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最強の武者Gozaru編
68話 生き残った者たち
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「ファーストキスだった」
改めて、僕は真剣な眼差しで呟く。
僕も僕で自慢できるような恋愛は今までしてこなかったので、どんな言葉をかけるのが正解なのかは――いまいち掴めない。
ここは素直に感じた感想を言葉にしてみる。
この姿になってからファーストキスなのは間違いない。そういや、小さいころは妹がよく僕にキスをしてきていたな――家族間こそノーカウントだろう。
ナコが僕の方をじっと見つめながら、
「……クーラ、ファーストキスだったんですか?」
「うん、初めてだよ」
「本当ですか?」
「本当だよ」
嘘は――言ってない。
「……わ、私も、です」
ナコが照れくさそうに呟く。
正解を、引いたか? やはり、ナコはキスとしてカウントしていた。なにやら騙しているような気もするが――茶化して流すような真似はできない、ナコの気持ちを無下にするわけにはいかないのだ。
「ああ、そうだそうだ」
サマロが思い出したようにポンッと手を叩き、
「鎧武者から伝言を預かっているんだよ、クーラさんが目覚めたら鍛錬場の方に来てくれって言ってたっけな。急に俺たちの前に現れたかと思えば、あっさりクーラさんを助け出しちまってさ――あの鎧武者は何者なんだ?」
「鎧武者、ゴザルさんっていうんだけど僕の仲間だったっていうのかな。前のギルドで仲良くしていた人なんだ」
僕の現状態からすると説明が難しい。
「クーラさんの仲間だったならすげえのも一瞬で納得がいくぜ。積もる話もあるだろうし俺たちはそろそろ行くよ」
「サマロ、レイナさん、付き添っていただきありがとうございました」
ナコがペコリと頭を下げる。
ナコの話と状況から察するに――僕が目覚めるまで側にいてくれたのだろう。ナコは精神的に参っていたはず、二人の存在が支えになってくれていたのかもしれない。
"Eisen"と出会った当初からは想像も付かなかった。
そう、"Eisen"と――僕もナコに続いて頭を下げる。今回のお礼だけではなく自身の力不足の意味も含めてだ。
「……サマロ、ユースさんとモッズさんの件だけど」
「おっと、それ以上は言葉にしなくていい。クーラさん、ダンジョンでも言ったがあんたが気負うことじゃない。俺とレイナは助けてもらえて嬉しかった。頭を下げるのは俺たちの方だ。救ってもらった命、大事に使おうと思うよ」
「また近いうち様子を見に来るわ。今日は二人の時間を楽しんでちょうだいね」
そう言い残し、サマロとレイナさんはホームを後にした。
改めて、僕は真剣な眼差しで呟く。
僕も僕で自慢できるような恋愛は今までしてこなかったので、どんな言葉をかけるのが正解なのかは――いまいち掴めない。
ここは素直に感じた感想を言葉にしてみる。
この姿になってからファーストキスなのは間違いない。そういや、小さいころは妹がよく僕にキスをしてきていたな――家族間こそノーカウントだろう。
ナコが僕の方をじっと見つめながら、
「……クーラ、ファーストキスだったんですか?」
「うん、初めてだよ」
「本当ですか?」
「本当だよ」
嘘は――言ってない。
「……わ、私も、です」
ナコが照れくさそうに呟く。
正解を、引いたか? やはり、ナコはキスとしてカウントしていた。なにやら騙しているような気もするが――茶化して流すような真似はできない、ナコの気持ちを無下にするわけにはいかないのだ。
「ああ、そうだそうだ」
サマロが思い出したようにポンッと手を叩き、
「鎧武者から伝言を預かっているんだよ、クーラさんが目覚めたら鍛錬場の方に来てくれって言ってたっけな。急に俺たちの前に現れたかと思えば、あっさりクーラさんを助け出しちまってさ――あの鎧武者は何者なんだ?」
「鎧武者、ゴザルさんっていうんだけど僕の仲間だったっていうのかな。前のギルドで仲良くしていた人なんだ」
僕の現状態からすると説明が難しい。
「クーラさんの仲間だったならすげえのも一瞬で納得がいくぜ。積もる話もあるだろうし俺たちはそろそろ行くよ」
「サマロ、レイナさん、付き添っていただきありがとうございました」
ナコがペコリと頭を下げる。
ナコの話と状況から察するに――僕が目覚めるまで側にいてくれたのだろう。ナコは精神的に参っていたはず、二人の存在が支えになってくれていたのかもしれない。
"Eisen"と出会った当初からは想像も付かなかった。
そう、"Eisen"と――僕もナコに続いて頭を下げる。今回のお礼だけではなく自身の力不足の意味も含めてだ。
「……サマロ、ユースさんとモッズさんの件だけど」
「おっと、それ以上は言葉にしなくていい。クーラさん、ダンジョンでも言ったがあんたが気負うことじゃない。俺とレイナは助けてもらえて嬉しかった。頭を下げるのは俺たちの方だ。救ってもらった命、大事に使おうと思うよ」
「また近いうち様子を見に来るわ。今日は二人の時間を楽しんでちょうだいね」
そう言い残し、サマロとレイナさんはホームを後にした。
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