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もふもふの都開国編
294話 ゴザルさん?
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「ふーん。修行してた、ね」
「そ、そうなんです」
僕は恐る恐るゴザルに返す。
「他には? 弁明の余地はあげるわ」
「かくかくしかじか」
言葉を慎重に選んでいく。
レイナさんの一件、陽の国サンサンで起きた事件、開国について助言をもらいに行っていたことを伝える。
最早、逃げるなんて算段は消え失せていた。
何故なら、僕はホムラの使役する精霊土龍が覆い被さり――強制的に正座させられているからだ。
重い、重すぎる――全く動けない。
「ホムラお姉ちゃん、クーラにひどいことはやめてくださいっ!」
「少し黙っていてくれるかな。私は家族としての観点から物事を言っているんだよ。普通に考えてもとの世界だったら捕まってる案件だからね」
「ひぇっ」
普段と違うホムラの物言いに――ナコが怯む。
「ナコちん、あっちに行っておこう」
「で、でも、クーラが」
「こういう時はねぇ、大人だけにする方がいいんだよ」
「……はい」
ライカがナコの手を握り、この場を去っていく。
ライカって普段は空気を読まないのに、ここぞという時は野生の勘が働くのか――離脱の仕方がスマートである。
「さて、もう味方はいないわよ」
「ソラちゃん、土龍の重さ2倍にしてあげるね」
「……ぉ、鬼だ」
「ホム、2倍はやめなさい」
「えぇー、ゴザルちゃんは甘いなぁ」
「違うわよ。5倍にしなさい」
「ごっ?! わ、わかった」
ゴザルさん?
その容赦のない言葉に、ホムラも若干引いていた。
「ソラの話の内容は理解したわ。私のいないところで――そんな危険な目にあっていた事実が許せない」
「いや、それは、まぁ」
「私を連れて行けば済んだ話よね」
ピシャリと、ゴザルが言い放つ。
「えっと、旅立った日は――ほら、ゴザルが体調悪そうだったから」
「私のせいだって言いたいの?」
ゴザルの瞳から光彩が消え失せ、
「私、ソラのことが大好きって伝えたわよね。大好きな人が知らないところで死んでいたかもしれないなんて考えただけで身体が震えてくる。ソラは私のことなんて特になにも思っていないからそういう行動ができるのよね。それならもうあなたを近くで縛り付けるしかない。縛り付けて私の目に届く範囲に置いておくしかない。それくらいは許可してくれるわよね」
「ひぇっ」
あまりのゴザルの迫力に――ホムラが怯む。
このままではホームの地下深くに埋められてしまう。どうにかこの危機を乗り切る方法を考えなくてはならない。
今、超越者二人を相手にした――脱出劇が始まるのであった。
「そ、そうなんです」
僕は恐る恐るゴザルに返す。
「他には? 弁明の余地はあげるわ」
「かくかくしかじか」
言葉を慎重に選んでいく。
レイナさんの一件、陽の国サンサンで起きた事件、開国について助言をもらいに行っていたことを伝える。
最早、逃げるなんて算段は消え失せていた。
何故なら、僕はホムラの使役する精霊土龍が覆い被さり――強制的に正座させられているからだ。
重い、重すぎる――全く動けない。
「ホムラお姉ちゃん、クーラにひどいことはやめてくださいっ!」
「少し黙っていてくれるかな。私は家族としての観点から物事を言っているんだよ。普通に考えてもとの世界だったら捕まってる案件だからね」
「ひぇっ」
普段と違うホムラの物言いに――ナコが怯む。
「ナコちん、あっちに行っておこう」
「で、でも、クーラが」
「こういう時はねぇ、大人だけにする方がいいんだよ」
「……はい」
ライカがナコの手を握り、この場を去っていく。
ライカって普段は空気を読まないのに、ここぞという時は野生の勘が働くのか――離脱の仕方がスマートである。
「さて、もう味方はいないわよ」
「ソラちゃん、土龍の重さ2倍にしてあげるね」
「……ぉ、鬼だ」
「ホム、2倍はやめなさい」
「えぇー、ゴザルちゃんは甘いなぁ」
「違うわよ。5倍にしなさい」
「ごっ?! わ、わかった」
ゴザルさん?
その容赦のない言葉に、ホムラも若干引いていた。
「ソラの話の内容は理解したわ。私のいないところで――そんな危険な目にあっていた事実が許せない」
「いや、それは、まぁ」
「私を連れて行けば済んだ話よね」
ピシャリと、ゴザルが言い放つ。
「えっと、旅立った日は――ほら、ゴザルが体調悪そうだったから」
「私のせいだって言いたいの?」
ゴザルの瞳から光彩が消え失せ、
「私、ソラのことが大好きって伝えたわよね。大好きな人が知らないところで死んでいたかもしれないなんて考えただけで身体が震えてくる。ソラは私のことなんて特になにも思っていないからそういう行動ができるのよね。それならもうあなたを近くで縛り付けるしかない。縛り付けて私の目に届く範囲に置いておくしかない。それくらいは許可してくれるわよね」
「ひぇっ」
あまりのゴザルの迫力に――ホムラが怯む。
このままではホームの地下深くに埋められてしまう。どうにかこの危機を乗り切る方法を考えなくてはならない。
今、超越者二人を相手にした――脱出劇が始まるのであった。
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