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魔法少女遭遇編
01話 オフ会をしよう!
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一生この仲間で楽しんでいこう。
そんな言葉を笑い合いながら、僕たちは画面上でワイワイと語り合った。
実際に一生なんて思ってる人はいないだろう。だけど、そう言葉にすることでさらに絆は深まる気がしたからだ。
いつかリアルで皆会おう、最高に楽しいオフ会をしよう。
画面上で動くキャラクターに軽快なアクションを織り混ぜながら、僕は勢いよくチャットを打ち込んだ。
Ramyua 『うわっ、なんか脳内で再現されて耳にまでキーンときた感じするわ! お前の文字でかすぎるって!』
Homura 『私たちのギルド、初のオフ会かぁ。賛成、いいね! 今年は本気で会っちゃおっかっ!!』
Gozaru 『……承知した。最強のオシャレをして行くでござる』
Nyanyann『にゃはー、会いたいの? しょうがないにゃあ。にゃっちのプリティーさに驚かないでよね。あ、イジられそうだから先に言っときますけど、現実ではにゃんにゃん言ってませんからね? これロールプレイングですからね?』
ラミュア、ホムラ、ゴザル、ニャニャン。
無論、各々実名ではなくゲーム専用のキャラクター名だ。
僕たちのプレイするゲームはMMO・RPG『オンリー・テイル』。
攻撃職・盾職・魔法職、生産職、ユニーク職、色々なジョブが混在するオーソドックスな内容のゲームとなっており、他のゲームと違う点は一度決めたジョブは二度と変更できないこと。キャラクター作成時には個人の証明書が必要となり、一人に付き一キャラクターしか作成できないこと。
オンリー・ワンが売りのゲームとなっていた。
僕たちはサービス開始と同時に始めたヘヴィーユーザーであり、皆とはもう数年の付き合いとなる。
だが、それはあくまでネット上、オンライン間での話――それがついに、現実でも実現しようとしているのだ。
所属するギルド"NightMares"初のオフ会は八月某日決定となった。
僕以外皆関東在住ということもあって開催地は東京に、僕は約束の日までバイトに勤しんで旅費を貯める。
大学生活に慣れてきたということもあってか、時間的にも生活的にもかなりの余裕ができていた。
入学当初はオンリー・テイルに熱中しすぎて、勉学が疎かになる場面もあったがゲーム好きは誰もが通る洗礼の道だと信じたい。
そして、ついに迎えたオフ会当日。
僕は出発の時間までログインし、皆に今から会いに行く旨を伝える。
まだ時間に余裕がありそうなため――妹に無理を言って作成してもらったキャラクターにログインしてアイテムの整理をする。
妹はゲームに興味がないため、このキャラクターも僕が使用させてもらっていた。ある意味、同じ家に住む家族だからこそ可能な抜け道といえば抜け道だが――これくらいは運営側も黙認してくれている。
「にいに、ゲームばっかり」
そんな妹の一言に、僕は愛想笑いで返す。
仲が悪いわけではなく――むしろよい。僕がゲームに時間を取ることをあまりよしとせず、私と遊ぶ時間がなくなるもんと素直に愛らしいことを言いながら引っ付いてくる。高校生になる今でも兄離れができていない自他共に認める超絶ブラコンである。
妹のキャラクターはアイテムを保管するため、いわゆる倉庫キャラとして活用していた。ごそごそとアイテム整理を始め、気が付けば家をでる時間となっていた。
「行って来ます!」
家をでて道中、色々なことが脳内を駆け巡る。
どうしても気になってしまうのはプレイしている中の人――男性なのか女性なのか。なんとなくゲーム以外のことについてはお互い触れてこなかったため、性別はもちろん年齢すらも不明な状況だったりする。
可愛い女の子がいたりするかも? 運命の出会いがあったりするかも?
今からすでにドキドキがとまらない。
メインの話は当然オンリー・テイルになるだろう。正直、語り尽くすには一日じゃ足りないかもしれない。
だが、今の現代どこにでもあるような僕の小さな夢は予想を遥かに超える方向から強制的に破壊されるのであった。
突如、街中に響き渡る悲鳴の嵐――本当に現実なのか? と、自身の目を何度もこすって確認した。
上空から何個も何個も降り注ぐ大きな赤い塊。
その全てを蹂躙せんであろう巨大な隕石が地上に当たると同時、僕の意識はブラックアウトした。
僕は――死んだ。
そんな言葉を笑い合いながら、僕たちは画面上でワイワイと語り合った。
実際に一生なんて思ってる人はいないだろう。だけど、そう言葉にすることでさらに絆は深まる気がしたからだ。
いつかリアルで皆会おう、最高に楽しいオフ会をしよう。
画面上で動くキャラクターに軽快なアクションを織り混ぜながら、僕は勢いよくチャットを打ち込んだ。
Ramyua 『うわっ、なんか脳内で再現されて耳にまでキーンときた感じするわ! お前の文字でかすぎるって!』
Homura 『私たちのギルド、初のオフ会かぁ。賛成、いいね! 今年は本気で会っちゃおっかっ!!』
Gozaru 『……承知した。最強のオシャレをして行くでござる』
Nyanyann『にゃはー、会いたいの? しょうがないにゃあ。にゃっちのプリティーさに驚かないでよね。あ、イジられそうだから先に言っときますけど、現実ではにゃんにゃん言ってませんからね? これロールプレイングですからね?』
ラミュア、ホムラ、ゴザル、ニャニャン。
無論、各々実名ではなくゲーム専用のキャラクター名だ。
僕たちのプレイするゲームはMMO・RPG『オンリー・テイル』。
攻撃職・盾職・魔法職、生産職、ユニーク職、色々なジョブが混在するオーソドックスな内容のゲームとなっており、他のゲームと違う点は一度決めたジョブは二度と変更できないこと。キャラクター作成時には個人の証明書が必要となり、一人に付き一キャラクターしか作成できないこと。
オンリー・ワンが売りのゲームとなっていた。
僕たちはサービス開始と同時に始めたヘヴィーユーザーであり、皆とはもう数年の付き合いとなる。
だが、それはあくまでネット上、オンライン間での話――それがついに、現実でも実現しようとしているのだ。
所属するギルド"NightMares"初のオフ会は八月某日決定となった。
僕以外皆関東在住ということもあって開催地は東京に、僕は約束の日までバイトに勤しんで旅費を貯める。
大学生活に慣れてきたということもあってか、時間的にも生活的にもかなりの余裕ができていた。
入学当初はオンリー・テイルに熱中しすぎて、勉学が疎かになる場面もあったがゲーム好きは誰もが通る洗礼の道だと信じたい。
そして、ついに迎えたオフ会当日。
僕は出発の時間までログインし、皆に今から会いに行く旨を伝える。
まだ時間に余裕がありそうなため――妹に無理を言って作成してもらったキャラクターにログインしてアイテムの整理をする。
妹はゲームに興味がないため、このキャラクターも僕が使用させてもらっていた。ある意味、同じ家に住む家族だからこそ可能な抜け道といえば抜け道だが――これくらいは運営側も黙認してくれている。
「にいに、ゲームばっかり」
そんな妹の一言に、僕は愛想笑いで返す。
仲が悪いわけではなく――むしろよい。僕がゲームに時間を取ることをあまりよしとせず、私と遊ぶ時間がなくなるもんと素直に愛らしいことを言いながら引っ付いてくる。高校生になる今でも兄離れができていない自他共に認める超絶ブラコンである。
妹のキャラクターはアイテムを保管するため、いわゆる倉庫キャラとして活用していた。ごそごそとアイテム整理を始め、気が付けば家をでる時間となっていた。
「行って来ます!」
家をでて道中、色々なことが脳内を駆け巡る。
どうしても気になってしまうのはプレイしている中の人――男性なのか女性なのか。なんとなくゲーム以外のことについてはお互い触れてこなかったため、性別はもちろん年齢すらも不明な状況だったりする。
可愛い女の子がいたりするかも? 運命の出会いがあったりするかも?
今からすでにドキドキがとまらない。
メインの話は当然オンリー・テイルになるだろう。正直、語り尽くすには一日じゃ足りないかもしれない。
だが、今の現代どこにでもあるような僕の小さな夢は予想を遥かに超える方向から強制的に破壊されるのであった。
突如、街中に響き渡る悲鳴の嵐――本当に現実なのか? と、自身の目を何度もこすって確認した。
上空から何個も何個も降り注ぐ大きな赤い塊。
その全てを蹂躙せんであろう巨大な隕石が地上に当たると同時、僕の意識はブラックアウトした。
僕は――死んだ。
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