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もふもふの都開国編
327話 殲滅戦 その1
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魔紅玉。
ガラスネークがドロップする素材アイテムである。ゲーム時ならば、ドロップ率は5パーセントくらいといったところだろう。ガラスネーク自体を発見するのが難しいため、そのドロップ率以上に入手難易度は跳ね上がる。
しかし、リアルとなった今は――違う。
以前、ゴザルが白の宝物庫イレシノンテで言っていた言葉――直接、狩りに行けば入手率は100パーセントなのである。
脳筋ならではの発想ながら、この世界では正論だったりする。
魔紅玉はガラスネークの目玉、ホムラが首を落としてくれたため――あとはくり抜くだけで無事に入手できたことになる。
一つ問題は、胴体から離れた首がまだ動いていることだ。
蛇の生命力は凄まじく、気を付けないと首だけで攻撃してくる可能性がある。僕は念のため触診を突き刺し――麻痺を注入しておく。
備えあれば憂いなしである。
「……グロテスクだな」
目玉だけでも――僕の頭くらいの大きさか。
普通の魔紅玉より、少し色合いが異なる気がするが――とりあえず、アイテムボックスに入れて確認してみよう。
「……魔緋玉?」
アイテム名が――違う。
やはり、シークレットのドロップ品だからだろうか? 僕は生産職の素材に関してはあまり知識がない。代用可能であると信じて回収を続けることにする。
魔紅玉は一つでいいと言われていたが、数があるに越したことはない。
残り3つもくり抜き、アイテムボックスに詰め込む。ついでに、他に取れそうな素材がないかも吟味する。
ゲーム時の基本、新しいモンスターからお宝が取れないかは――必須なのである。
「鱗、舌、牙、体液、全部貰っていくか」
後ほど、マイマイに鑑定してもらおう。
使えないにしても、売買はできるかもしれない。こうした地道な収集はお金となり、ギルドの運営費としても賄える。
ホムラを見ると、残り2本の首は八つ裂きに――こちらは巣穴に閉じ込められた鬱憤を晴らすためか、暴れに暴れたせいか原型が保たれていない。
ホムラが全身返り血だらけで駆け寄って来る。
「ソラちゃん、終わったよ」
「……ホムラ」
その姿に、ナコの姿が重なる。
どこかで見た似たような光景、なんだか懐かしくなって笑ってしまう。姉妹って倒し方までそっくりなんだなぁ。
僕の反応にホムラが首を傾げながら、
「ソラちゃん? 笑ってないでほめてよ」
「ごめんごめん。さすがだね、ホムラ――君がいてくれてよかった」
「ふふん。私は最強だからねっ」
4本の首を即撃破、残すは――半分となるのであった。
ガラスネークがドロップする素材アイテムである。ゲーム時ならば、ドロップ率は5パーセントくらいといったところだろう。ガラスネーク自体を発見するのが難しいため、そのドロップ率以上に入手難易度は跳ね上がる。
しかし、リアルとなった今は――違う。
以前、ゴザルが白の宝物庫イレシノンテで言っていた言葉――直接、狩りに行けば入手率は100パーセントなのである。
脳筋ならではの発想ながら、この世界では正論だったりする。
魔紅玉はガラスネークの目玉、ホムラが首を落としてくれたため――あとはくり抜くだけで無事に入手できたことになる。
一つ問題は、胴体から離れた首がまだ動いていることだ。
蛇の生命力は凄まじく、気を付けないと首だけで攻撃してくる可能性がある。僕は念のため触診を突き刺し――麻痺を注入しておく。
備えあれば憂いなしである。
「……グロテスクだな」
目玉だけでも――僕の頭くらいの大きさか。
普通の魔紅玉より、少し色合いが異なる気がするが――とりあえず、アイテムボックスに入れて確認してみよう。
「……魔緋玉?」
アイテム名が――違う。
やはり、シークレットのドロップ品だからだろうか? 僕は生産職の素材に関してはあまり知識がない。代用可能であると信じて回収を続けることにする。
魔紅玉は一つでいいと言われていたが、数があるに越したことはない。
残り3つもくり抜き、アイテムボックスに詰め込む。ついでに、他に取れそうな素材がないかも吟味する。
ゲーム時の基本、新しいモンスターからお宝が取れないかは――必須なのである。
「鱗、舌、牙、体液、全部貰っていくか」
後ほど、マイマイに鑑定してもらおう。
使えないにしても、売買はできるかもしれない。こうした地道な収集はお金となり、ギルドの運営費としても賄える。
ホムラを見ると、残り2本の首は八つ裂きに――こちらは巣穴に閉じ込められた鬱憤を晴らすためか、暴れに暴れたせいか原型が保たれていない。
ホムラが全身返り血だらけで駆け寄って来る。
「ソラちゃん、終わったよ」
「……ホムラ」
その姿に、ナコの姿が重なる。
どこかで見た似たような光景、なんだか懐かしくなって笑ってしまう。姉妹って倒し方までそっくりなんだなぁ。
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「ソラちゃん? 笑ってないでほめてよ」
「ごめんごめん。さすがだね、ホムラ――君がいてくれてよかった」
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