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火の都サラマン激突編
233話 変態の人
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話も一段落したところ、ナコが尋ねる。
「そういえば、王様としてのお名前は――なんというのですか?」
「王として表立った名はモーフルという」
「めちゃくちゃ羊っぽいねぇっ!」
「率直に言いすぎだろっ?! 多少自覚はしているが――誇り高き名だぞっ!! 周囲に家臣や騎士たちがいない時はカレアスでいいからな」
「……ライカ、覚えられるかなぁ」
ライカが目を回している。
「すまないが慣れてくれると嬉しい。信頼できる仲間にだけ、友のように呼んでほしい名なんだ」
「んんー、カレアス、モーフル、カレアス」
ライカが呪文のよう復唱している中、
「ところで、クーラさん――この方、息の根はとめなくてよいのですか?」
その首もとに短剣を突き付けるものが現れる。
皆一様、突然の出来事に硬直――脳が認識した瞬間、僕は慌てて攻撃態勢を取る人物を引き止める。
零の呼吸――存在を完全に消し去るスキルだ。
ここにキャロルさんが来たのは偶然じゃない。ある作戦を遂行するため、僕はコンタクトを取っていたのだ。
僕は直近の事情を全て説明する。
「キャロルさん。かくかくしかじか――ライカはもう仲間なんだ」
「びえぇ。クーにぃ、この小鬼さん――マスターのカウンターを受けて、感じていた変態の人だよね? 助けてぇ」
「へ、変態は心外すぎるのです」
「でも、痛いのに快感とか言ってたぁっ!」
「クーラ、痛いのが快感ってどういうことですか?」
「ナコ、人それぞれだから――気にしなくて大丈夫だよ」
ナコが深入りする前に僕は話を流す。
キャロルさんは自身の性癖を暴露されたものの――取り乱した様子は一切ない。
「ライカさんと言いましたか。大人の事情があるのです」
「大人の事情なんだぁっ?!」
「細胞破壊レベルの痛みの果てに――到達する境地があるのです。痛みというものは決して肉体的なダメージだけではなく心もメリハリをつけて同時に与えることによりその快感は何倍にも膨れ上がるという事実を皆さんにも知ってほしいというのが自分の率直な気持ちでもありまして」
「めちゃくちゃ早口でウケる」
キャロルさんが武器を収める。
この一週間の間、僕はキャロルさんに会うために――メモリー紙のセーブを使用して大都市を訪れていた。
キャロルさんはガラスティナと激戦を繰り広げた場所、城の中にある帰還用転移陣前をキャンプ地にしており、メッセージを残すのは容易かった。
どうやら、あれからずっと未知のエリアを探索し続けていたらしい。
さすが、根っからの隠し要素好き――探究心が半端ない。
キャロルさんはグッと親指を立てながら、
「クーラさんのお望みのものは発見しているのです」
「やっぱり、リボルも同じような場所を見つけていたと踏まえるべきだろうね」
「間違いないのです。ウィンウィンにある白の宝物庫、アクアニアスにある青の宝物庫、ストーンヴァイスにある黒の宝物庫、自分が調べた限りでは全ての宝物庫の地下に大都市が存在しているようなのです」
宝物庫は一つじゃない。
国の地下ごとに大都市があり――あの空中戦艦、突出した文明は僕たちと同じ場所を踏破した可能性が高いと踏んだ。
予想は――的中した。
「クーラさん、お披露目するのに場所を移したいと思うのです。ここで取り出すと、王宮が吹っ飛んでしまうのです」
「ホームに行こうか」
ウィンウィンにあるホーム。
無論、今回の襲撃により僕たちのホームも少なからず打撃を受けている。
街の修復が最優先の今ホームは後回し、鍛錬場は造りが強固なことが幸いし、無事だったため――現在はそこを拠点にしている。
「クーラ、一体なにが始まるんだ?」
カレアスが好奇の眼差しで尋ねる。
付いて来る気満々なのだろう――すでにお忍び用、身支度を整え済みであった。
この王様、なんやかんやで――未知数なこと大好きだよね。
僕はカレアス含め、皆と一緒にホームの庭に移動する。
人気のない場所、ここならばどれだけ騒ごうが問題ないだろう。
「自分が見つけたアイテムは――これなのです」
キャロルさんがアイテムボックスを開く。
庭に飛び出す白い物体、空中戦艦よりは何回りも小さいが――鋼鉄の翼を持った乗り物が出現するのであった。
「そういえば、王様としてのお名前は――なんというのですか?」
「王として表立った名はモーフルという」
「めちゃくちゃ羊っぽいねぇっ!」
「率直に言いすぎだろっ?! 多少自覚はしているが――誇り高き名だぞっ!! 周囲に家臣や騎士たちがいない時はカレアスでいいからな」
「……ライカ、覚えられるかなぁ」
ライカが目を回している。
「すまないが慣れてくれると嬉しい。信頼できる仲間にだけ、友のように呼んでほしい名なんだ」
「んんー、カレアス、モーフル、カレアス」
ライカが呪文のよう復唱している中、
「ところで、クーラさん――この方、息の根はとめなくてよいのですか?」
その首もとに短剣を突き付けるものが現れる。
皆一様、突然の出来事に硬直――脳が認識した瞬間、僕は慌てて攻撃態勢を取る人物を引き止める。
零の呼吸――存在を完全に消し去るスキルだ。
ここにキャロルさんが来たのは偶然じゃない。ある作戦を遂行するため、僕はコンタクトを取っていたのだ。
僕は直近の事情を全て説明する。
「キャロルさん。かくかくしかじか――ライカはもう仲間なんだ」
「びえぇ。クーにぃ、この小鬼さん――マスターのカウンターを受けて、感じていた変態の人だよね? 助けてぇ」
「へ、変態は心外すぎるのです」
「でも、痛いのに快感とか言ってたぁっ!」
「クーラ、痛いのが快感ってどういうことですか?」
「ナコ、人それぞれだから――気にしなくて大丈夫だよ」
ナコが深入りする前に僕は話を流す。
キャロルさんは自身の性癖を暴露されたものの――取り乱した様子は一切ない。
「ライカさんと言いましたか。大人の事情があるのです」
「大人の事情なんだぁっ?!」
「細胞破壊レベルの痛みの果てに――到達する境地があるのです。痛みというものは決して肉体的なダメージだけではなく心もメリハリをつけて同時に与えることによりその快感は何倍にも膨れ上がるという事実を皆さんにも知ってほしいというのが自分の率直な気持ちでもありまして」
「めちゃくちゃ早口でウケる」
キャロルさんが武器を収める。
この一週間の間、僕はキャロルさんに会うために――メモリー紙のセーブを使用して大都市を訪れていた。
キャロルさんはガラスティナと激戦を繰り広げた場所、城の中にある帰還用転移陣前をキャンプ地にしており、メッセージを残すのは容易かった。
どうやら、あれからずっと未知のエリアを探索し続けていたらしい。
さすが、根っからの隠し要素好き――探究心が半端ない。
キャロルさんはグッと親指を立てながら、
「クーラさんのお望みのものは発見しているのです」
「やっぱり、リボルも同じような場所を見つけていたと踏まえるべきだろうね」
「間違いないのです。ウィンウィンにある白の宝物庫、アクアニアスにある青の宝物庫、ストーンヴァイスにある黒の宝物庫、自分が調べた限りでは全ての宝物庫の地下に大都市が存在しているようなのです」
宝物庫は一つじゃない。
国の地下ごとに大都市があり――あの空中戦艦、突出した文明は僕たちと同じ場所を踏破した可能性が高いと踏んだ。
予想は――的中した。
「クーラさん、お披露目するのに場所を移したいと思うのです。ここで取り出すと、王宮が吹っ飛んでしまうのです」
「ホームに行こうか」
ウィンウィンにあるホーム。
無論、今回の襲撃により僕たちのホームも少なからず打撃を受けている。
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「クーラ、一体なにが始まるんだ?」
カレアスが好奇の眼差しで尋ねる。
付いて来る気満々なのだろう――すでにお忍び用、身支度を整え済みであった。
この王様、なんやかんやで――未知数なこと大好きだよね。
僕はカレアス含め、皆と一緒にホームの庭に移動する。
人気のない場所、ここならばどれだけ騒ごうが問題ないだろう。
「自分が見つけたアイテムは――これなのです」
キャロルさんがアイテムボックスを開く。
庭に飛び出す白い物体、空中戦艦よりは何回りも小さいが――鋼鉄の翼を持った乗り物が出現するのであった。
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