333 / 384
もふもふの都開国編
332話 殲滅戦 その6
しおりを挟む
最深部の広間に到達する。
まずは様子見、僕たちは遠目にてシークレットの実物を確認する。
丸い個体、直径は20メートルにも及ぶであろうほどの巨体であった。
驚くべきことに、本体にも大きな赤い瞳が二つ付いている。
僕たちの気配を察してか警戒してか、8本首は全て本体を守るかのよう――周りで蠢いている。
モンスターも大量、決めた作戦通り――僕とライカで雑魚処理、ホムラはシークレットに集中、ポンズは脱出時に向けての後方支援でいく。
女性陣は本体の姿を見て身震いしながら、
「普通にキモい。ライカ戦うのやだなぁ」
「……生理的に受け付けない形をしている」
「うげげ。ソラちゃん、やっぱり私は待機組でいい?」
「ホムラの格好いいところ見たいなぁ」
「えー、仕方ないなぁ」
「ホムちんチョロすぎてウケる」
各々、戦闘準備をする。
しかし、シークレットの姿――どこかで見た記憶がある。
いや、見た記憶があるというよりはなにかに似ているといった方が正しいか。
思い出せ、捻り出せ、重大なことを見落としている気がする。
「あのキモいシークレット、漫画で見た気がするなぁ」
「……ライカ、どんな漫画だった?」
「んー、呪いの本? ホラー系のやつだった気がする。ライカ、そういうの大好きなんだよねぇ」
喉元まで出かかっている。
このまま、戦闘を開始するのは――危険な香りがした。僕が突入の合図をしないことに皆が首を傾げている。
「ソラちゃん、まだ? 私、あいつをぶっ倒したら――ホームに帰ってゆっくりとお風呂に浸かるから。リペアストーンがあるっていっても、なんか汚れが落ちてる気がしないんだよね」
ホムラが毛先を指で弄りながら、
「髪の潤いもなくなってる気がするし」
「ホムラ、それだ――それだよ」
「な、ななな、なにがっ?」
ズイッと、僕はホムラに顔を寄せる。
急に近付いたせいか、ホムラが動揺してだろう――頬を赤く染める。
今のホムラの一言で、シークレットの姿が僕の記憶と重なった。
僕は一度静止するよう指示する。
「皆、作戦を立て直そう」
慎重にいかざるを得ない。
僕の推測が正しければ、一瞬にして全滅する恐れがある。ライカとホムラの偶然発した言葉が運命を左右した。
8本首だけに集中するのではなく、全体に意識を向けたら――浮かび上がる。
「あのシークレット、メドゥーサに似てるんだ」
まずは様子見、僕たちは遠目にてシークレットの実物を確認する。
丸い個体、直径は20メートルにも及ぶであろうほどの巨体であった。
驚くべきことに、本体にも大きな赤い瞳が二つ付いている。
僕たちの気配を察してか警戒してか、8本首は全て本体を守るかのよう――周りで蠢いている。
モンスターも大量、決めた作戦通り――僕とライカで雑魚処理、ホムラはシークレットに集中、ポンズは脱出時に向けての後方支援でいく。
女性陣は本体の姿を見て身震いしながら、
「普通にキモい。ライカ戦うのやだなぁ」
「……生理的に受け付けない形をしている」
「うげげ。ソラちゃん、やっぱり私は待機組でいい?」
「ホムラの格好いいところ見たいなぁ」
「えー、仕方ないなぁ」
「ホムちんチョロすぎてウケる」
各々、戦闘準備をする。
しかし、シークレットの姿――どこかで見た記憶がある。
いや、見た記憶があるというよりはなにかに似ているといった方が正しいか。
思い出せ、捻り出せ、重大なことを見落としている気がする。
「あのキモいシークレット、漫画で見た気がするなぁ」
「……ライカ、どんな漫画だった?」
「んー、呪いの本? ホラー系のやつだった気がする。ライカ、そういうの大好きなんだよねぇ」
喉元まで出かかっている。
このまま、戦闘を開始するのは――危険な香りがした。僕が突入の合図をしないことに皆が首を傾げている。
「ソラちゃん、まだ? 私、あいつをぶっ倒したら――ホームに帰ってゆっくりとお風呂に浸かるから。リペアストーンがあるっていっても、なんか汚れが落ちてる気がしないんだよね」
ホムラが毛先を指で弄りながら、
「髪の潤いもなくなってる気がするし」
「ホムラ、それだ――それだよ」
「な、ななな、なにがっ?」
ズイッと、僕はホムラに顔を寄せる。
急に近付いたせいか、ホムラが動揺してだろう――頬を赤く染める。
今のホムラの一言で、シークレットの姿が僕の記憶と重なった。
僕は一度静止するよう指示する。
「皆、作戦を立て直そう」
慎重にいかざるを得ない。
僕の推測が正しければ、一瞬にして全滅する恐れがある。ライカとホムラの偶然発した言葉が運命を左右した。
8本首だけに集中するのではなく、全体に意識を向けたら――浮かび上がる。
「あのシークレット、メドゥーサに似てるんだ」
10
お気に入りに追加
414
あなたにおすすめの小説

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる