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もふもふの都開国編
311話 メイド服
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ストーンヴァイス、マーケット街を歩く。
マイマイの工房は表の立て看板にしばらく留守にすると記載済み、王都に戻る前にポンズの装備を変更しにきた。
今、ナコとマイマイがポンズを中心に騒いでいる。
どれが可愛い、どれが似合う、色々な服を手に取り――ポンズに試着させている。ポンズは無表情ながらも、一挙一動から困った様子が伝わってくる。
僕は遠巻きに手を振りながら、
「ナコ、マイマイ、めちゃくちゃプリティーなやつを選んであげてね。ひと目でポンズってわからないくらいでいいよ」
僕の一言に、ポンズが睨み返してくる。
目の動きだけは――感情豊かだな、とポンズのことを少し理解できた気がする。
そんな僕の真横、ゴザルが怪訝な顔付きで口を開く。
「ソラ、本当によかったの?」
「ゴザルが心配している通り、裏切る可能性もゼロじゃない。でも、一番はライカと似た境遇の子を――放っておくことができなかった」
「……はぁ、ソラらしいわね」
「目を光らせてはおくよ。ゴザルもたまにでいいから――ポンズのこと、気にかけておいてくれないかな」
「ええ。ただ、一つだけいいかしら」
ゴザルは真剣な表情で言う。
「私の大切な仲間に、少しでも危害を加えようものなら――問答無用で殺すわよ」
「その気持ちは僕も一緒だ。ワガママを通してごめんね」
「ふふ、リーダーの意向には従うわ。例えこの判断が失敗だったとしても――私がサポートするから」
「ありがとう」
リーダー、か。
以前、ライカにも言われた記憶がある。そんな大層な役割を担う価値が僕にあるのかは甚だ疑問だが――胸を張って受けとめよう。
皆が形にしてくれた言葉を否定したくはない。
ナコたちが買い物を終えて――僕たちのもとに帰って来る。そこには、先ほどとは別のファッションをしたポンズがいた。
ナコとマイマイが自信満々な顔付きにて、
「クーラ、こんな感じでいかがですか?」
「素材がいいとマイマイ超絶やる気がでるヨ。これはもう生産職の性といっても過言ではないネ」
「……こ、こんなの、いくらなんでも、うちの性格に合ってない」
ポンズが肩を震わせながら言う。
その姿は――ゴリゴリのメイド服、これでもかというくらい盛りに盛ってある。ナコ曰くコンセプトは雇い主と従業員だという。
正解っちゃ――正解、なのか?
「うわぁ、フリフリで可愛さ満点だね! アイドルだって顔負けしちゃうっ!! この見た目なら絶対バレないよ。あ、性格とか関係ないから――我慢して着込んでね」
「……ウザ」
ポンズは舌打ちしながら、そう吐き捨てるのであった。
マイマイの工房は表の立て看板にしばらく留守にすると記載済み、王都に戻る前にポンズの装備を変更しにきた。
今、ナコとマイマイがポンズを中心に騒いでいる。
どれが可愛い、どれが似合う、色々な服を手に取り――ポンズに試着させている。ポンズは無表情ながらも、一挙一動から困った様子が伝わってくる。
僕は遠巻きに手を振りながら、
「ナコ、マイマイ、めちゃくちゃプリティーなやつを選んであげてね。ひと目でポンズってわからないくらいでいいよ」
僕の一言に、ポンズが睨み返してくる。
目の動きだけは――感情豊かだな、とポンズのことを少し理解できた気がする。
そんな僕の真横、ゴザルが怪訝な顔付きで口を開く。
「ソラ、本当によかったの?」
「ゴザルが心配している通り、裏切る可能性もゼロじゃない。でも、一番はライカと似た境遇の子を――放っておくことができなかった」
「……はぁ、ソラらしいわね」
「目を光らせてはおくよ。ゴザルもたまにでいいから――ポンズのこと、気にかけておいてくれないかな」
「ええ。ただ、一つだけいいかしら」
ゴザルは真剣な表情で言う。
「私の大切な仲間に、少しでも危害を加えようものなら――問答無用で殺すわよ」
「その気持ちは僕も一緒だ。ワガママを通してごめんね」
「ふふ、リーダーの意向には従うわ。例えこの判断が失敗だったとしても――私がサポートするから」
「ありがとう」
リーダー、か。
以前、ライカにも言われた記憶がある。そんな大層な役割を担う価値が僕にあるのかは甚だ疑問だが――胸を張って受けとめよう。
皆が形にしてくれた言葉を否定したくはない。
ナコたちが買い物を終えて――僕たちのもとに帰って来る。そこには、先ほどとは別のファッションをしたポンズがいた。
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「素材がいいとマイマイ超絶やる気がでるヨ。これはもう生産職の性といっても過言ではないネ」
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正解っちゃ――正解、なのか?
「うわぁ、フリフリで可愛さ満点だね! アイドルだって顔負けしちゃうっ!! この見た目なら絶対バレないよ。あ、性格とか関係ないから――我慢して着込んでね」
「……ウザ」
ポンズは舌打ちしながら、そう吐き捨てるのであった。
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