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魔法少女遭遇編
02話 水の都アクアニアス
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目を覚ますと、見知らぬ場所――いや、ある意味でよく見知った場所にいた。
自分自身になにが起きたのかを確認するため街中を練り歩く。先ほどまでいたであろう風景からは全てが一転していた。
……一体、どうなっているんだ?
僕は街の真ん中、噴水広場の水面に映った自分を見て――言葉を失った。
状況を整理しよう。僕はついさっきまで念願のオフ会に行こうとして新幹線に乗ろうとしていた。
だが、今はどうだ?
生い茂った木々の中に立つ街並み、下を見渡せば雲海が広がっている。新幹線の『し』の字もないかけ離れた風景――その全てに見覚えがあった。
これは大樹を基盤にして建造された国、迷わずこの噴水広場まで来たのも記憶にあるからというのが正しい。
「ここ、オンリー・テイルの世界じゃないか」
僕は死んだはずじゃ?
確かに、隕石が街中に降り注いで――その衝撃が僕を巻き込んだはずだ。まだ記憶に新しいものの、一瞬のことだったので恐怖すら残っていない。
気が付けば――ここにいた、という感じだ。
「おほおー、お嬢さん可愛いね。よかったらお茶でも飲まなーい?」
噴水の側に座っていた僕を見て、街の人が声をかけてくる。
そういえば、ゲームの時からここってパーティー待ちの人が集まったり、コミュニティの勧誘が多かったりとそういった場所だったっけ。リアルでは僕の世界でいうナンパスポットみたいになるのか。いやまあ、リアルと言っていいのかまだ不明だけれど。
とりあえず、僕は男の声に頷き返しながら、
「僕も自分を見て思ったんです、どう考えてもおかしいですよねこれ。可愛すぎるんですよ本当に、マジでどうなってんの?」
「えっ? そ、そうだね? か、可愛いと思うよ」
「質問なんですがここってオンリー・テイルの世界、始まりの三国の一つ水の都『アクアニアス』であっていますよね?」
「いや当たり前でしょ。君、大丈夫? なんかごめんね」
ナンパして来た相手が僕の返答に戸惑い、颯爽とその場を去っていく。
頭のおかしい人と思われたに違いない。日本人が「ここは日本ですか?」と聞いているようなものだ。見知らぬ人に急に言われたら軽いホラーである。
今の人同様、僕も迷わず距離を置いて逃げるであろう。しかし、わかった点も一つだけあった。
僕の今の一言を変だ、おかしいと感じたのならば、あの人はここの世界の純粋な住人に違いない。
……NPC、ということになるのか?
最早、定義がわからない。その点についてはひとまず置いといて、僕が男にナンパされたという事実について考えよう。
僕は改めて噴水の水面に映った自身を見つめ直す。
長く腰辺りまで伸びた金色の髪、赤いルビーのような瞳、誰が贔屓目に見ても抜群に可愛らしい容姿をしている。
日本にいた頃の僕とは似ても似つかない姿形――というか、性別自体が違うので当たり前である。
これさぁ、妹のアカウントで作った倉庫キャラじゃん。
リアルにするとこんな感じなのか、ぶっちゃけ超絶可愛い。それもそのはず、自分で言うのもなんだが、かなり時間をかけて作成したキャラクターだ。
倉庫だからといって手を抜くことはしない。例えゲーム画面といえども、動かすキャラクターは可愛いのが正義というのが僕の持論である。
好みど直球で作成した自分をほめてあげたい、最高の出来ですよ。
「……ただ、それを動かすのが僕自身というのはどうなんだろう」
僕は深呼吸をしながら、自身の胸を何度か揉みしだき冷静さを取り戻していく。
ボーっとしていても仕方ない、まずは現状を把握するべく色々な確認から始めてみよう。
自分自身になにが起きたのかを確認するため街中を練り歩く。先ほどまでいたであろう風景からは全てが一転していた。
……一体、どうなっているんだ?
僕は街の真ん中、噴水広場の水面に映った自分を見て――言葉を失った。
状況を整理しよう。僕はついさっきまで念願のオフ会に行こうとして新幹線に乗ろうとしていた。
だが、今はどうだ?
生い茂った木々の中に立つ街並み、下を見渡せば雲海が広がっている。新幹線の『し』の字もないかけ離れた風景――その全てに見覚えがあった。
これは大樹を基盤にして建造された国、迷わずこの噴水広場まで来たのも記憶にあるからというのが正しい。
「ここ、オンリー・テイルの世界じゃないか」
僕は死んだはずじゃ?
確かに、隕石が街中に降り注いで――その衝撃が僕を巻き込んだはずだ。まだ記憶に新しいものの、一瞬のことだったので恐怖すら残っていない。
気が付けば――ここにいた、という感じだ。
「おほおー、お嬢さん可愛いね。よかったらお茶でも飲まなーい?」
噴水の側に座っていた僕を見て、街の人が声をかけてくる。
そういえば、ゲームの時からここってパーティー待ちの人が集まったり、コミュニティの勧誘が多かったりとそういった場所だったっけ。リアルでは僕の世界でいうナンパスポットみたいになるのか。いやまあ、リアルと言っていいのかまだ不明だけれど。
とりあえず、僕は男の声に頷き返しながら、
「僕も自分を見て思ったんです、どう考えてもおかしいですよねこれ。可愛すぎるんですよ本当に、マジでどうなってんの?」
「えっ? そ、そうだね? か、可愛いと思うよ」
「質問なんですがここってオンリー・テイルの世界、始まりの三国の一つ水の都『アクアニアス』であっていますよね?」
「いや当たり前でしょ。君、大丈夫? なんかごめんね」
ナンパして来た相手が僕の返答に戸惑い、颯爽とその場を去っていく。
頭のおかしい人と思われたに違いない。日本人が「ここは日本ですか?」と聞いているようなものだ。見知らぬ人に急に言われたら軽いホラーである。
今の人同様、僕も迷わず距離を置いて逃げるであろう。しかし、わかった点も一つだけあった。
僕の今の一言を変だ、おかしいと感じたのならば、あの人はここの世界の純粋な住人に違いない。
……NPC、ということになるのか?
最早、定義がわからない。その点についてはひとまず置いといて、僕が男にナンパされたという事実について考えよう。
僕は改めて噴水の水面に映った自身を見つめ直す。
長く腰辺りまで伸びた金色の髪、赤いルビーのような瞳、誰が贔屓目に見ても抜群に可愛らしい容姿をしている。
日本にいた頃の僕とは似ても似つかない姿形――というか、性別自体が違うので当たり前である。
これさぁ、妹のアカウントで作った倉庫キャラじゃん。
リアルにするとこんな感じなのか、ぶっちゃけ超絶可愛い。それもそのはず、自分で言うのもなんだが、かなり時間をかけて作成したキャラクターだ。
倉庫だからといって手を抜くことはしない。例えゲーム画面といえども、動かすキャラクターは可愛いのが正義というのが僕の持論である。
好みど直球で作成した自分をほめてあげたい、最高の出来ですよ。
「……ただ、それを動かすのが僕自身というのはどうなんだろう」
僕は深呼吸をしながら、自身の胸を何度か揉みしだき冷静さを取り戻していく。
ボーっとしていても仕方ない、まずは現状を把握するべく色々な確認から始めてみよう。
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