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もふもふの都開国編
270話 てぇーいやぁっ!
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要塞内、中枢付近に足を運ぶ。
自爆機能を搭載したであろう、メインコンピューターの前に僕たちは立っていた。フレイムドルフの話が真実ならば――例のコードを入力すればいい。
ライカは訝しげな顔付きにて、
「んんー、嘘じゃないのかなぁ」
「どうなんだろうね。ただ、こんな危険なもの――地下に放置するわけにもいかないから試してみるしかないかな」
「クーラ、私が入力してみてもいいですか?」
ナコがふんふんと鼻息荒く言う。
なんとなく、ナコの気持ちがわかる。こういう機械のタイピングって、ナコくらいの年ごろだと――押したくなるよね。
僕はナコと場所を入れ替えながら、
「サラマンはアルファベットで『Salaman』だね。これを逆から入力するって話だったから『Namalas』で合ってると思う。嘘の可能性も考慮して、すぐに脱出できる心構えだけは整えておこう」
「はいっ!」
コード入力の画面が表示される。
ゆっくりと、ナコが一つずつ――アルファベットを押していく。なんだか、恐る恐るといった動きが新鮮で微笑ましい。
ナコは物凄く真剣な表情である。
「……あとは、最後の『s』だけです」
「てぇーいやぁっ!」
ライカがナコの後ろから――『s』を押した。
画面にはプログラムの停止という文字が表示され、静かに眠るようメインコンピューターの光が消灯していく。
ライカは満面の笑顔で人差し指を掲げながら、
「きゃはは、とどめはライカのものだぁっ! ナコちん、コンピューター停止されたってさぁ。嘘言ってなかったんだねぇ、ライカ驚いちゃったぁ」
「……は?」
な、ナコの目が笑っていない。
どういう風の吹き回しかは不明だが、フレイムドルフの言葉は真実だった。
しかしながら、そのミッションコンプリートの瞬間を――まさに、美味しい瞬間だけをライカに横取りされたわけだ。
本来なら、ナコが飛び跳ねて喜んでいそうな場面である。その後、僕にほめてと寄って来るまでが――想定内の範囲だった。ナコがゆらりとライカの側に歩み寄る。
そのまま、ライカの頬を両手で挟み込んだ。
「ライカ、人のものを取ってはいけないと学校で習いませんでしたか?」
「ふぇっ、今のってナコちんのものになるのぉっ?!」
「私が入力するって言いましたよね」
「い、言ってたけどぉ」
「お仕置きです」
ナコがライカの頬を引っ張り上げる。
「ぎにゃぁあっ! 痛、痛い、痛い痛ぁあいっ! いつもの数倍くらい痛いよぉっ! ごめんなさいナコちん、許してぇえええっ!」
仲が良いのが悪いのか。
無事、障害は取り除いたものの、ライカの悲痛な叫びが――要塞内に響き渡るのであった。
自爆機能を搭載したであろう、メインコンピューターの前に僕たちは立っていた。フレイムドルフの話が真実ならば――例のコードを入力すればいい。
ライカは訝しげな顔付きにて、
「んんー、嘘じゃないのかなぁ」
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「クーラ、私が入力してみてもいいですか?」
ナコがふんふんと鼻息荒く言う。
なんとなく、ナコの気持ちがわかる。こういう機械のタイピングって、ナコくらいの年ごろだと――押したくなるよね。
僕はナコと場所を入れ替えながら、
「サラマンはアルファベットで『Salaman』だね。これを逆から入力するって話だったから『Namalas』で合ってると思う。嘘の可能性も考慮して、すぐに脱出できる心構えだけは整えておこう」
「はいっ!」
コード入力の画面が表示される。
ゆっくりと、ナコが一つずつ――アルファベットを押していく。なんだか、恐る恐るといった動きが新鮮で微笑ましい。
ナコは物凄く真剣な表情である。
「……あとは、最後の『s』だけです」
「てぇーいやぁっ!」
ライカがナコの後ろから――『s』を押した。
画面にはプログラムの停止という文字が表示され、静かに眠るようメインコンピューターの光が消灯していく。
ライカは満面の笑顔で人差し指を掲げながら、
「きゃはは、とどめはライカのものだぁっ! ナコちん、コンピューター停止されたってさぁ。嘘言ってなかったんだねぇ、ライカ驚いちゃったぁ」
「……は?」
な、ナコの目が笑っていない。
どういう風の吹き回しかは不明だが、フレイムドルフの言葉は真実だった。
しかしながら、そのミッションコンプリートの瞬間を――まさに、美味しい瞬間だけをライカに横取りされたわけだ。
本来なら、ナコが飛び跳ねて喜んでいそうな場面である。その後、僕にほめてと寄って来るまでが――想定内の範囲だった。ナコがゆらりとライカの側に歩み寄る。
そのまま、ライカの頬を両手で挟み込んだ。
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「お仕置きです」
ナコがライカの頬を引っ張り上げる。
「ぎにゃぁあっ! 痛、痛い、痛い痛ぁあいっ! いつもの数倍くらい痛いよぉっ! ごめんなさいナコちん、許してぇえええっ!」
仲が良いのが悪いのか。
無事、障害は取り除いたものの、ライカの悲痛な叫びが――要塞内に響き渡るのであった。
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