ヒメゴト

四季凪 牡丹

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ビタースイート

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私の想い出というか未だに乗り越えられていない話を聞いてほしい。


満たされる行為を覚えたのは周りより早かった
いや、意外に居たのかもしれないけど環境的に
隠すのはみんな上手かったのかも。

″この部屋には理性なんて無いんだから捨てろ″

″マジでそーゆーこと言う人いるんだね。
厨二病拗らせてる人みたいじゃん。やばっ″

当時は本当に馬鹿だった。
今も馬鹿なのは変わりないけどあの頃よりはマシだと客観視できるほどにはおかしかった。
年上の彼は私に行為を教えてくれた。
苦しくても痛くても満たされる時は全てを【無】にしてくれたから寧ろ心地よかった

″ねぇ、この関係性ってなんだろうね?″

″名前なんて要らないだろ。
何でもかんでも名前をつければいいってもんでもないし。わかりやすくしているだけで実際は名前なんてそこまで大きな意味を持たない″

″ふーん。そんなもんか。″

″そんなもんだ。″

何度か行為を繰り返していた時に足りない頭で
関係性を模索していたが要らないと言われてしまった
考えなくてもいいのかと一瞬受け入れかけたがやはり明白にしたい気持ちもある。

″セフレ?愚痴やら話をしてご飯食べてヤることはヤるからセフレなのかな?″

″は?セフレとは違うだろ。
少なくとも俺は恋愛感情あるぞ?付き合わないだけでセフレっていう名前にはしたくない″

馬鹿だから彼の発言の意図はわからなかった。
周りに恋人たちが出来始めた頃、
彼は悪い人だ。と気づいた
悪い人だと分かっていても頭では理解していても身体が彼を求めていた。なによりも【行為】は無にしてくれたから行き場のない気持ちの捌け口にしていた部分があったから悪いのは彼だけじゃない。
自分も同罪なのだ。

それでも曖昧な関係から抜け出せずに抱えていく気持ちだけが大きくなって息が苦しくなって
唯一信頼できる友達に相談した。全ての話を聞き終えた友達に無言でスマホを奪われて連絡先をやりとりを消された。もっと早く辛くなる前に頼れ!と抱きしめられた。
そう言った彼女は、少し泣いていて彼との繋がりを消されたことで一瞬頭が真っ白になったけど、それ以上に【これで終わりなんだ】と思ったら重圧が消えて息が少し楽になった。ああ、思ってた以上に辛かったんだ。って、現実に引き戻されて私も静かに涙を流した。

いま、貴方以上に愛してる相手がいるのかと
聞かれたら居ない。抱きしめてくれる温もりが低めの声もあの時の私を落ち着かせてくれたことには変わりない。

でも、それが、イマの私を苦しめる。





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