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王都突入編
151話 当たってるよ
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「ソラにゃん、直球すぎて草生える」
「ぐぅっ!」
ナコに誠心誠意土下座をし、なんとかお許しをいただける。
「いくら未来に希望はあってもね、あのくらいの年ごろは今が全てなのよ。そんな気軽に身体のこと言っちゃ駄目にゃあ」
「……肝に銘じるよ」
「ねえ、ナコにゃん」
「クーラはデリカシーがありません」
「……ごめんなさい」
「でも、私はそこも含めて好きです」
「にょわーっ! ナコにゃんの大胆発言キタコレっ!」
「ナコちゃんはあげないからねっ! 私の許可なしにはメッ! だからねっ! 絶対に絶対に許さないんだからっ!!」
「ホムラお姉ちゃん、静かにしてください」
「なんで私にも厳しいのぉおおおおっ!」
露天風呂に浸かりながら、僕の反省会が始まっていた。
いやもうこれ、反省する人間がいていい環境なのか――美少女に囲まれながら、なにをどう反省すればいいのだ?
目のやり場に困り、僕は空を見上げる。
安らぎの満天、名前の由来が――ひと目でわかる星空だった。なんだか、ファーポッシ村を思い出す。
もとの世界だけではなく、今の僕にはこの世界の記憶もいっぱいある。
思い出という資格が僕にあるのかはわからない。だけど、ミミさんから受けた優しさは一生忘れることはないだろう。
ナコも同じ気持ちを抱いていたのか、
「クーラが男性だと伝えてくれた日を思い出しました」
「あの時も綺麗な星空だったね」
「はい」
「またいつの日か、必ず一緒に行こう」
湯船の中、ナコが僕の手を握る。
それは僕の言葉に力強く返事してくれているかのようだった。色々なことがありながらも、僕たちは王都にたどり着いた。
この手を離すことだけは――絶対にないだろう。
「あらー? 水面下でこっそり手なんか繋いじゃって、焼けるくらいに仲直りするの早いにゃあ」
「ナコちゃん、私も繋いでほしいな」
「いやです」
「なんで私には優しくしてくれないのぉおおおおっ!」
ホムラが叫び、ナコに飛び付く。
その時、勢いにより――ナコの身体に巻いたタオルがハラリと落ち、素肌がさらけ出されてしまう。
それはもう全て、一言で言うと全裸である。
無論、真横にいた僕に――ナコの身体が押し出されて密着する形となった。控えめながらも柔らかい感触が僕に伝わって来る。
普段あまり恥ずかしがらないナコだが、このレベルになるとさすがに羞恥心が勝るのだろう。
ナコは明らかな動揺を隠せないままに、
「ほ、ホムラお姉ちゃんっ?!」
「うえぇええんっ! 私も構っでよぉおおおおっ!!」
「ぉ、押さないでっ! クーラに、当たっちゃうっ!」
「ナコにゃん、すでに当たってるよ」
ニャニャンのとどめを刺す一言。
「◯×◇△××@@!?!?!」
ナコの声にならない声が――大浴場に響き渡るのであった。
「ぐぅっ!」
ナコに誠心誠意土下座をし、なんとかお許しをいただける。
「いくら未来に希望はあってもね、あのくらいの年ごろは今が全てなのよ。そんな気軽に身体のこと言っちゃ駄目にゃあ」
「……肝に銘じるよ」
「ねえ、ナコにゃん」
「クーラはデリカシーがありません」
「……ごめんなさい」
「でも、私はそこも含めて好きです」
「にょわーっ! ナコにゃんの大胆発言キタコレっ!」
「ナコちゃんはあげないからねっ! 私の許可なしにはメッ! だからねっ! 絶対に絶対に許さないんだからっ!!」
「ホムラお姉ちゃん、静かにしてください」
「なんで私にも厳しいのぉおおおおっ!」
露天風呂に浸かりながら、僕の反省会が始まっていた。
いやもうこれ、反省する人間がいていい環境なのか――美少女に囲まれながら、なにをどう反省すればいいのだ?
目のやり場に困り、僕は空を見上げる。
安らぎの満天、名前の由来が――ひと目でわかる星空だった。なんだか、ファーポッシ村を思い出す。
もとの世界だけではなく、今の僕にはこの世界の記憶もいっぱいある。
思い出という資格が僕にあるのかはわからない。だけど、ミミさんから受けた優しさは一生忘れることはないだろう。
ナコも同じ気持ちを抱いていたのか、
「クーラが男性だと伝えてくれた日を思い出しました」
「あの時も綺麗な星空だったね」
「はい」
「またいつの日か、必ず一緒に行こう」
湯船の中、ナコが僕の手を握る。
それは僕の言葉に力強く返事してくれているかのようだった。色々なことがありながらも、僕たちは王都にたどり着いた。
この手を離すことだけは――絶対にないだろう。
「あらー? 水面下でこっそり手なんか繋いじゃって、焼けるくらいに仲直りするの早いにゃあ」
「ナコちゃん、私も繋いでほしいな」
「いやです」
「なんで私には優しくしてくれないのぉおおおおっ!」
ホムラが叫び、ナコに飛び付く。
その時、勢いにより――ナコの身体に巻いたタオルがハラリと落ち、素肌がさらけ出されてしまう。
それはもう全て、一言で言うと全裸である。
無論、真横にいた僕に――ナコの身体が押し出されて密着する形となった。控えめながらも柔らかい感触が僕に伝わって来る。
普段あまり恥ずかしがらないナコだが、このレベルになるとさすがに羞恥心が勝るのだろう。
ナコは明らかな動揺を隠せないままに、
「ほ、ホムラお姉ちゃんっ?!」
「うえぇええんっ! 私も構っでよぉおおおおっ!!」
「ぉ、押さないでっ! クーラに、当たっちゃうっ!」
「ナコにゃん、すでに当たってるよ」
ニャニャンのとどめを刺す一言。
「◯×◇△××@@!?!?!」
ナコの声にならない声が――大浴場に響き渡るのであった。
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