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変化
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若干の間があったが、気を取り直して。と
千鶴先生は本題へと入った。
「呼び出したのは教科係の仕事も含めだけど
6対4の割合で私情なの。
明日の4限に以前から言っていたリスニングテストをするから慈雨ちゃんからみんなに伝えて欲しいの。
それと…提出期限を守らないコが居て困っているから期限のことを伝えて。」
「守らないコって、奏のことですか?」
私の問いに千鶴先生は肩をすくめるだけだった
「それで、残り6割の私情なんだけど慈雨ちゃんが珍しく上の空でいる。と流花先生から私に相談されたのよ。でも、二人を見て納得したわ。」
個人的に期限を守らないコに伝えてほしい。と
言われたので具体的に言うと肩をすくめたのは
その人が該当人物だから。というが明白に伝わった。それにしても立花センセイが来てからというものの私は上の空でいることが多くなっていた。
さすが流花ちゃん、担任の目は誤魔化せないのか。
「あらぬ誤解をされているだけですよ。
多分、千鶴先生が思っているようなモノじゃなくて単純に立花センセイとは顔見知りなんです。教育自習生として学校に来るなんて知らなかったので驚いてて…兎に角、変な詮索はしないでください!」
「慈雨ちゃんが照れるだなんて珍しぃ!
私だって生徒と恋バナがしたかったんだもの
みーんな、流花先生に相談して私には相談してくれないから寂しいの。」
「それは…千鶴先生は大人!っていう理想的な人ですからね。流花ちゃんは親しみやすさと
同年代感がありますから。」
「だから!それが!
羨ましいのぉぉぉー。」
席に座ったときに有り難くもお茶が出されたので普段の印象からかけ離れている千鶴先生を見つめながら私は「素を見せればいいのでは。」と思ったが内心だけに留めておいた。私の場合は、絵師たちの絵が一度に観れる展覧会があって興味本位で立ち寄ったところに趣味全開!と顔に書かれている完全オフな千鶴先生を見つけてしまったからだ。声をかけずに通り過ぎようとしたときに何故か先生から声をかけられたのをきっかけにこうして教科係というのを名目?口実に?放課後雑談することが多々あるのだ。
「千鶴先生は千鶴先生で流花ちゃんは流花ちゃんのキャラがあるだけなので、私はそのままでもいいと思いますよ。あれですよ。ギャップってやつです。」
「そうなのかなぁー。
キツい教師と思われてなければそれはそれで
いいっか。」
その問いにも似た自己完結な言葉に私は頷き
「明日、提出期限のこととテストのことを
みんなに伝えておきますね。
お茶ご馳走様でした。」
「ええ。ありがとう。
また、お話ししましょうね!」
英語科準備室から下駄箱へ向かう道中、私は
考えていた。今まで本を読んで《恋》というものを認識はしていても私の初恋っていつだったのだろうかと。そもそも私は初恋を経験しているのか。という疑問が出てしまったのだ。
「香坂さん、これから帰るの?
じゃあーね!」
階段から降りるとまだ下駄箱周辺には私同様に帰宅していない生徒が何人かいた。
その中で他クラスの生徒が挨拶してくれたのを私は短く返事をして校舎を出た。
千鶴先生は本題へと入った。
「呼び出したのは教科係の仕事も含めだけど
6対4の割合で私情なの。
明日の4限に以前から言っていたリスニングテストをするから慈雨ちゃんからみんなに伝えて欲しいの。
それと…提出期限を守らないコが居て困っているから期限のことを伝えて。」
「守らないコって、奏のことですか?」
私の問いに千鶴先生は肩をすくめるだけだった
「それで、残り6割の私情なんだけど慈雨ちゃんが珍しく上の空でいる。と流花先生から私に相談されたのよ。でも、二人を見て納得したわ。」
個人的に期限を守らないコに伝えてほしい。と
言われたので具体的に言うと肩をすくめたのは
その人が該当人物だから。というが明白に伝わった。それにしても立花センセイが来てからというものの私は上の空でいることが多くなっていた。
さすが流花ちゃん、担任の目は誤魔化せないのか。
「あらぬ誤解をされているだけですよ。
多分、千鶴先生が思っているようなモノじゃなくて単純に立花センセイとは顔見知りなんです。教育自習生として学校に来るなんて知らなかったので驚いてて…兎に角、変な詮索はしないでください!」
「慈雨ちゃんが照れるだなんて珍しぃ!
私だって生徒と恋バナがしたかったんだもの
みーんな、流花先生に相談して私には相談してくれないから寂しいの。」
「それは…千鶴先生は大人!っていう理想的な人ですからね。流花ちゃんは親しみやすさと
同年代感がありますから。」
「だから!それが!
羨ましいのぉぉぉー。」
席に座ったときに有り難くもお茶が出されたので普段の印象からかけ離れている千鶴先生を見つめながら私は「素を見せればいいのでは。」と思ったが内心だけに留めておいた。私の場合は、絵師たちの絵が一度に観れる展覧会があって興味本位で立ち寄ったところに趣味全開!と顔に書かれている完全オフな千鶴先生を見つけてしまったからだ。声をかけずに通り過ぎようとしたときに何故か先生から声をかけられたのをきっかけにこうして教科係というのを名目?口実に?放課後雑談することが多々あるのだ。
「千鶴先生は千鶴先生で流花ちゃんは流花ちゃんのキャラがあるだけなので、私はそのままでもいいと思いますよ。あれですよ。ギャップってやつです。」
「そうなのかなぁー。
キツい教師と思われてなければそれはそれで
いいっか。」
その問いにも似た自己完結な言葉に私は頷き
「明日、提出期限のこととテストのことを
みんなに伝えておきますね。
お茶ご馳走様でした。」
「ええ。ありがとう。
また、お話ししましょうね!」
英語科準備室から下駄箱へ向かう道中、私は
考えていた。今まで本を読んで《恋》というものを認識はしていても私の初恋っていつだったのだろうかと。そもそも私は初恋を経験しているのか。という疑問が出てしまったのだ。
「香坂さん、これから帰るの?
じゃあーね!」
階段から降りるとまだ下駄箱周辺には私同様に帰宅していない生徒が何人かいた。
その中で他クラスの生徒が挨拶してくれたのを私は短く返事をして校舎を出た。
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