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花言葉は…
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「体調悪い?大丈夫?」
立ち尽くしている自分に声をかけられた。
それもそうだ、利用する人は多いのだから邪魔をしてしまった。とはっとして声をかけてくれた人に、謝らなくては…。とグルグルと思考をまとめようとしてもうまくいかない
「ねぇ、慈雨?
なんで泣きそうな顔してるの?」
「か、かなで」
声をかけてくれた人は…奏だった。
なんで泣きそう顔してるの?と声をかけてくれた奏自身も泣きそうな顔をしていて、入り口付近から少し退けたところで奏は無言で私を抱きしめてくれた。私も無言で奏にされるがままだった。
体感にしては、長かったけど実際の時間にしたら5分も経っていないだろうなと思ってしまうくらい奏は理由を聞かずに私を抱きしめてくれた。
「だいぶ落ち着いたから、離れてもいいよ。
ありがとう奏。」
「慈雨は何でもかんでも自分の中に留めておいてしまう傾向があるから、無理しないで!とは言わないから言えるときになったら教えてほしいなー。とは思ってる。」
奏の言葉に無言で頷くことしかできなかった。
そもそも何で奏がここにいるんだろうという
疑問はあったが「慈雨がいいならなんだけど
今日家に泊まりに来ない?」と提案されて、
一瞬どうしよう。とは思ったが以前から奏の家にお邪魔させていただくこともあり、服も置かせてもらっているため奏の提案を受け入れることにした。親に連絡して了承を得たのでそのまま家に行くことにした。その間、奏は私の手を繋いで他愛のない話をしてくれていた。奏の優しさにまた嬉しいやら悲しいやら胸が熱くなった。
奏の家に着き、部屋に通された後も泣きそうだった理由を聞かれることなく一緒に過ごしていた。ふと、奏が一瞬だったが顔を曇らせたので
「どうしたの?」と声をかけると「大丈夫!」
と言われたが不自然だったために更に問い詰めるように聞くと立花さんに関することだった。
なんでも、面談も年齢が近いから話しやすいだろう。という教師側からの配慮で生徒側に寄り添って身近な相談役として…ある種のパイプ役を担ってくれていたのと後数日で自習期間が終わってしまうということでサプライズを計画中で自分たちなりの感謝ってなんだろうね。と一部のクラスメイトの中で作戦会議が行われており、寄せ書きとあと一つ何かないかな。と思案中で私にも相談したかったが、タイミング的にどうなのだろうか。と奏は気にして言い淀んでしまったということだった。
「こっちのことを気遣ってくれてありがとう」
「ううん、私が心配したくてしてることだから慈雨は気にしなくていいんだよ。逆に更なる不安?を持たせてしまってごめんね。」
お互いに顔を見合わせて笑ってしまった。
互いを想い合うが故のぎこちなさがなんだが
不思議と笑えてしまったのだ。
「奏ってさ、私のこと好きだよね?」
「あっっったり前じゃん!!
慈雨のこと好きだよ!
慈雨も私のこと好きでしょ?」
「あはは、食い気味じゃん。
好きだよ。だからこそ、ありがとう」
「あのね、もう一つの贈り物なんだけど…」
「おお!いいじゃん!
グループに連絡してみるね!」
……
私が提案した贈り物は【花束】
自習期間最終日に立花さんは目尻に涙を溜めながら笑顔で寄せ書きと共に受け取り喜んでくれた。贈った花束の花は【ネモフィラ】
花言葉は【どこでも成功】
貴方の幸せを願ってます。
私は自分の気持ちは自分の中で留めておくことにしたのだ。奏は薄々気づいているようだが特に詮索はなかった。きっと、これからも私が話さない限り聞いてこないのだと思う。
だから、これは私だけが知っている話
立ち尽くしている自分に声をかけられた。
それもそうだ、利用する人は多いのだから邪魔をしてしまった。とはっとして声をかけてくれた人に、謝らなくては…。とグルグルと思考をまとめようとしてもうまくいかない
「ねぇ、慈雨?
なんで泣きそうな顔してるの?」
「か、かなで」
声をかけてくれた人は…奏だった。
なんで泣きそう顔してるの?と声をかけてくれた奏自身も泣きそうな顔をしていて、入り口付近から少し退けたところで奏は無言で私を抱きしめてくれた。私も無言で奏にされるがままだった。
体感にしては、長かったけど実際の時間にしたら5分も経っていないだろうなと思ってしまうくらい奏は理由を聞かずに私を抱きしめてくれた。
「だいぶ落ち着いたから、離れてもいいよ。
ありがとう奏。」
「慈雨は何でもかんでも自分の中に留めておいてしまう傾向があるから、無理しないで!とは言わないから言えるときになったら教えてほしいなー。とは思ってる。」
奏の言葉に無言で頷くことしかできなかった。
そもそも何で奏がここにいるんだろうという
疑問はあったが「慈雨がいいならなんだけど
今日家に泊まりに来ない?」と提案されて、
一瞬どうしよう。とは思ったが以前から奏の家にお邪魔させていただくこともあり、服も置かせてもらっているため奏の提案を受け入れることにした。親に連絡して了承を得たのでそのまま家に行くことにした。その間、奏は私の手を繋いで他愛のない話をしてくれていた。奏の優しさにまた嬉しいやら悲しいやら胸が熱くなった。
奏の家に着き、部屋に通された後も泣きそうだった理由を聞かれることなく一緒に過ごしていた。ふと、奏が一瞬だったが顔を曇らせたので
「どうしたの?」と声をかけると「大丈夫!」
と言われたが不自然だったために更に問い詰めるように聞くと立花さんに関することだった。
なんでも、面談も年齢が近いから話しやすいだろう。という教師側からの配慮で生徒側に寄り添って身近な相談役として…ある種のパイプ役を担ってくれていたのと後数日で自習期間が終わってしまうということでサプライズを計画中で自分たちなりの感謝ってなんだろうね。と一部のクラスメイトの中で作戦会議が行われており、寄せ書きとあと一つ何かないかな。と思案中で私にも相談したかったが、タイミング的にどうなのだろうか。と奏は気にして言い淀んでしまったということだった。
「こっちのことを気遣ってくれてありがとう」
「ううん、私が心配したくてしてることだから慈雨は気にしなくていいんだよ。逆に更なる不安?を持たせてしまってごめんね。」
お互いに顔を見合わせて笑ってしまった。
互いを想い合うが故のぎこちなさがなんだが
不思議と笑えてしまったのだ。
「奏ってさ、私のこと好きだよね?」
「あっっったり前じゃん!!
慈雨のこと好きだよ!
慈雨も私のこと好きでしょ?」
「あはは、食い気味じゃん。
好きだよ。だからこそ、ありがとう」
「あのね、もう一つの贈り物なんだけど…」
「おお!いいじゃん!
グループに連絡してみるね!」
……
私が提案した贈り物は【花束】
自習期間最終日に立花さんは目尻に涙を溜めながら笑顔で寄せ書きと共に受け取り喜んでくれた。贈った花束の花は【ネモフィラ】
花言葉は【どこでも成功】
貴方の幸せを願ってます。
私は自分の気持ちは自分の中で留めておくことにしたのだ。奏は薄々気づいているようだが特に詮索はなかった。きっと、これからも私が話さない限り聞いてこないのだと思う。
だから、これは私だけが知っている話
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