのだ。露店の売上ランキングは確認しているだろうか? 常に1位~2位を争っているのだぞ。この大陸の通貨もガッポガッポ、白雪殿と一緒にビッグな店舗でも構えようかと考えてもいる」
風花さんがドヤ顔で言う。
なんか、キャラ――変わった? 通貨がガッポガッポなんて、絶対口にする人じゃなかったよね。
白雪は揚げ立ての唐揚げ串を手に取り、
「クーラ、ナコ、妾たち自慢の唐揚げ串を食ってみろ。ここにいるということは腹が減っているのだろう」
「ドラゴンさん、ありがとうございます」
出来立て、僕とナコは早速とばかりに頬張り、
「んんー、ジュワッとしてますっ!」
「美味い、美味すぎるっ! シンプルな塩だけの味付けが――肉本来の良さを引き立てているっ! 以前サンサンで同じものを食べたことはあるけれど、これは完全に別種といっても過言じゃないっ!! 油が多いにも関わらず、二口目に重たいという感覚が全くないのも称賛の一言に尽きるっ!」
「ふっ、まだ驚くのは早い。合わせて――これも食ってみろ」
白雪がおにぎりを手渡す。
こんなの文句なし最強の組み合わせじゃないか。
しかも、この綺麗なフォルムには見覚えがある。
「ま、まさか、風花さんの手作り?」
「さすが、クーラ殿だな。数量限定ではあるが、セット販売をしている。売れ行きは絶好調なんだぞ」
「クーラ、風花が握った――風花がだぞ? 妾の言っている意味がわかるだろう」
「……なるほど、一理ある」
「し、白雪殿、それは言い過ぎだ」
風花さんが照れ笑いする。
「言い過ぎではない。貴様は美人、人間の雄共からしたら――風花が触れた、汗が混入したというだけでも付加価値となる」
「……それを殿方が喜ぶとなると、普通に怖いのだが」
一変、風花さんが真っ青になる。
萌太郎さん情報か、一方向に偏り過ぎにもほどがある。
確かに、一部の趣向をお持ちの方にはウケるかもしれない。
この点についてはノーコメント、下手に会話に参加すると手痛い目に合いそうなのでスルーする。
しかし、二人共――商魂逞しい。
「風花さん、紅桜組の仕事は大丈夫なんですか?」
「家出して来た」
「へぇー、それなら問題な――家出っ?!」
「ああ、家出だ」
問題だらけの発言が飛び出すのであった。
さらに、追加で現れる。
ゆるふわの白髪、頭に角の生えた――一見少女にしか見えない人物、その正体は何千年と生きる最強種のドラゴンである。
「師匠までいるのっ?!」
「にはは、どっきりびっくり大成功っ!」
「今度、迎えに行くって招待状――マジックレター送ったよねっ!? どっきりびっくり通り越して他人の空似かと思ったよっ!」
「落ち着け、妾ほど可愛い空似などいるわけがないだろう。貴様に迎えに来てもらわなくとも、妾が翼となって飛んで来る方が遥かに早い」
えぇ、背中に誰か乗せるの――アレだけ嫌がってたのに?
白雪も出会った当初から大分変わったなぁ。無論、悪い意味ではないのだが――驚くべきことはまだあった。
「師匠、風花さん、なんで普通に商売してるの?」
「安心しろ。貴様の国のルール通り、正式な露店の許可証は持っているぞ」
「それはありがとう。いや、そういう意味で聞いたんじゃなくて」
「クーラ殿、サンサンの唐揚げ串が爆売れなのだ。露店の売上ランキングは確認しているだろうか? 常に1位~2位を争っているのだぞ。この大陸の通貨もガッポガッポ、白雪殿と一緒にビッグな店舗でも構えようかと考えてもいる」
風花さんがドヤ顔で言う。
なんか、キャラ――変わった? 通貨がガッポガッポなんて、絶対口にする人じゃなかったよね。
白雪は揚げ立ての唐揚げ串を手に取り、
「クーラ、ナコ、妾たち自慢の唐揚げ串を食ってみろ。ここにいるということは腹が減っているのだろう」
「ドラゴンさん、ありがとうございます」
出来立て、僕とナコは早速とばかりに頬張り、
「んんー、ジュワッとしてますっ!」
「美味い、美味すぎるっ! シンプルな塩だけの味付けが――肉本来の良さを引き立てているっ! 以前サンサンで同じものを食べたことはあるけれど、これは完全に別種といっても過言じゃないっ!! 油が多いにも関わらず、二口目に重たいという感覚が全くないのも称賛の一言に尽きるっ!」
「ふっ、まだ驚くのは早い。合わせて――これも食ってみろ」
白雪がおにぎりを手渡す。
こんなの文句なし最強の組み合わせじゃないか。
しかも、この綺麗なフォルムには見覚えがある。
「ま、まさか、風花さんの手作り?」
「さすが、クーラ殿だな。数量限定ではあるが、セット販売をしている。売れ行きは絶好調なんだぞ」
「クーラ、風花が握った――風花がだぞ? 妾の言っている意味がわかるだろう」
「……なるほど、一理ある」
「し、白雪殿、それは言い過ぎだ」
風花さんが照れ笑いする。
「言い過ぎではない。貴様は美人、人間の雄共からしたら――風花が触れた、汗が混入したというだけでも付加価値となる」
「……それを殿方が喜ぶとなると、普通に怖いのだが」
一変、風花さんが真っ青になる。
萌太郎さん情報か、一方向に偏り過ぎにもほどがある。
確かに、一部の趣向をお持ちの方にはウケるかもしれない。
この点についてはノーコメント、下手に会話に参加すると手痛い目に合いそうなのでスルーする。
しかし、二人共――商魂逞しい。
「風花さん、紅桜組の仕事は大丈夫なんですか?」
「家出して来た」
「へぇー、それなら問題な――家出っ?!」
「ああ、家出だ」
問題だらけの発言が飛び出すのであった。
10
お気に入りに追加
416
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる