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最強の武者Gozaru編

101話 謁見の間で待つもの

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 全ての銀色を撃破、僕たちはついに城の前に到達する。
 赤く綺羅びやかな扉、立派な門構え、周囲の建物と同じくして、風化された様子は微塵もない。

「大きい城ね」

 ゴザルさんの一言に僕は頷き返す。
 西洋風、いかにもファンタジーといった外観だ。
 間違いなく、入って間もなく戦闘となるだろう。
 銀色との戦闘が終わっても、ナコとキャロルさんは現れなかった。ゴザルの神眼でも二人の魔力は感知できる範囲にはないという。

 最初、城に入る前に二人を捜索することも考えた。
 だが、この広い大都市を闇雲に走り回るというよりは――帰還用転移陣の確保を先決とした。
 突入間近、ゴザルが城の扉に手をかけながら、

「もし、私が負けそうになったらソラは逃げてね」
「逃げないよ」
「一緒に死ぬ気?」
「死ぬつもりもない。ゴザルが駄目だった時は僕が代わりに倒すよ」
「ふーん。でも、本当に危なかったら言うわ。その時は私に構わずすぐに逃げるのよ。あなたにはナコちゃんがいるんだから」
「僕にとってはどっちも大切だよ。比べることなんてできない」
「……ぁ、ありがと」

 ギィッと扉が開き、中の様子が顕になる。
 真っ赤な絨毯が敷き詰められた広間、僕たちはゆっくりと内部を進んで行く。
 奥にあるのは謁見の間か、殺意を放っていたやつの正体が見えてくる。

 見た目は人間としか思えなかった。
 勇ましい顔立ち、歴戦の猛者を思わせる風貌、全身を黒い鎧で武装し剣の切っ先を突き立て、威風堂々とした振る舞いにて僕たちを待っていた。

 実際に見て理解する。
 僕が今まで相手にしてきたモンスター、ネームド、シークレット、それらを遥かに超越しているレベルで強い。

「ほう。まさか女が来るとは思っていなかったぞ」
「女だからってバカにしないわよね」
「くっくっく。威勢がよいな、お前からは強き力をヒシヒシと感じる」
「ちなみに、会話くらいはできるの?」
「久方ぶりの来訪者よ、余も同じことを考えておった。せっかくの出会い、少しくらいはお喋りでもしようではないか」

 この化け物をどうにかしない限り僕たちに未来はない。
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