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もふもふの都開国編
271話 チート能力
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要塞を脱出、僕たちは再度エアーに乗り込む。
上空から見渡すサラマンの跡地は――国が存在していたというだけあって広大だ。所々に荒れ果てた建造物が残っているが、ゴザルとホムラに頼んで力尽くで取り除いてもらえば問題ないだろう。
要塞のように残して使えるものは使いたいが、基本的には――大部分を更地にしようと考えている。
ライカは器用にエアーから身を乗り出しながら、
「クーにぃ、危険はなくなったけどさぁ。このなにもない場所を――どうやって国にしていくの?」
「少し、チートを使おうと思っているよ」
「チート?」
ライカが首を傾げる。
世界の均衡を崩すような能力の代名詞、残念ながら僕にはなかった転生ボーナスみたいなものである。
今回は戦闘方面とは異なるが、それに似通った力が存在すると考えていた。
「ナコはゴザルが持っていたポケットハウスは覚えているかな?」
「ポンっと、お家が飛び出てくるアイテムですよね」
「もともと、そのポケットハウスはね――ハウス自体がアイテムとしてドロップするわけじゃないんだ。ネームドを倒してレア素材を集めて、ポケットハウスの基礎となるものを揃えていくって感じなんだよ」
僕は端的に説明する。
「オンリー・テイルの世界にはね、そういった素材からハウス本体を作れる――生産職が存在するんだ」
「クーにぃ、まさか」
「そのまさかだよ。素材さえあれば――間違いなく製作可能なはずだ」
全てをゼロから始めるのは難しい。
この世界だからこそ可能な手段――国自体を丸ごとアイテムとして作り、手に入れた広大な土地にそのまま置いたらどうなるだろうか。
これほどの近道は――他にありえない。
ゲーム時、生産職の製作できるハウスは三階建てまでが限度だった。現実となった今はスキルの創意工夫により、その枠は遥かに飛び越えることができるだろう。
運営に定められた強制的な限度はなく、チート能力といっても過言ではない。
「次のステップは、一流の生産職プレイヤーを探そうと思う」
「フレンドでもいるの?」
「一人だけ心当たりがある。かなり癖のある職人でね、ゲーム時から依頼を受けるか否かも独特の空気感で相手を見る人だった。腕は確かだから――その人が転生していると信じよう」
「クーにぃの周りって、変な人多いんだねぇ」
「えぇっ、その言い方だと――ライカも入っていることになるよ」
「ライカだけは特別、ライカは常識人だもんっ!」
「……私の『s』を奪ったライカが、常識人ですか?」
「ナコちん、そろそろ許してぇ」
上空から見渡すサラマンの跡地は――国が存在していたというだけあって広大だ。所々に荒れ果てた建造物が残っているが、ゴザルとホムラに頼んで力尽くで取り除いてもらえば問題ないだろう。
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ライカは器用にエアーから身を乗り出しながら、
「クーにぃ、危険はなくなったけどさぁ。このなにもない場所を――どうやって国にしていくの?」
「少し、チートを使おうと思っているよ」
「チート?」
ライカが首を傾げる。
世界の均衡を崩すような能力の代名詞、残念ながら僕にはなかった転生ボーナスみたいなものである。
今回は戦闘方面とは異なるが、それに似通った力が存在すると考えていた。
「ナコはゴザルが持っていたポケットハウスは覚えているかな?」
「ポンっと、お家が飛び出てくるアイテムですよね」
「もともと、そのポケットハウスはね――ハウス自体がアイテムとしてドロップするわけじゃないんだ。ネームドを倒してレア素材を集めて、ポケットハウスの基礎となるものを揃えていくって感じなんだよ」
僕は端的に説明する。
「オンリー・テイルの世界にはね、そういった素材からハウス本体を作れる――生産職が存在するんだ」
「クーにぃ、まさか」
「そのまさかだよ。素材さえあれば――間違いなく製作可能なはずだ」
全てをゼロから始めるのは難しい。
この世界だからこそ可能な手段――国自体を丸ごとアイテムとして作り、手に入れた広大な土地にそのまま置いたらどうなるだろうか。
これほどの近道は――他にありえない。
ゲーム時、生産職の製作できるハウスは三階建てまでが限度だった。現実となった今はスキルの創意工夫により、その枠は遥かに飛び越えることができるだろう。
運営に定められた強制的な限度はなく、チート能力といっても過言ではない。
「次のステップは、一流の生産職プレイヤーを探そうと思う」
「フレンドでもいるの?」
「一人だけ心当たりがある。かなり癖のある職人でね、ゲーム時から依頼を受けるか否かも独特の空気感で相手を見る人だった。腕は確かだから――その人が転生していると信じよう」
「クーにぃの周りって、変な人多いんだねぇ」
「えぇっ、その言い方だと――ライカも入っていることになるよ」
「ライカだけは特別、ライカは常識人だもんっ!」
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「ナコちん、そろそろ許してぇ」
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