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最強の武者Gozaru編

89話 ソロ活動

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「捕食!」

 道中、アンデッド族のモンスターを10体ほど噛み殺す。
 基本的に体力や魔力を考慮してスルーできるところはスルー、戦闘せざるをえない時だけ対処していくといった戦術を取っている。
 アンデッド族にも種類があり、ゾンビやゴーストなど存在するのだが、ここには骸骨しかいなかった。
 騎士の鎧を着たもの、魔道士のローブを着たもの、様々な形態の骸骨がダンジョン内を闊歩している。

 古来より、王宮に仕えていた兵士たちの亡霊みたいなものだろうか?
 だとすると、こうした骸骨の装備にも納得がいく。そう考えると捕食で噛み殺していくのは申しわけない気持ちになるが――立ち向かってくる限り、降りかかる火の粉は払うしかないのだ。
 成仏してくれと願う他ない。

「……それにしても、厄介だな」

 僕も簡単に対処できているわけではなかった。
 まるでパーティーのように、知性があるのかと思うくらい、骸骨たちの連携が取れているのだ。
 それでも、ソロで勝てないモンスターではない。
 ここぞという時の瞬発力、身体能力とスキルの威力を向上するための魔力操作、ゴザルさんの修行は僕の中で確実に生きている。

「なんだ、あれ?」

 48階に続く階段があるフロア、明らかに異質なモンスターがいた。
 階段には行かさぬようフロアのど真ん中にて黙座している。頭から全身にローブを覆い被さった骸骨、手には大きな杖を携えている。
 最悪だ、これ絶対にボス的なモンスターだ。
 中途半端な階層にいるという事実、考えられる理由は多々あった。
 僕はたまたま47階までショートカットしてしまったが、実は31階から1階ごとにボスを倒しながら攻略していくダンジョン構造だったのか、それともこの階層にたまたま湧いているネームドなのか。 

 どちらにせよ、力尽くで通る以外に道はない。
 1体だけなら、捕食による不意打ちで仕留められる可能性は高い。僕は触手を足もとに展開、バネ状にして一気に加速する。
 ゆらりと、骸骨が僕に気付いて立ち上がるが――遅い。
 僕はすでに触手を展開移動、骸骨の上半身を狙い捕食の態勢に入る。いくらアンデッド族とはいえど、身体の半分を失えば確実に機能停止する。
 思惑通りの丸飲み、いつも通りならこれで決着だ。だが、噛み付いた口が――閉じることはなかった。

「こいつ、噛み殺せないのかっ?!」

 僕は瞬時に理解する。
 同じアンデッド族だとしても、スカル・キラーより遥かに強敵、格上のモンスターということだ。
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