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クエスト攻略ランクアップ編
55話 ネームド
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立つ鳥跡を濁さず、食事の後片付けも終わったところ、
「「「ひぃいいいっ!」」」
僕たちの目の前を、冒険者たちが全速力で駆け抜けていく。
皆全身ボロボロ、傷だらけ、命からがら逃げ切って来たという風貌であった。
その内の一人が僕たちに気付き、
「おいっ、お前らも早く逃げろ! ネームドが出現したっ!!」
その言葉を聞き、僕は記憶をたどる。
確か、オーラ・ストーンには何種類かのネームドが湧く。第三層となると出現率的に可能性が高いのはあいつか。
「『ハイスパイダー』のことかな?」
「そ、そうだ、俺も生で見たのは初めてだよっ! 俺の仲間も他のギルドの連中も大半が殺られちまった! Eisenのやつらが抑えてくれていたがあの様子じゃ駄目だ! 早いところ冒険所に応援を呼びに行かねえとっ」
間に合うわけがない。
ここからどう足掻いてもウィンウィンまでは一日かかる。戻ってきたころには死体の山と化しているだろう。
「クーラ、ハイスパイダーとは?」
「このダンジョンに湧くネームド、レアモンスターの一種だよ。名前通り、蜘蛛のモンスターだね」
「勝てますか?」
単刀直入な一言だった。
「クーラ、私は」
ナコの言葉の続きはわかる。
「危険すぎる」
「はい」
「でも、助けられる命があるかもしれない」
「はいっ!」
「後悔はしない?」
「絶対にしません」
強すぎる正義感は身を滅ぼす。
だけど、誰かを助けたいという気持ちまで否定することはできない。仲間が行きたいというのであれば全力で付き合うのが道理だろう。
「サマロだっけ、もう一回くらい文句言いたいと思ってたんだ」
「私もです」
「おい、お前ら本気か? ネームドだぞ? お前らが行ったところでどうにかなるモンスターじゃねえんだぞっ?!」
「僕たちも無駄死にするつもりはないよ。第三層のどこにいるかわかる?」
「……ひ、広間のところだ。そこにハイスパイダーが巣を張り巡らせて待ち構えてやがったんだよ」
男の言葉に頷き、僕とナコはダンジョンの奥へと駆け走った。
「「「ひぃいいいっ!」」」
僕たちの目の前を、冒険者たちが全速力で駆け抜けていく。
皆全身ボロボロ、傷だらけ、命からがら逃げ切って来たという風貌であった。
その内の一人が僕たちに気付き、
「おいっ、お前らも早く逃げろ! ネームドが出現したっ!!」
その言葉を聞き、僕は記憶をたどる。
確か、オーラ・ストーンには何種類かのネームドが湧く。第三層となると出現率的に可能性が高いのはあいつか。
「『ハイスパイダー』のことかな?」
「そ、そうだ、俺も生で見たのは初めてだよっ! 俺の仲間も他のギルドの連中も大半が殺られちまった! Eisenのやつらが抑えてくれていたがあの様子じゃ駄目だ! 早いところ冒険所に応援を呼びに行かねえとっ」
間に合うわけがない。
ここからどう足掻いてもウィンウィンまでは一日かかる。戻ってきたころには死体の山と化しているだろう。
「クーラ、ハイスパイダーとは?」
「このダンジョンに湧くネームド、レアモンスターの一種だよ。名前通り、蜘蛛のモンスターだね」
「勝てますか?」
単刀直入な一言だった。
「クーラ、私は」
ナコの言葉の続きはわかる。
「危険すぎる」
「はい」
「でも、助けられる命があるかもしれない」
「はいっ!」
「後悔はしない?」
「絶対にしません」
強すぎる正義感は身を滅ぼす。
だけど、誰かを助けたいという気持ちまで否定することはできない。仲間が行きたいというのであれば全力で付き合うのが道理だろう。
「サマロだっけ、もう一回くらい文句言いたいと思ってたんだ」
「私もです」
「おい、お前ら本気か? ネームドだぞ? お前らが行ったところでどうにかなるモンスターじゃねえんだぞっ?!」
「僕たちも無駄死にするつもりはないよ。第三層のどこにいるかわかる?」
「……ひ、広間のところだ。そこにハイスパイダーが巣を張り巡らせて待ち構えてやがったんだよ」
男の言葉に頷き、僕とナコはダンジョンの奥へと駆け走った。
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