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昨日はラージットをテイムしようとあれこれ試していたら結局晩ごはん前までゲームをやってしまった。
いつもなら風香にゲームのやり過ぎは良くないと言っていた私が逆に風香から冗談半分ではあるが言われてしまったので少し彼女の気持ちが分かった気がした。
閑話休題、私は学校から帰り『TWO』にログインするととても重大なことに気付いてしまった。
「お金が無い…。」
昨日足りなくなってしまったので野菜スティックを追加で購入したり、何度かラージットに殺されたせいでクレジット(ゲーム内通貨)がかなり寂しいことになっており、野菜スティックを一つ買うお金もなくなっていたのである。
(因みにだが『TWO』では死亡ペナルティとして持ち物かクレジットがランダムで消失してしまう。)
幸い昨日友達になれなかったラージット達の形見が少しあるので最悪それを換金してしまえば大丈夫だけど…、友達になろうとした子の毛皮を売るのは若干気が引ける。
と、いうことで今日はラージットをテイムする前にモノの街にある『職業斡旋所』でちょっとした依頼を受けて野菜スティックを買うお金を調達したい。
今朝、ご飯の時に風香が話していたことによるとこの『職業斡旋所』とはファンタジーのゲームや小説に出てくる冒険者のギルドというモンスターの討伐や薬草の採取、はたまた商人や要人の護衛などあらゆる仕事を斡旋してくれる所とシステムは同じらしい。
ならば何故冒険者ギルドではなく『職業斡旋所』という呼称なのか、それは『職業斡旋所』はどんな才能を選んだ人でも仕事を紹介してくれる施設だかららしい。
というのも『TWO』には選んだ才能によって入る入れないが分けられる『職業組合』が才能ごとに職種を大まかに分類しており、薬の調合なら『薬種組合』、魔法に関する仕事ならば『魔法組合』と才能に合った仕事を紹介してくれる。
ただ、中には才能に関係のない仕事や様々な才能が必要な仕事も存在する。そういった仕事は全て『職業斡旋所』からの依頼になる。
『職業斡旋所』では『職業組合』からの依頼を受けることもあり、様々な組合を繋ぐ縁の下の力持ちでもある。
大分話は逸れたが私は早速二階建ての大きな石造りの建物の『職業斡旋所』に入ってみることにした。
私の勝手な偏見だけどこういう場所は埃っぽくて、酒を煽る筋肉ムキムキの男たちで溢れているイメージだったが建物に一歩入るなりそのイメージは一気に吹き飛んだ。
「職業斡旋所へようこそ!!
本日はどのようなご用件で参りましたか?」
斡旋所に入ってきた私を見るなり緑色のメイド服を着た職員のお姉さんが飛んできて私に要件を聞いてきた。
斡旋所の中は明るくとてもいい匂いがして、筋肉ムキムキの人もチラホラと見かけるがそれ以上に小さい男の子からヨボヨボのおばあちゃんまで老若男女の人間が食事を取ったり端の方で談笑したり掲示板の前で何やら相談事をしていた。
「えっと…、
こういう場所に来るのが初めてでして…。
何かお仕事を受けるにはどうすれば良いんでしょうか?」
「ああ、でしたら斡旋所の登録が必要ですね。」
なんだか初めて入る美容院みたいで緊張する。
私が尋ねるとお姉さんは頷くと私をカウンターまで案内してくれた。
「それではこちらに掌を当ててください。」
お姉さんが差し出してきたのはタブレット…、ではなく表面の黒い石板だった。
私は言われるままに右手を石板にあてると石版の表面が白く光り出した。
「ありがとうございます。それでは少々お待ち下さい。」
そう言うとスイスイ石板の表面を…、やっぱりタブレットじゃない?
「お待たせ致しました。後は登録料2,500クレジットお支払いいただければ登録完了です!」
なんだって!?
「あの、すいません。今なんて…?」
「登録料を支払って登録完了です。あ、もしかしてお手持ちが無いとか?でしたら素材の交換でも大丈夫ですよ?」
お姉さんいわく、依頼ごとに斡旋の手数料をもらわない代わりに登録には料金が掛かるらしい。
2,500クレジットと言うと野菜スティック10セットと同じ値段だ。
「そ、そうですか。そうですよね。
えっと、今はラージットの皮しか持ってないのですが何枚必要ですか?」
「そうですねー、今はラージットの皮をいっぱい持って来てくださる方が沢山いますので10枚、いえ8枚で大丈夫です。」
先に登録料のこと言わなかった私も悪いのでとお姉さんは少し負けてくれた。
「あー、それなら払えます。」
ギリギリ足りた…。
だけどラージットの皮を売らないために来たのにこれではあまり意味がないよ。
「…ホント、すいませんね。皆さん知っていることだと思っていたので。
これ、この施設のカードです。これを依頼書と一緒に見せていただいて依頼を受注したことになります。」
お姉さんはとても申し訳なさそうに『職業斡旋所』のカードを渡してくれた。
これからはちゃんと調べてから登録をしようと私は依頼書が沢山貼ってある掲示板に向かいながら強く心に決めた。
いつもなら風香にゲームのやり過ぎは良くないと言っていた私が逆に風香から冗談半分ではあるが言われてしまったので少し彼女の気持ちが分かった気がした。
閑話休題、私は学校から帰り『TWO』にログインするととても重大なことに気付いてしまった。
「お金が無い…。」
昨日足りなくなってしまったので野菜スティックを追加で購入したり、何度かラージットに殺されたせいでクレジット(ゲーム内通貨)がかなり寂しいことになっており、野菜スティックを一つ買うお金もなくなっていたのである。
(因みにだが『TWO』では死亡ペナルティとして持ち物かクレジットがランダムで消失してしまう。)
幸い昨日友達になれなかったラージット達の形見が少しあるので最悪それを換金してしまえば大丈夫だけど…、友達になろうとした子の毛皮を売るのは若干気が引ける。
と、いうことで今日はラージットをテイムする前にモノの街にある『職業斡旋所』でちょっとした依頼を受けて野菜スティックを買うお金を調達したい。
今朝、ご飯の時に風香が話していたことによるとこの『職業斡旋所』とはファンタジーのゲームや小説に出てくる冒険者のギルドというモンスターの討伐や薬草の採取、はたまた商人や要人の護衛などあらゆる仕事を斡旋してくれる所とシステムは同じらしい。
ならば何故冒険者ギルドではなく『職業斡旋所』という呼称なのか、それは『職業斡旋所』はどんな才能を選んだ人でも仕事を紹介してくれる施設だかららしい。
というのも『TWO』には選んだ才能によって入る入れないが分けられる『職業組合』が才能ごとに職種を大まかに分類しており、薬の調合なら『薬種組合』、魔法に関する仕事ならば『魔法組合』と才能に合った仕事を紹介してくれる。
ただ、中には才能に関係のない仕事や様々な才能が必要な仕事も存在する。そういった仕事は全て『職業斡旋所』からの依頼になる。
『職業斡旋所』では『職業組合』からの依頼を受けることもあり、様々な組合を繋ぐ縁の下の力持ちでもある。
大分話は逸れたが私は早速二階建ての大きな石造りの建物の『職業斡旋所』に入ってみることにした。
私の勝手な偏見だけどこういう場所は埃っぽくて、酒を煽る筋肉ムキムキの男たちで溢れているイメージだったが建物に一歩入るなりそのイメージは一気に吹き飛んだ。
「職業斡旋所へようこそ!!
本日はどのようなご用件で参りましたか?」
斡旋所に入ってきた私を見るなり緑色のメイド服を着た職員のお姉さんが飛んできて私に要件を聞いてきた。
斡旋所の中は明るくとてもいい匂いがして、筋肉ムキムキの人もチラホラと見かけるがそれ以上に小さい男の子からヨボヨボのおばあちゃんまで老若男女の人間が食事を取ったり端の方で談笑したり掲示板の前で何やら相談事をしていた。
「えっと…、
こういう場所に来るのが初めてでして…。
何かお仕事を受けるにはどうすれば良いんでしょうか?」
「ああ、でしたら斡旋所の登録が必要ですね。」
なんだか初めて入る美容院みたいで緊張する。
私が尋ねるとお姉さんは頷くと私をカウンターまで案内してくれた。
「それではこちらに掌を当ててください。」
お姉さんが差し出してきたのはタブレット…、ではなく表面の黒い石板だった。
私は言われるままに右手を石板にあてると石版の表面が白く光り出した。
「ありがとうございます。それでは少々お待ち下さい。」
そう言うとスイスイ石板の表面を…、やっぱりタブレットじゃない?
「お待たせ致しました。後は登録料2,500クレジットお支払いいただければ登録完了です!」
なんだって!?
「あの、すいません。今なんて…?」
「登録料を支払って登録完了です。あ、もしかしてお手持ちが無いとか?でしたら素材の交換でも大丈夫ですよ?」
お姉さんいわく、依頼ごとに斡旋の手数料をもらわない代わりに登録には料金が掛かるらしい。
2,500クレジットと言うと野菜スティック10セットと同じ値段だ。
「そ、そうですか。そうですよね。
えっと、今はラージットの皮しか持ってないのですが何枚必要ですか?」
「そうですねー、今はラージットの皮をいっぱい持って来てくださる方が沢山いますので10枚、いえ8枚で大丈夫です。」
先に登録料のこと言わなかった私も悪いのでとお姉さんは少し負けてくれた。
「あー、それなら払えます。」
ギリギリ足りた…。
だけどラージットの皮を売らないために来たのにこれではあまり意味がないよ。
「…ホント、すいませんね。皆さん知っていることだと思っていたので。
これ、この施設のカードです。これを依頼書と一緒に見せていただいて依頼を受注したことになります。」
お姉さんはとても申し訳なさそうに『職業斡旋所』のカードを渡してくれた。
これからはちゃんと調べてから登録をしようと私は依頼書が沢山貼ってある掲示板に向かいながら強く心に決めた。
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