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ー探索1日目ー
「グルルルル…」
「ゔぅ…。」
双子に行く手を阻む犬っぽいモンスターを相手してもらいながら
私たちは地図に記されたマークを目指して森の中を移動し続ける。
見たところ犬っぽいモンスターもかなり薄汚れているが中々のモフモフ具合だ。
小一時間ほどモフらせていただきたいのだが、
私に向かって牙をむき出しにしながら襲い掛かってくるので倒さざる負えない。
アクティブモンスター、私たちが常日頃相手にしているラージットやスライムなどの非アクティブモンスターと違ってプレイヤーを見つけると襲い掛かってくるモンスターたち。
フッカの話によるとノンアクティブのものと比べて強い傾向にあるとの話だが、
「ゔぉー!!」
「キャイン‼」
今のところ問題なく蹴散らすことが出来ている。
それにしても不思議なことだがアンとウンが彼らを倒しているにも関わらず、
なぜかモンスターは私ばかりを狙ってくるのはなんでなのだろうか?
まさか、このゲームの世界でも動物に嫌われてしまっているのだろうか…。
いや、考えすぎだ。
そんなはずはない…、と思う。
とりあえず今は目的地に着くことだけを考えよう。
歩き始めて30分程経った。地図を見るとちょうど湖と目的のマークが記された場所の中間付近にいる。
既に湖は見えなくなってしまったが、ナビのように自分の現在位置と向いている方向も表しているこの地図を頼りに動けば道に迷うこともないだろう。
それにしてもこの地図は面白い。
私たちが歩いた分だけ地図が僅かずつではあるが埋まっていくのだ。
この一週間でどれだけ埋めることが出来るか分からないが
マップの端から端まで全て埋めることができればさぞうれしいに違いない。
私たちは犬っぽいモンスターのドロップアイテムを拾うと再び行軍を再開した。
獣道のようなところを歩いていくと木々の匂いがより一層濃くなるのを感じた。
それとともに木々の生い茂りもより鬱蒼としたものになっていき地図がなければ自分が来た方向も分からなくなるぐらいに森の中が複雑になってゆく。
もしも現実でこんな森の中にほっぽり出されたら、そう思うと私はゾッとしてしまう。
私はモフモフこそ好きだけれど根っからの都会っ子で山の中のハイキングよりも都会のこじんまりとしたカフェや家でのんびり過ごしている方が好きなのだ。
風香はよく友達と山でのキャンプや小川でのバーベキューといったアウトドアに行って楽しんでいるらしいが、私の場合はもし遭難したら、水難事故に遭ってしまうのではないかと心配になってしまって心から楽しむことが出来ないでいることの方が多い。
だが、VRの中であれば話は別だ。仮に私の体力が0になって死んでしまうことになってもまたやり直しがきくのでいい。
そんなことを思いながら歩みを進めていると前方の藪が風もないのにゆれるのが見えた。
もしやまた犬が出てくるか、と思って立ち止まって様子を見ていた。
しかしそこからトコトコ出てきたのは茶色に白の縞が入った毛並みをした小さなウリ坊だった。
迷子になったか、ごはんを探しているのかそのずんぐりとした鼻をひくひくさせて辺りを伺っている。
と、私たちと目が合った。
「『拘束の呪い』‼」
考えるよりも前に身体が動いていた。
「プギィ!?」
私の右手に構えたナイフから飛び出した黒い縄は小さなウリ坊を縛りつけた。
ウリ坊は何が何だかわからずにプギプギと鳴き声を上げている。
「ごめんねー、驚かしちゃったよね。
すぐ解放してあげるからその代わりにちょっとモフらせてねー」
私がウリ坊に近づこうとしたその時だった。
「ブゴオオォ‼」
地面も揺れるほどの大きな鳴き声だった。
驚いて立ち止まった瞬間私たちとウリ坊の間に全身が白い巨大なイノシシが突っ込んできた。
ピコンっと私の目の前にウィンドウが現れる。
《チャレンジ難易度:★★★★☆》 怒れる大猪
どうやら探索一日目から当たりを引いたようである。
「グルルルル…」
「ゔぅ…。」
双子に行く手を阻む犬っぽいモンスターを相手してもらいながら
私たちは地図に記されたマークを目指して森の中を移動し続ける。
見たところ犬っぽいモンスターもかなり薄汚れているが中々のモフモフ具合だ。
小一時間ほどモフらせていただきたいのだが、
私に向かって牙をむき出しにしながら襲い掛かってくるので倒さざる負えない。
アクティブモンスター、私たちが常日頃相手にしているラージットやスライムなどの非アクティブモンスターと違ってプレイヤーを見つけると襲い掛かってくるモンスターたち。
フッカの話によるとノンアクティブのものと比べて強い傾向にあるとの話だが、
「ゔぉー!!」
「キャイン‼」
今のところ問題なく蹴散らすことが出来ている。
それにしても不思議なことだがアンとウンが彼らを倒しているにも関わらず、
なぜかモンスターは私ばかりを狙ってくるのはなんでなのだろうか?
まさか、このゲームの世界でも動物に嫌われてしまっているのだろうか…。
いや、考えすぎだ。
そんなはずはない…、と思う。
とりあえず今は目的地に着くことだけを考えよう。
歩き始めて30分程経った。地図を見るとちょうど湖と目的のマークが記された場所の中間付近にいる。
既に湖は見えなくなってしまったが、ナビのように自分の現在位置と向いている方向も表しているこの地図を頼りに動けば道に迷うこともないだろう。
それにしてもこの地図は面白い。
私たちが歩いた分だけ地図が僅かずつではあるが埋まっていくのだ。
この一週間でどれだけ埋めることが出来るか分からないが
マップの端から端まで全て埋めることができればさぞうれしいに違いない。
私たちは犬っぽいモンスターのドロップアイテムを拾うと再び行軍を再開した。
獣道のようなところを歩いていくと木々の匂いがより一層濃くなるのを感じた。
それとともに木々の生い茂りもより鬱蒼としたものになっていき地図がなければ自分が来た方向も分からなくなるぐらいに森の中が複雑になってゆく。
もしも現実でこんな森の中にほっぽり出されたら、そう思うと私はゾッとしてしまう。
私はモフモフこそ好きだけれど根っからの都会っ子で山の中のハイキングよりも都会のこじんまりとしたカフェや家でのんびり過ごしている方が好きなのだ。
風香はよく友達と山でのキャンプや小川でのバーベキューといったアウトドアに行って楽しんでいるらしいが、私の場合はもし遭難したら、水難事故に遭ってしまうのではないかと心配になってしまって心から楽しむことが出来ないでいることの方が多い。
だが、VRの中であれば話は別だ。仮に私の体力が0になって死んでしまうことになってもまたやり直しがきくのでいい。
そんなことを思いながら歩みを進めていると前方の藪が風もないのにゆれるのが見えた。
もしやまた犬が出てくるか、と思って立ち止まって様子を見ていた。
しかしそこからトコトコ出てきたのは茶色に白の縞が入った毛並みをした小さなウリ坊だった。
迷子になったか、ごはんを探しているのかそのずんぐりとした鼻をひくひくさせて辺りを伺っている。
と、私たちと目が合った。
「『拘束の呪い』‼」
考えるよりも前に身体が動いていた。
「プギィ!?」
私の右手に構えたナイフから飛び出した黒い縄は小さなウリ坊を縛りつけた。
ウリ坊は何が何だかわからずにプギプギと鳴き声を上げている。
「ごめんねー、驚かしちゃったよね。
すぐ解放してあげるからその代わりにちょっとモフらせてねー」
私がウリ坊に近づこうとしたその時だった。
「ブゴオオォ‼」
地面も揺れるほどの大きな鳴き声だった。
驚いて立ち止まった瞬間私たちとウリ坊の間に全身が白い巨大なイノシシが突っ込んできた。
ピコンっと私の目の前にウィンドウが現れる。
《チャレンジ難易度:★★★★☆》 怒れる大猪
どうやら探索一日目から当たりを引いたようである。
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