私だけが知っている。

四季凪 牡丹

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自覚

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立花センセイがセンセイとしての仮期間が終わってしまう前にと。クラスのみんなで
寄せ書きを書いていた。しかも、授業中に
「あのなぁー。いいけどさぁー、お前ら
俺の授業は何でも交換な時間じゃ無いからなぁ。まあ、寄せ書きしたいから授業無しにして!って言われた時は流石には?ってなったけど、俺以外だったらアウトだから。」
という、黒田先生のありがたーい配慮で
こっそりと書いていた。多少なりとも騒がしくてもだいたい国語は騒がしいので他クラスからの苦情もない。

「慈雨は寄せ書き、何で書くの?」
「フツーに今までありがとうございました。これからも夢に向かって頑張ってください。って書くだけだよ。」
えー、本当に?と奏は私の気持ちがまだ
曖昧なままだという事を知ってか知らずか
ニコニコしていた。
‥‥

流花センセイとの面談でスッキリしたかと
言えば完全では無いけど多少なりとも自分のモヤは少し晴れた。こーゆー時に屋上開放されてたらいいのになぁ。と漫画脳が働いてしまう。目指すは前回とは違う自販機
流石に前と同じ場所は気まずい。
ガコン。自販機に着きお目当てのブラックコーヒーを手に取る。以前とは違う自販機だとしてもやはり思い出してしまう…。
恋愛感情なのかが未だにわからない私は
第三者から見たら自分の気持ちを認めたく無いだけのただ意地っ張りに見えてしまうのかもしれない。
けど、きっとこれは憧れだ。
だって、立花センセイを見ていたら気づいてしまった。彼は流花センセイの事が好きな気がする。あくまで、予想だけど。
だって、仮にも好きな人を見ていたらその人の視線にも気付いてしまうでしょ。

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