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王都突入編
137話 この姉妹似ている
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「ソラちゃん、ごめんなさい」
ホムラが深々と頭を下げて謝罪する。
落ち着いたホムラに、僕はナコと出会った経緯、この姿になった理由、今までの全てを話した。
ついでに、同席してもらったニャニャンにも話を聞いてもらう。
ニャニャンは大爆笑、ホムラも最初は信じられないといった雰囲気であったが、ナコの追撃もあり今となっては受け入れてくれている。
そして、ナコの命令によりホムラの謝罪タイムが継続していた。
「陽夏お姉ちゃん、角度が甘くないですか?」
「本当にごめんなさいっ!」
ゴリゴリと、ホムラが床に頭を擦り付ける。
いやもうこれ、本気の土下座――色々とすれ違っただけ、誤解が解けて平和が訪れたなら僕にとっては十二分である。
僕は気にしないでと両手を振り、
「まあまあ、家族のことになると我を忘れることくらいあるよ」
「クーラ、甘やかしてはいけません。隙を見せるとすぐに図に乗る陽夏お姉ちゃんにはとことん反省してもらわないとです」
「そ、ソラちゃんもこう言ってくれてることだし、そろそろ許してくれても」
「無理です。床がめり込む程度には謝ってください」
「うえぇええんっ! ずいまぜんでじたぁあああっ!!」
ナコさん、厳しいぃいっ!
なんとなく、姉妹の上下関係が把握できてしまう。失礼ながら、ナコがここまでしっかりしている理由の一つとしてホムラが関係している気がする。
床のすり減る音が響く中、ナコが僕の腕をギュッと掴み、
「本気で反省してください。クーラは私の大切な人です、クーラがいなかったら私は今ここにいません」
「ちょっと待って、円香ちゃん。気のせいかな、距離感おかしくない?」
「陽夏お姉ちゃ――いえ、ホムラお姉ちゃん。もうここはもとの世界ではありません。ややこしくなるので私のことはナコと呼んでください」
「うんうん、ナコちゃん。もう一度聞くよ? 距離感おかしくない? それに大切な人ってどういうこと? 待って待って、お姉ちゃんの方が上だよね?」
「……」
ナコが顔を背け、無言になる。
それはまるで、僕の方が大切だと肯定しているかのようだった。ホムラがナコの態度を見て再度魔法陣を展開する。
その瞳からは光彩が消え失せていた。
「ソラちゃんを灰にして、私がまたナコちゃんの一番になるんだ」
「懲りない人ですね。クーラは私が守ります」
一触即発の空気が漂う。
このままでは想像を絶する姉妹喧嘩が勃発する。二人が戦ってホームが無事な未来が想像できない。
その原因が僕な手前、どうにしかしたいところではあるが――ホムラを庇えばナコの怒りが増し、ナコを立てればホムラの嫉妬が爆発する。
最終手段、僕はニャニャンに視線を投げかける。
ニャニャンは面白おかしくこの状況を楽しんでいたが、僕の全力ボディランゲージにてホームが壊滅することを示唆する。
さすがのニャニャンも事の重大さに気付いてか、勢いよくジャンプしてナコとホムラの真ん中に飛び込んだ。
「平和的肉球待ったっ!」
ニャニャンが決め顔でポーズを決めながら、
「皆、落ち着くにゃあ。このままだと、ホームが消し飛んじゃうからね」
「そんなことわかってるよ。それを承知の上で魔法陣展開させてるんだから」
「ニャニャンさん、退いてください。この姉には多少力尽くでも理解させねばならない時があります」
「うきゃー、殺意のクロスファイアにゃあっ!」
重圧に耐え切れなくなったのか、ニャニャンが叫び出す。
ニャニャンが珍しく真剣な顔に切り替わり、状況を打破するなにかを思いついたように唇をペロッと舐めた。
ニャニャンは大きく深呼吸を一つし、
「仕方ない、こうなったら参戦にゃあっ! お前ら全員かかってこいやぁ、まとめて黙らせてやるからねっ!!」
リーダーの発想とは思えない強硬手段である。
全てを解放するかのごとく、暴れに暴れ回る3人――結果、ニャニャンが勝って騒ぎは収束するのであった。
ホムラが深々と頭を下げて謝罪する。
落ち着いたホムラに、僕はナコと出会った経緯、この姿になった理由、今までの全てを話した。
ついでに、同席してもらったニャニャンにも話を聞いてもらう。
ニャニャンは大爆笑、ホムラも最初は信じられないといった雰囲気であったが、ナコの追撃もあり今となっては受け入れてくれている。
そして、ナコの命令によりホムラの謝罪タイムが継続していた。
「陽夏お姉ちゃん、角度が甘くないですか?」
「本当にごめんなさいっ!」
ゴリゴリと、ホムラが床に頭を擦り付ける。
いやもうこれ、本気の土下座――色々とすれ違っただけ、誤解が解けて平和が訪れたなら僕にとっては十二分である。
僕は気にしないでと両手を振り、
「まあまあ、家族のことになると我を忘れることくらいあるよ」
「クーラ、甘やかしてはいけません。隙を見せるとすぐに図に乗る陽夏お姉ちゃんにはとことん反省してもらわないとです」
「そ、ソラちゃんもこう言ってくれてることだし、そろそろ許してくれても」
「無理です。床がめり込む程度には謝ってください」
「うえぇええんっ! ずいまぜんでじたぁあああっ!!」
ナコさん、厳しいぃいっ!
なんとなく、姉妹の上下関係が把握できてしまう。失礼ながら、ナコがここまでしっかりしている理由の一つとしてホムラが関係している気がする。
床のすり減る音が響く中、ナコが僕の腕をギュッと掴み、
「本気で反省してください。クーラは私の大切な人です、クーラがいなかったら私は今ここにいません」
「ちょっと待って、円香ちゃん。気のせいかな、距離感おかしくない?」
「陽夏お姉ちゃ――いえ、ホムラお姉ちゃん。もうここはもとの世界ではありません。ややこしくなるので私のことはナコと呼んでください」
「うんうん、ナコちゃん。もう一度聞くよ? 距離感おかしくない? それに大切な人ってどういうこと? 待って待って、お姉ちゃんの方が上だよね?」
「……」
ナコが顔を背け、無言になる。
それはまるで、僕の方が大切だと肯定しているかのようだった。ホムラがナコの態度を見て再度魔法陣を展開する。
その瞳からは光彩が消え失せていた。
「ソラちゃんを灰にして、私がまたナコちゃんの一番になるんだ」
「懲りない人ですね。クーラは私が守ります」
一触即発の空気が漂う。
このままでは想像を絶する姉妹喧嘩が勃発する。二人が戦ってホームが無事な未来が想像できない。
その原因が僕な手前、どうにしかしたいところではあるが――ホムラを庇えばナコの怒りが増し、ナコを立てればホムラの嫉妬が爆発する。
最終手段、僕はニャニャンに視線を投げかける。
ニャニャンは面白おかしくこの状況を楽しんでいたが、僕の全力ボディランゲージにてホームが壊滅することを示唆する。
さすがのニャニャンも事の重大さに気付いてか、勢いよくジャンプしてナコとホムラの真ん中に飛び込んだ。
「平和的肉球待ったっ!」
ニャニャンが決め顔でポーズを決めながら、
「皆、落ち着くにゃあ。このままだと、ホームが消し飛んじゃうからね」
「そんなことわかってるよ。それを承知の上で魔法陣展開させてるんだから」
「ニャニャンさん、退いてください。この姉には多少力尽くでも理解させねばならない時があります」
「うきゃー、殺意のクロスファイアにゃあっ!」
重圧に耐え切れなくなったのか、ニャニャンが叫び出す。
ニャニャンが珍しく真剣な顔に切り替わり、状況を打破するなにかを思いついたように唇をペロッと舐めた。
ニャニャンは大きく深呼吸を一つし、
「仕方ない、こうなったら参戦にゃあっ! お前ら全員かかってこいやぁ、まとめて黙らせてやるからねっ!!」
リーダーの発想とは思えない強硬手段である。
全てを解放するかのごとく、暴れに暴れ回る3人――結果、ニャニャンが勝って騒ぎは収束するのであった。
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